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同性愛が禁じられた敬虔なユダヤ教の家で育った2人の物語、そして最後の解放と赦しが見逃せない

映画 【ロニートとエスティ 彼女たちの選択】(2017)

個人的感想:★★★★☆


あらすじ:

敬虔なユダヤ教徒の家に生まれ育ったロニートは、その伝統的な生活と保守的な価値観に溶け込むことができず、長らく故郷を離れていた。そんなある日、彼女のもとに父親が亡くなったとの知らせが入る。不本意ではあったが、ロニートは生まれ故郷に戻らざるを得なくなる。
帰郷したロニートは旧友のエスティと再会する。2人の関係は旧友というよりも元恋人に近いものだったが、ユダヤ・コミュニティーではそれを公にすることはできなかった。エスティはすでに別の男性(ドヴィッド)と結婚していたが、燃え上がる恋の炎を押さえ込むことができない。ロニートとエスティは信仰と愛の間で葛藤するが、やがてそれは2人だけの問題に留まらなくなっていく。2人の関係が知れ渡った結果、宗教共同体の価値観が根底から揺さぶられるような事態に発展する。

引用元:Wikipedia『ロニートとエスティ 彼女たちの選択』



個人的感想:

 前半部分はとにかく暗く展開も遅くて、早送りしてしまいそうでした。
でも、後半にかけての展開に目が離せなかった。次はどうなる…? 結末はどう締める? 一体どうなるの?! と、どんどんと物語にグッと引き込まれて、のめり込んでしまいました。

色んな要素が盛り込まれてはいましたが、この物語はエスティが特にキーパーソン。エスティが自分らしく生きれていないとき、「自由」でないときは輝きがなくて暗く、髪の毛が鬱陶しい。でも少しずつロニートと再会してから、本当の自分、本来の自分を思い起こしていくうちに明るく輝いていく。

最後の「赦し」が深い。
自分だったら、こんな「赦し」はできるかな、と考えてしまうほどでした。

 そのさきにまだ未来があると感じられる結末も、見ている側の気持ちが救われる展開も、重苦しい制限も、最後にはその全てが描かれていて素敵な作品でした。

抑圧と解放をテーマにしている本作品。
前半部分の重苦しい場面も、その反動でブワッとなにかが花ひらく後半の展開も、全てが見逃せない作品です。




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