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哲学本のような短編の物語。雲と鉛筆✏️吉田篤宏☁️

「子どもたちにひとつ、本当のことを伝えるとしたら、何を伝えますかそれを原稿用紙百枚で書いてください」という隠れテーマのある、ちくまプリマー新書の300冊目。

冒頭の、「残されたものはいつもほんのひと握りで、本当は、残らなかったものの方に、自分の書きたかったことがあるように思う」で、もう心を捕まれた。
最後まで物語に引き込まれ、読んだあとはページをめくり直して、思索にふけりたいような、静かな時間が残った。

短くて読みやすいんだけど、哲学的な不思議な感じのする本。その不思議な感じは子どもの頃に感じてた、難しいことを前にしたときに自分の感情を言葉にできないんだけど、無言でそれを淡々と味わって、切ない感じにまとわれるような、あの感覚に似ている。

哲学がすきな人、複雑なことを複雑なまま味わう人生に直面してる人へ。
梅雨の部屋でひとり読むのに、おすすめです、ぜひ。☔️🐌🌿


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