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『アイネクライネナハトムジーク:伊坂幸太郎』を読んだ

◯読む前
伊坂幸太郎氏。お名前だけ存じております。
読書初心者なもので。
同タイトル、映画になったなあという記憶はあるが、多分見てないな。恋愛ものはあまり読んでこなかった。

アイネクライネは米津玄師氏の曲にもあるよね。

タイトルの意味を調べた。ドイツ語で、
アイネ(Eine) 女性形の不定冠詞
クライネ(kleine) 「小さな」の意味の形容詞kleinの女性形
ナハト(Nacht) 「夜」
ムジーク(Musik)「音楽」
「小さな夜の曲」という意味で日本では「小夜曲」と訳される、らしい。

小夜曲(セレナーデ)。愛の歌か。

◯アイネクライネ
・街頭アンケートか。確かにハードル高いな。個人情報とか詐欺とか。ほぼ確で断られるし、断られるだけならまだしも嫌な目で見られるだろうし。

・藤間さんのように、完璧な人間に思えても、人間であるうちは不完全なんだな。泣きっ面に蜂。悲しみは連鎖しますね。

・アンケート答えてくれた、シャンプーを買う予定の彼女。一言添えてくれるあたり、優しい人に感じる。

・ボクシング。あまりみたことないな。どのスポーツよりも瞬間的に決まる勝負だろうから、飽きっぽい私には向いているかもしれない。

・「俺たちの憧れだった、由美さんがもう、立派なママなんだな、と」
友人の一真とその妻の由美。この気持ちわかるー。憧れの人もだし、普通の友人もだし、なんとなく喪失感に近い感じがある。

・出会いとは。その時にこれだ!となるものだったり。後から振り返ってみて気づくものだったり。いろんな顔があるね。でも結局結果論なんだと思う。良いか悪いか、強いか弱いかはその時には判断できない。

・藤間さんの奥さんすごいな。出会いを作る為に財布を落とすか。確かに拾ってくれなかったらそこまでの縁だろうし。

・シャンプーの彼女に工事現場で再会。もうドラマのようだな。

◯ライトヘビー
・美容師の美奈子と常連の香澄。

・確かに告白の仕方が交差点のでかいビルにメッセージが出るのは重い。ヘビー級。

・缶ジュースあげるの感覚で弟に紹介していいか聞く香澄。電話番号教えたらかかってきた。姉に騙されたか。あの虫の登場で、会話が続く。まあ新鮮な体験だね。

・客の気分に合わせて曲のワンフレーズを流す斉藤さん。たくさんの曲を持っていないと対応できないだろうに。喋らないかわりに曲で会話している感じ。

・香澄の弟からまた電話。共通点の香澄という存在から話が盛り上がった。同い年とわかると壁が割と薄くなるよね。また名前を聞くのを忘れた。週に何回か電話することで学だと知った。会わないの?

・美奈子と由美、知り合いか!

・学の仕事が忙しい時は電話こない。期間が空いてもまたかけてくれる。羨ましい関係。

・ボクシングの試合に日本人が勝ったら学は告白すると。ネタを本人にばらすな!

・格闘技初心者なのに試合描写細かいな!よっぽど惹き込まれていたんだろうな。

・まさかの学自身がボクサーだったとは。

◯ドクメンタ
・ドクメンタ: 5年に一度、ドイツ・カッセルで開催される世界最高峰の国際美術展「ドクメンタ(documenta)」

・5年に一度のイベント。運転免許更新。5年前の藤間の証明写真、愛想はないが不満達などもないといった顔。

・娘が作ったお手製のフォトスタンドに動物園で撮った家族写真。確かに幼子を連れた母親に写真を撮ってほしいとお願いするのは繊細さが無いか。

・大雑把な藤間と几帳面な妻。なんで社内では几帳面なのに家庭ではダメになるのか?私も藤間タイプだなあ。緊張感が違うのかなあ?家族に対してだと甘えてしまう?

・免許更新の視力検査で藤間の眼鏡を奪うように借りた、赤ん坊を連れた彼女。性格は藤間に似てズボラ?

