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病棟回診の意味

こんにちは、精神科医はぐりんです。

今日は回診について。白い巨塔に出てくるお医者さんたちがゾロゾロ病棟を歩いているあれです

白い巨塔では大学病院が舞台ですが、大学病院でなくても市中病院や精神科病院でもほとんどの病院で週に1回は回診をしていると思います。一体何のためにやっているのでしょうか?

精神科病院の場合は院長を筆頭に、医師や看護師、精神保健福祉士、作業療法士、心理士、薬剤師、栄養士、といった職種の方々が一緒に回ります。なんだか仰々しくて偉そうであまりいいイメージを持たれてはいないと思うのですが、患者さんの現在の状態をみんなで共有するというのはとても大事なことなんです。精神科の場合は、他の患者さんに影響されやすい方、逆に干渉しすぎてしまう方などもいるので、病棟全体がどんな雰囲気かを肌で感じ取れるし、また空床状況や保護室の利用状況を確認して今後入院が必要な患者さんを受け入れることができるのか、といったことも確認します。回診のあとはみんなで集まってカンファレンスをします。やはり色々な職種の方の意見を共有することで、お互い把握していなかったことが分かったりもします。

一方で患者さんにとってはどうか。患者さんの目の前で、担当医が院長に自身の状態を報告します。そうすると多床室であれば、自身のあまり聞かれたくない情報を隣の患者さんに聞かれてしまったりもするし、あるいは担当医が自身の状態をどう捉えているのかを聞いて動揺される患者さんもいます。たいていの患者さんにとっては回診はストレスだと思います。ただもちろんそれはこちらも把握しているので、小声で話したり、あるいは部屋に入室せずに済ませたりと、できる限りの配慮をして回診しているつもりです。

回診にはなんだかあまり良いイメージを持たれていない方も多いかと思いますが、どうかご自身の治療を進めていく上で大事なことと思っていただければと思います

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