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医者は32歳を過ぎたらバカになる!?

こんにちは、精神科医のはぐりんです。ご覧いただきありがとうございます。

※この投稿は2分で読めます。最後までご覧いただければ嬉しいです。

今日は私の義父の名言をご紹介したいと思います。私の義父は一代で社会福祉法人を立ち上げたような人なのですが、「医者は32歳を過ぎたらバカになる」との名言を残しています。

この32歳というのが絶妙な設定だと思っていて、医者にとって32歳というと、大学に現役で合格したとして24歳で卒業し、26歳で研修医を修了、精神科で言えばその後3年間専攻医(専門医になるためのトレーニング機関)を経て30歳ころに専門医になります。

大体みんなどこかで数年は回り道をしますから、まさにちょうど32歳ころが名実ともに一人前になるというか、そういった時期なんですね。専門医を取得すると勉強研鑽しなくなるというわけでは決してありませんが、その後は資格試験などがないため必要性には迫られなくなります(その後大学院進学や留学、論文や学会発表などを目指す医者もいます)。

また社会的にも、研修医のころはまだ周りが色々言ってくれるし、研修医をいじめ(てくれ)るような看護師とかもいたりしますが、研修医を終えると余程のことがない限り面と向かって自分のことを指摘してくれるような人が急に少なくなります(むしろおだてられ、感謝され)。その流れと並行して、仕事にも慣れ、専門医になって、となると地位に寄りかかってしまう医者がいるのもうなずけます。

「医者は32歳を過ぎたらバカになる」の名言を残した義父は既に亡くなってしまいましたが、今にして思えばなぜ32歳なのか、などもう少し発言の真意を詳しく聞いておけばよかったと思っています。義父には医者を含めた知人も多く、交流範囲も広い人でしたから、色々な人たちを見てきた中での経験則に基づいた発言だったのでしょう。

私もとっくに32は過ぎてはいますが、時々この言葉を思い返しては自分はバカなんだと言い聞かせて仕事に取り組んでいます。

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