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愛着障害とADHD

こんにちは。精神科医はぐりんです。

今回は愛着障害とADHDというテーマ。これだけで1冊の本が書けてしまいそうな壮大なテーマですが、最近似たような境遇の患者さんがよくいらっしゃるので少し思ったことを書いてみたいと思います。

共通点として、

・ADHDの診断がついている
・母親との関係性が悪く地元を離れて暮らしている
・シングルマザーでお子さんが1人いる
・彼氏がいて最近妊娠が発覚した

こういった方々は今の時代少なくないとは思いますが、その中でも気分(躁うつなど)の問題や感情の起伏などが問題となり、どこかで医療の介入が必要となった方々が精神科に通院しています。

上に挙げたような境遇はADHDの特性によるものとも言えます。計画性なく遠方に引っ越して来られ、また妊娠にしても同様で、相手のパートナーとは籍を入れていませんし、今後の見通しも立っておりません。

しかしこういった方々は診断がついているからといってADHDだけが問題なのでしょうか?私はそれだけではないと思っていて、幼少期〜現在までのお母さんとの愛着、関係性の問題がとても大きいように思えるのです。愛着障害とは定義上は5歳以前に親との愛着形成が問題で出現する様々な症状のことを言いますが、その中でも脱抑制型愛着障害といって、誰にでも付いて行ってしまったり、全然人見知りしなかったりといった特徴が出る子がいます。最近よくいらっしゃる方々も表面上に出ている症状こそADHD様ですが、話を聞けば聞くほど根本的には幼少期の愛着障害が現在の言動にも影響を及ぼしているように思えてならないのです。

妊娠出産となると、こういった方々は情緒や気分の問題がついて回る方も多いし、なにより生まれてくる子供への影響も否めません。そう考えるとパートナーとの関係性も含めて、もう少し早い段階で何かできたことがあったかもしれないとも考えてもしまいます。

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