・女房は別の国、外交だと課長は言う。うまいこと言うじゃん。妻が出て行った藤間の話を掘り下げる。鋏の片付け忘れはきっかけにすぎなくて、今までの積み重ねがもう耐えられなかったんだろうな。

・課長のミッキーの話から何を読み取れば?ずっと顔色変えずに手を振り続けるミッキー。相手を想い行動し続けるってこと?

・次の更新でも眼鏡の彼女に会った。偶然の歓び。息子の大人びた発言いいな。父親が出て行った状況を分かっているのか。積み重ねた結果の末。

・データぶっ飛ばし事件の時一緒にいた、後輩の佐藤。ボクシングチャンピオンのサインもくれた。いいやつ。

・娘、記帳なんて知ってるの?よっぽど母親が言っているんだろうな。淡々と話すあたり、割と大きい子?精神が成熟した幼子?

・3度目の更新。出会えるのか?会えたわ。お互い懲りずに最後の日曜日に。狙ってるまであるよな。え、わざわざ探しにきてくれたの?

・彼女が記帳したら、オレモワルカッタという名前で100円が振り込まれ続けていた。彼女の夫も仲直りしたかったのか。手の込んだことを。

・藤間も慌てて朝イチで銀行で記帳。妻も同じことしてるかな?でも変わろうとするきっかけとしてはいいのかもしれない。

○ルックスライク
・英語の深堀先生と高校生の和人。

・他人とは違う生き方に憧れる時はあるよね。世の中の歯車になりたくないとか。

・クレーマーに捕まる朱美。機転のきいたお兄さんがいいカットインを決めた。うまいな。

・和人に相談を持ちかける同級生の美緒。なんか発言が不思議ちゃんな感じ。

・ファミレスのお兄さん、邦彦。付き合い始めたか。出会いが衝撃的だもんな。教育実習大変だ。すれ違っていく。サプライズは相手のためというよりは自分のためにしている気がする。

・駐輪場で生徒を、自分が助けられた手法で助けた先生。

・話が並列だったから同じ時間軸かと思ったけど、20年くらい経ってるのか。まさか元カレの息子の先生になってるなんて。

・元カレの面影を感じていたんだろうか。授業中に。

◯メイクアップ
・化粧品会社に勤めるわたし、結衣と同期の佳織。

・結衣が、昔いじめられていた時の話をする。つらい。

・上司の山田さんの友達が世界チャンピオンと結婚した!美容師の美奈子だ!

・私が選ぶ側になれるプレゼン。相手にいじめの中心格のやつがいた。

・さすがに大人になれば立ち振る舞いは変わるけど。それは気づいていないから?

・今の彼女がどうなっているかを知って、古傷を癒すことはできる?復讐したいんじゃないの?
それでも相手を蔑めることはしなかった。やり返すのにも才能は要るんだな。

・プレゼンが通るか、怪しい人物に騙されてしまうのか、どのパターンでくるのか。語られずに終わる?だと?

◯ナハトムジーク
・美奈子、小野、一真、佐藤、由美。総動員じゃん。公園でいじめられていた少年の話。チャンピオンになった後の話しから。

・藤間さんの娘と一真の娘、美緒が出てきた。

・人物と時系列がごっちゃだ!

・再戦で負けていたか。結婚したのは負けて怪我の療養中の頃か。肩書きなんて関係ないよね。

・時間が揺さぶられる。

・あ、記帳のやり取りあったんだ。良かったね、藤間さん。

・小野の対戦相手、めちゃ煽ってくるじゃん。

・曲を選んでくれる斉藤さんだ!無言でかけてくれるんだね。

・藤間さん、離婚してたんか。離婚してからの方が互いにとってベストな距離を保てているのかも。

・ラウンドボーイ!あの時の少年か!ギリギリの小野の前に出るなんて展開あちぃ!最終ラウンドでダウンを奪った。え、ゴングの後?

・番組の司会者、和人の同級生だ!

・ナハトムジークは今までの総集編のような感じで、次々回収される話をまとめるので必死だった。

○読み終えて
各話の話も綺麗だったけど、最後に一括で回収にくるあたりが最も美しかった。時間の流れを追うのが大変だったかも。人間相関図を書きながら読むことをオススメしたい。いかにもな恋愛ものというよりは出会いに重心を置いた人間ドラマを見ている気持ちで抵抗なく読むことができた。人との出会いで人生が大きく変わっていく人たちの姿はとても興味深かった。

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