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要対協、特定妊婦とは?

こんにちは、精神科医のはぐりんです。
※3分で読めます。少しお時間いただき最後までお読みいただけたら嬉しいです。

要対協(ようたいきょう)という言葉を聞いたことがあるでしょうか?保護児童策地域議会の略語ですが、文字通り虐待などで保護や支援が必要な児童に関する情報を、各関係機関が集まって情報を共有する会議のことを言います。

参加者はケースにもよりますが、医療機関や市役所、児童相談所や保健所、小中学校や幼稚園の教員、警察なども参加することがあります。

要対協は原則本人には知らされずに行われます。個人の情報を本人の知らないところで勝手に共有するのは一見まずそうですが、児童の保護のため「法令に基づく」場合守秘義務に反しない、とされています。

ただし、会議のメンバー以外には情報漏洩はあってはならないので、私(医療機関)の場合は会議の内容の口外はもちろん、カルテにも一切記載できません。

精神科医も、主に母親が精神科に通院しているケース、に関して要対協に参加することがあります。

私もこれまでに3件ほど経験がありますが、その中でも特定妊婦といって、出産前の段階から、出産後の養育について支援が必要と思われるケースに当たることがあります。

生後すぐに児童相談所に保護され、里親に預けられるケースも少なくありませんが、最近読んだ長年児童相談所に勤めていた方が書かれた本には、

実親のもとで酷い虐待を受けていた児童が、児童相談所の保護を経由して里親に預けられることで事態が劇的に改善するケースをいくつも紹介されています。

子供のためにどうすることが最善なのか、ケースによって違うとは思いますが、独断によらないためにも要対協は必要不可欠な話し合いだと感じています。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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