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■飲み会でも車通勤をし続ける私


私の移動は基本的に車です。実家に車がなく、子どもながらに同級生が親の車で塾や学校に送り迎えをしてもらっているのを悔しい思いをして見ていたので、自分が乗れる年齢になったら車が欲しいとずっと思っていました。

たまに車の車検や修理の都合で車に乗れない時は電車を使うこともありますが、常勤非常勤の勤務地が郊外なこともあり、電車だとかなりの時間を人の多いところで過ごさなくてはなりません。私は人込みも苦手なため、今や車は手放せないものになっています。

また我が家には子どもが4人いるので、買い物、外食や旅行にも欠かせません。それに息子を朝は学校まで通勤途中に送っていますので、常に車通勤です。

だから、仕事の後に飲み会があっても車通勤のままです。医局の飲み会の日でも、子ども送る必要があるから車で来るしかないといいわけをしています。それにもともと1型糖尿病の持病もあるので、そうは食べられないし、飲めません。飲み会がある日ぐらい電車で来ればいいのにと言われることもありますが、車で来ているからこそ、助かっている人たちもいます。私は飲み会でもお酒を飲まないので、みんなの運転手になることができるからです。

■みんなの運転手役には美味しいところがある


では、飲み会で飲まないのに、なぜ行くんだと思われるかもしれません。しかし私は人の話を聞くのが好きな性格です。そして人はお酒が飲むと口が軽くなるもの……そうです。私の『人に言えないちょっとした秘密』とは、医局みんなの内緒話など秘密を知っていることです。

ただ私は本来なら口が軽いので、聞かれたらベラベラ喋ってしまう可能性があります。しかし飲み会で得た話だけは、死ぬまで他人に話さないと誓っているので、非常に口が堅いと思われています。

飲み会の席や帰りの車で、シラフの私に、みなさん話しかけてきます。私は目を輝かせて、みなさんの話を喜んで聞くのです。

ある先生は、「この前、奥さんに浮気がバレて、離婚届と包丁突きつけられたんだよ。奥さん怖いんだよ。離婚されちゃうかな?」なんて話されました。でも夏休みの医局旅行で夫婦仲良く参加されているのを見て、これが、あの時、先生が話していた奥さんかと、心の中で思ったこともあります。

またある先生は、「地下アイドルが大好きで◯◯万円注ぎ込んでいるんだ。この前、当直替わってもらったの、地下アイドルの誕生日コンサートだったんだよね」と簡単に話します。酷いことするなと思っても、その場では何も言いません。その先生は結局、みんなに自慢して、教授の知るところとなり、大目玉喰らうことになっていました。

結局のところ、秘密なんてそうは隠せるものではないのかもしれません。私が話さなかったとしても、大抵のことは露呈しています。

■もしものことを想像しているのも私の秘密


ただ、いつも朝は不機嫌で自分からは挨拶なんてしない先輩が、飲み会の翌朝に、「おはよう。昨日の飲み会どうだった?」なんて私に探りを入れて来たときには、秘密にせずに、ちゃんと答えます。「先輩、昨日はやりすぎでしたよ。後輩の⚫️⚫️先生に謝った方がいいですよ」と。その先輩は、飲み会の席でよくやらかしてしまっていることを自覚しているので、私に聞いてきた、というわけです。

酒が入ると、泣き上戸、笑い上戸、ウザがらみ、脱ぎ魔、キス魔いろいろありますが、やはりそれは酒の席での出来事。翌日になれば、他言無用が一番。

でも、時代ですね。他言無用なんて常識は昔の話で、今はこんなことをすればアルハラなんて言われてしまいます。それでも、みんなが飲み会や二次会三次会に行くのは、仮面を取り外した状態で騒ぐから、距離が近くなることを知っているからでしょう。もしかしたら私も、車通勤ではなく、羽目を外す側になっていたら、違う医師人生を歩んでいたのかなと、たまに思ったりもするのですが、これもまた『人に言えないちょっとした秘密』です。

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