見出し画像

メディアに出る専門家についての雑感

私用PCがお亡くなりになり、スマホのみでブログ作成してみました、安藤です。

今回のブログは、メディア露出についてです。

建築業界でも、新建築などのメディアに掲載されることはとても栄誉なことですし、TVへの出演やカーサブルータスへの掲載などなど、さまざまな形でのメディア露出があります。

そんなメディア露出について、「メディアに出ている専門家」に対する考え方が、学生時代から社会人10年程を経た後で大きく変わったなぁ。。とあらためて振り返り、考え方の変化をまとめてみました。


学生時代のイメージ

学生時代は、「専門性や実績ある選ばれた方々のみが、選抜されてメディアに露出している」と認識していました。
専門性や実績のある専門家とメディアに出る専門家の集合が、ほぼ重なるようなイメージです(上の画像のイメージ)。そのため、まだメディアに出ていない方は、すなわち専門性や実績の不足している方々であり、プロとしての成長のためには、メディア露出は登竜門となるような、そんな考えを抱いておりました。

少し言い方を変えると、学生時代には、専門家としての専門性や実績の高さを自分自身で測ることが出来ていなかったため、メディア露出≒高い専門性であると、メディアに対して過剰な権威を信じてしまっており、何より自分自身での価値判断を放棄していたようにすら思います。

社会人歴10年を超えてからのイメージ

社会人10年を経て、上記の考え方が大きく変わってきました。上の画像イメージのように、専門性の高い専門家と、メディアに露出している専門家は必ずしも一致していないという考え方へ変化しました。そうした考え方の変化の背景には、メディア露出はなくとも専門性が非常に高い方々と遭遇してきた経験はもちろん、逆に、(非常に偉そうで恐縮ですが…)メディアに出ている方々でも必ずしも専門性や実績が高くないということが見える場面も散見してきた経験があります。

ここからは、①なぜ専門性の高い人がメディアに出ないのか?と②専門性が高くなくてもメディアに出る理由について、それぞれ考えをまとめてみます。

① 専門性は高いがメディアに出ない層:

背景として、メディア対応は必ずしも費用対効果の高い活動では無いということも見えてきました。特に、現業の中で重要な活動をこなしている方々にとっては、それらを差し置いてでも時間を使うべきかは怪しくなってきます。もちろん、経営者が企業自体のPR目的として実施することはありえますが、メディアに出ることの価値と、時間を使うコストとが見合わなければ、メディア露出はリスクも伴いますので、出ない方が良くなってしまうケースもあるのです。
さらに、メディアに載せられる内容というのも、関係者の都合や企業の競争力確保のため、公に出来ない内容が多いという制限もあります。それらの制限の中で、リスクを負ってでも発信するべきかどうか?という判断も迫られるのです。

② 専門性は乏しいがメディアに出る層:

逆に、業界内には「専門性や実績が乏しくても、どうしてもメディアに出たいと思う方々」がいることも見えてきました。駆け出しのベンチャー経営者がまずは認知を広げるために露出されることもありえますし、人間ですので、自己顕示欲を満たす手段としてメディア露出されているケースも、まぁまぁあります。

また各メディアは、それぞれの読者がどんな内容を読みたいか/見たいか、というニーズに対してアンテナを張っていますので、ニーズに合う内容を常に探しているという側面があります。ビジネスなので当然ですね。そのため、メディア露出をしたければ、専門性や実績が乏しくとも、メディアが発信したい内容に合わせてPRしていくことで、メディア露出自体は実現出来てしまうのです。もちろん言うは易しで、実現すること自体、PRの専門性が求められます。

メインメッセージ

今回のポエムを通して、「メディア露出している専門家の多くは大したことない!」といって、あまりメディアに出ていない自分の溜飲を下げたいのではなく、主なメッセージは、メディアとはそもそも様々な思惑やニーズが背景にあって成立するものであり、業界の全体像や専門性を必ずしも正確に写すモノではないというメディアに対する認識です。かつての自分のように、メディアを過信してしまうことにより自分自身で判断しなくなることを無くしていくべきかと考えてます。

また、だから「メディアはダメなんだ!」と存在を否定したいつもりもありません。メディアは完璧にはなれないですが、それでも大きな価値が間違いなくあるとも考えてます。今回のメインメッセージは、かつての自分のように、メディアの受け手がメディアに対して過剰な期待を持たない方が良い、という自分なりの反省を共有することなのです。

以上、お盆休みのポエムでした。

-安藤研吾

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?