"聴く"をベースに学ぶ授業

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ゲスト受講生の感想:第三者として関わるからこそ見えるもの

きっかけ:ゲスト受講生として授業に参加できるという話を聞いたときに、単純に“おもしろそうだな”って思ったのが、興味を持ったきっかけでした。普段、やっぱり、仕事や家族とか、限られた友人の中でのコミュニケーションをとって、限られたコミュニティにいるだけになりがちなので、大学生の中に入るという、新しいコミュニティに参加することによって、刺激だったり、今までにない視点で得られるものがあるんじゃないかなって思ったのが、参加しようと思ったきっかけです。 受講しての感想:参加してよかった

    • ゲスト受講生制度の導入

      オンライン授業を始めて、2年。 私の授業では、参加形式を選べるようにしているのですが、学期が進むにつれ、「@ワーク聴きたい」「@耳だけ」の受講生が増える……という現象が続き、ワークに入らない受講生がZoomの画面上に並ぶと、授業やっている私のモチベーションも上がらないということが出てきました。 一方、ゼミ生が総勢55名になり、ゼミ運営の負担も増えてくる中で、学生時代に私が参加していたメンター制度をゼミに入れよう!と考えるに至りました。メンター制度については、今、集まってく

      • 目標設定とふりかえり:大谷翔平選手のマンダラチャートの威力

        "聴く"とともに、私が授業で大事にしているのが、「目標設定」とふりかえりである。 学生時代にインターンシップに参加していた際に、「目標設定」とふりかえりの効果を実感し、高校の勉強も、大学の講義も、「目標設定」とふりかえりの時間があれば、もっと有効に時間を使えていたのに……と感じたことが原点となっている。 授業の第2回は、100分をかけて、授業全体(14回)の目標設定をする。 毎回の授業では、授業全体(14回)の目標を思い出しながら、本日の目標設定をする。授業の最後に書く

        • 対談:コミュニケーションは学べば変えられる

          本日は、“聴く”をベースに学ぶ授業にゲスト講師でお越しいただいているライチさんとの対談を掲載いたします。 “コミュニケーションは学べば変えられる”という環境が与えられている社会であるといい キャス:ライチさんが学校で聴くを伝えたいなと思ったきっかけを教えていただけますでしょうか。 ライチ:もともとは、子育て中の女性が多く学びに来てくださっていて、子育てをしている人が“聴く”を学ぶと、子どもたちが聴いてもらえて、そして、そのコミュニケーション法を育つ中でインストールできたら

        ゲスト受講生の感想:第三者として関わるからこそ見えるもの

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        • 受講生の感想
          7本

        記事

          受講生の感想 vol.5:聴いてくれる人がいるから、意見って出てくる

          受講したきっかけ:最初は、単純に、英語でディスカッションできる講座に、参加したいなというのがあって。あと、これが、政治経済とか世界情勢とかのトピックだったら参加しなかったと思うんですけど、ジェンダーという言葉に興味を持って。 ジェンダーってすごくよく聞くんですけど、私は学生時代にジェンダーを学んだことがよく考えたらなくて……。私が学生時代のころには、ジェンダーって言葉はなくて、ウーマンリブだっただったかなって思うんですね。おんなの人とおとこの人の同権って知りたいなって思って

          受講生の感想 vol.5:聴いてくれる人がいるから、意見って出てくる

          受講生の感想 vol.4:仕事は否定が入る。だからこそ、別の世界が必要

          今回は、受講生ポールが語る感想です。 受講のきっかけ:キャスと一緒に学んでいる英語塾でのプレゼンテーションのときに、キャスは、聴いている側に、意見を言ってくださいというのかとおもいきや、書くだけで共有しなくていいよと言っていて、そういうやり方ってすごく新鮮だったなと、すごく興味を持ちました。 キャスが英語でも話す講義をやってくれるというので、そこはすごくありがたいなと思って参加しました。 あとは、学生のときに、社会学を専攻していたので、久しぶりに社会学に触れる機会を持ち

          受講生の感想 vol.4:仕事は否定が入る。だからこそ、別の世界が必要

          受講生の感想 Vol.3:自分が何をやりたいかを、広げたチャンスの中で見つけられるって、すごく素敵な話

          受講のきっかけ:私が勤めている会社でも、数年前からダイバーシティ推進という話が海外から出てきていて、日本で何かするにはまだ先だと思っていたんですけど、講義があると知ったので、それならば、来る日に向けて、自分の意見を言えるように、ベースを築きたいなと参加しました。 何も知らないと、視野が狭い方針を打ち出すことが起こり得るので、土台を分かった上で、会社としてどうするかを議論していければと思ったんですよね。 受講してみての感想:いかに自分が無知だったかを思い知りました。表面的な

