【6954】ファナックの2019年3月期通期決算を読む~ロボット出荷シェア推移からみる同社の競争力

今回はロボット大手のファナックの決算をみていきます。


ファナックは消費者には馴染みの薄い企業ですが、株式投資をされる方なら誰でも一度は聞いたことがある企業だと思います。

ファナックは工作機械用CNC装置(※1)で国内シェア70%、世界シェア50%を占める最大手企業であるほか、

ロボット業界でも世界大手4強(ファナック、安川電機、ABB、KUKA)の一社となっていあmす。

またファナックは微細加工用工作機械分野でも有力企業であるほか、

それら工作機械やロボットを統合して制御するためのプラットフォーム「Field System」の開発も行うなど、

世界の製造業を製造設備の面から支える企業となっています。


※1・・・CNC装置= computerized numerical control /コンピュータ数値制御装置。工作機械の動作を数値で制御、指示するための装置のうち、各機種ごとの特性に応じて補正してくれる装置。


とりあえず、ファナックの製品群について細かく書いていくと紙面が足りませんので、詳しくは以下の動画をごらんください。

非常にわかりやすいと思います。


それではまず最初に、ファナックの業績を長期の業績推移からみていきましょう。



ファナックの長期業績推移 グラフ 1972年~


画像1

(ファナック アニュアルリポートより)

ファナックの長期の売上推移は上記のようになっています。

2000年代初頭まで国内の需要家を相手に商売していたファナックですが、2000年以降は海外への販売を増やして成長力が一段高くなりました。

特にWTO加盟後に日本企業が中国に進出した影響は大きく、日本企業の中国工場などへの輸出拡大によりファナックの業績は後押しされることになりました。


ファナックの売上は、上記のように非常に堅調に伸びてきました。

しかし、営業利益まで含めると、やや違った景色が見えてきます。



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