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デンマークの開拓時代の古風な歌唱

Skattegraveren: 
民族誌のパイオニアであり、口承伝承と民俗の記憶に関する世界有数の証言者であり研究者のEvald Tang Kristensen(1843-1929)の生涯を讃える伝記音楽物語。歌や踊り、伝説や逸話、信仰や迷信、ことわざ、おとぎ話、ゲームやなぞなぞをデンマークの伝統から収集するために、デンマークのユトランド地方の湿原を歩き回った。
半世紀にわたるフィールドワークを通し、彼が情報提供者と築いた特別な関係とともに変化していく内面を、彼の記録資料をもとに描くいたショー。
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彼は「記憶の旅人」であり、民俗の記憶の保護者である。
そして、人々の記憶を探る旅は、必然的に自分自身の内面を探る旅でもあるのだ。

イタリア語のイベント情報とHPより抜粋・意訳

先日、劇場で「Skattegraveren (英: Treasure Hunter)」という、19世紀後半から20世紀初頭にかけての、デンマークの詩の朗読と歌の中間のようなショーを鑑賞した。

Noteを始めてから3か月弱経ち、「スキ」が最も多く付いたのが北欧関連の記事だったので、日本人の多くに言えることかもしれないが、私も北欧に滅法弱い。
またかつて、スウェーデン語のコースに通い、ミラノからストックホルムへ移住しようかと考えていた時期もあり、私の場合は特にスウェーデンとアイスランド(村上春樹の紀行文集「ラオスにいったい何があるというんですか?」のアイスランドの章"緑の苔と温泉のあるところ"でパフィンについて触れられており、私もいつか実際にあの可愛い鳥を見るのが夢だ)に弱いが、とはいえその他の国だって、映画や音楽が見られるとあれば基本的には参加しよう、というスタンスでいるため、よく内容も読まないままチケットを取り(笑)劇場へ足を運んだ。

ついでに村上春樹の本が買えるアマゾンのリンクも貼っておこう。

この劇場で行われるショーは全て撮影・録画・録音禁止のため、残念ながら添付できる写真がない。そのため、演奏者の中で唯一のイタリア人でチェンバロ奏者のMauro Patricelli氏のYoutube動画を下に載せておこう。

Signe Asmussen (歌 、バイオリン)
Matias Seibæk (歌 、 パーカッション)
Chano Olskær (歌 、パーカッション)
Thommy Andersson (ビオラ、エレキベース、コントラバス)
Mauro Patricelli (チェンバロ)

朗読部分は、コントラバスの合いの手(⁈音だが手という感じ)が入りリズミカルに進み、その後オペラのようなSigneさんの歌声と各種楽器での演奏が加わり、その組み合わせが繰り返されていく。ただ、全てにおいてÉric Satie(エリック・サティ)を彷彿とさせる不協和音で展開されるため、苦手な人は苦手だと思う。


ところで、途中、スコップ型をしたマラカスのような楽器が出てくるのだが、それを見ていて、去年映画祭で観たデンマーク映画「Bastarden」のことを思い出したので、紹介しておこうと思う。
イタリアでの公開は今年の3月14日予定とあるので、日本も同じ頃かもう少し先かもしれない。

ポスター: Bastarden

1755年、デンマークの貧乏将校ルドヴィク・カーレン大尉は、ドイツ軍での25年間の勤務を終え、わずかな年金をもらい祖国デンマークに退役した。彼はその土地に集落を作ることを望み、その見返りとして、付随する荘園を持つ貴族の称号の特権を宮廷に要求する。予定地に到着して間もなく、彼は近くのハルド荘園の地方判事であり、湿地帯の所有権を独占しようとする無慈悲な地主フレデリク・デ・シンケルと対立する。
デ・シンケルは、カーレンが労働力を確保できないように最大限の努力を払う。
(中略)
その後、デ・シンケルの元から逃げ、カーレンが匿っていた農夫が捕らえられて死刑にされたり、違法で雇っていたロマたちとのシーンがある。
様々な苦難にもかかわらず、カーレンはドイツから持ち込んだジャガイモを植え、80袋の収穫に成功する。この知らせを聞いた国王は、カーレンの領地に入植地を設けるよう命じ、王立調査官の称号を与え、北ドイツから50人の入植者を彼の土地に送る。
(中略)
その後もデ・シンケルの嫌がらせと戦いがあるが、死刑にされた農夫の妻が、デ・シンケルの屋敷で拷問を受けているカーレンを救おうと、屋敷に忍び込んで毒入りの酒を用意し、デ・シンケルの婚約者がその酒を彼に飲ませ、、、。

Wikipediaを自動翻訳・抜粋

良い意味でも悪い意味でも非常にドラマティックな作品だが、如何せん、農地開拓がテーマの話ゆえ、畑仕事をしているシーンが多く(勿論、残忍なデ・シンケルと戦っているシーンも多いが)、スコップ型の楽器からこの映画に思いを馳せることとなった。

ちなみに、この映画の主演のMads Mikkelsenは、もともとダンサーだったため、演技のみならず、この年齢にしてダンスもキレキレである。
私も通算20年以上ダンスをしている身として、彼の年齢でもキレッキレに踊れるよう、肖りたいところだ(笑)
彼のダンスのテクニックがよくわかるお勧め映画は「Druk(英: drink)」なので、こちらも併せてご覧いただき、彼の演技の幅を堪能いただければと思う。


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