          受講生の感想 Vol.3:自分が何をやりたいかを、広げたチャンスの中で見つけられるって、すごく素敵な話

          オンデマンド授業の教材

          大学の情報基盤の都合や、対面授業の再開によって依頼されるオンデマンド授業。動画を視聴したり、配布資料を読むことが多いオンデマンド授業であるが、私は、オンデマンド授業であっても、双方向の授業を展開している。 幸い、私の授業の受講生が多くても25名だったこともあって、学生のレポートを、全受講生分配布し、全員のレポートを読んでさらに、レポートを書くという紙面ディスカッションを何度も取り入れた。 その際、活用したのが、未来型読書法 アクティブ・ブック・ダイアローグ®のサマリーの形

          オンデマンド授業の教材

          ジェンダーを学ぶということ

          私の専任教員のキャリアは、ジェンダー研究の担当教員から始まりました。 ジェンダーを教えるときに、一番、大事にしたかったのは、「自分の問いからスタートする」ことでした。これは、私が大学院生のときに、インタビュー調査をした日本でジェンダー研究を切り拓いてきた大先輩が語っていた言葉です。 「自分の問いからスタート」するときに、どうも、教員が一方向で教える授業は、馴染まない気が私にはしたのです。そのときに、思い出したのが、「公民科教育法」で教わったグループ討議を中心とした授業でし

          ジェンダーを学ぶということ

          奇跡の合宿:オンライン授業の礎

          もうひとつ、私の授業の在り方に大きな影響を与えたのがNVCです。 ブライト・リスニングのベースのひとつとなっているのが、NVC(Non Violent Communication)であり、ガンディー、キング牧師、マザーテレサといった人々のコミュニケーションを理論化したものであり、日本語では、非暴力コミュニケーション、共感的コミュニケーションと呼ばれるものです。 私の授業の中の学生への声かけのひとつ、ひとつは、NVCのワークショップからヒントを得たものがたくさんあります。例

          奇跡の合宿:オンライン授業の礎

          受講生の感想 Vo.2:自分の意見を変える必要はなくて、相手を変えようと働きかけることとも違う

          受講のきっかけ:コロナ禍1年経って、この1年は自分にとって、内にこもるようなところがあり、たまに仕事で、オンラインで同僚と話したりするときに、自分のものの見方や、人に対する聴こうという気持ちが凝り固まっていて、自分の中で、これはいけないなという気持ちがありました。ちょうど、オリンピックのダイバーシティの問題があったりして、ジェンダーのことを考えないといけないという風潮もあったので、講義を聞いて考えようと思って、今回のコースに参加しました。 受講してみての感想:もともとはジェ

          受講生の感想 Vo.2:自分の意見を変える必要はなくて、相手を変えようと働きかけることとも違う

          グループ討議⇒“聴く”をベースに学ぶへ

          私の授業の転機となったのが、ブライト・リスニングとの出会いでした。 最初の年は、ゲスト講師にだけお呼びしたものの、ゲスト講師の回に来なかった学生がいたり、参加してワークをしても、1週間経つと忘れてしまう学生がいたりした経験を踏まえ、そして、ちょうど私も仕事の上で改めて、“聴く”を学びたいと思ったこともあり、ブライト・リスニングを本格的に学ぶ機会が重なったことから、2年目からは、ゲスト講師を迎えた後も、授業の前半は、聴くのトレーニングをする時間を取るようになっていきました。

          グループ討議⇒“聴く”をベースに学ぶへ

          もとは神奈川県立高校40年の実践

          なぜ、キャスは3-4名のグループ討議中心の授業をするようになったの?とたまに聞かれることがあります。 とても新しいことをしていると言われることもあるのですが、私の授業のもとになっているのは、60年前に神奈川県立高校で始まった実践なのです。私がこの授業実践に出会ったのは、学部生の時。教職課程で受けていた「公民科教育法」でした。私が受講した「公民科教育法」は、神奈川県立高校の退職教員の先生が教えていらっしゃいました。 この授業の中で教わった3-4名のグループ討議が私の授業の基

          もとは神奈川県立高校40年の実践

          受講生の感想 Vo.1:弁論とは違うやり方

          本日は、受講生・あまねさんが語る授業の感想です。 授業を受講したきっかけ:弁論が好き。自分を発信する、たたかわせることをずっとやってきた。”聴く”を学ぶ授業というのは何となくしっていて、弁論とは異なるものが、どういうものかを知りたい好奇心があった。 今まで、弁論をベースにコミュニケーションをとっていたけれども、仕事は別にして、友達やプライベートで、自分がそのコミュニケーションをやられたら、「正直、ヤだな」って思った。 話し方って、切り替えるのが難しくて、弁論の場じゃなく

          受講生の感想 Vo.1:弁論とは違うやり方

          私が大切にしていること

          “聴く”をベースに学ぶ授業・主宰のキャスです。 このnoteでは、現時点で、授業運営において大事にしていることを、書き溜めていきます。 もちろん、現時点の(未完成の)考えの集積ですので、植物が育つように、変化も楽しみながら、考えを言語化する場にしていけたらと考えています。 第1回目の今回は、キャスが(主に大学での)授業を運営する上で大事にしていることを、簡単にまとめていきます。 私の授業で大事にしていることは、 ・自分とつながる ・他者とつながる ・社会への想像力を育む

          私が大切にしていること