見出し画像

ワーママがアメリカで学んだ就活・仕事におけるネットワーキング(人脈作り)のいろは。

ネットワーキングについて工夫せねば!と身に染みて感じたのは、知り合いを通じた職探しが一般的なアメリカで転職活動をした時だ。私の本来の性格は極端に社交的でも人見知りでもないが、仕事上のネットワーキングは得意でなく、億劫に感じる方だった。以前はそこそこ名の知れた企業にいた為、その看板に甘えていた点も否めない。

だが、必要に迫られて自分に合う方法を模索し、少しずつコツを掴み始めてからは、前向きな気持ちでネットワーキングの場に出向けるようになった。そして、仕事以外のコミュニティや交友関係においても、以前より楽しく、効果的に輪を広げられるようになったと感じている。

以下ではアメリカのビジネス慣行の一つであり、様々な場面・文脈で頻繁に開催される「ネットワーキングイベント」にフォーカスし、私が失敗しつつ場数を踏む中で学んだこと・実践していることを纏めてみたい。


はじめに

■なぜネットワーキングが重要か

国を問わず人の繋がりはビジネス上の様々な場面で役立つ。が、日米の違いをあえて挙げるならば、それは職探しの慣習と転職・起業文化かなと思う。

冒頭にも書いたが、アメリカでは人づてで仕事を見つけることが多い。応募先企業で働く知人に推薦書を書いて貰って採用確度を高めたり、チーム毎別会社に移るケースなどを目にする。また、転職・起業が盛んである為、個人の評判がより大切だとも感じている。「XXとは一緒に仕事をしたことがあり信頼出来る」と言った情報が商談成立の決め手になる等々。こうした場面に繰り返し出会うことを通じ、人脈作りの重要性を再認識するに至っている。

■ネットワーキングイベントとは

ネットワーキングイベントには様々な種類があるが、一般的なのは立食形式で30分から2時間ほど開催される交流会ではないかと思う。コーヒーやカクテルなどの飲み物と軽食を手に参加者は会場を歩き回り、他の参加者と会話をする。業界関係者が集う場、学生と企業が交流する場、投資家と起業家が出会う場など目的は多様だ。こうしたイベントで私が心がけていることは、次の通りである。

事前準備(一般編)

■LinkedInプロフィール

世界最大のビジネス特化型SNSであるLinkedInは、アメリカで名刺代わり。ネットワーキングの場で出会う人とも、LinkedInで繋がる流れになることが多いので、自分の職歴・実績・スキルなどを整理しておくことがおススメ。因みに、このプラットフォームで最低500人と繋がっていることがビジネスパーソンとしての信頼性に繋がるとアメリカの経営大学院では助言を得た。

■エレベーターピッチ

ここで言うエレベーターピッチとは1分強程度の自己アピールのこと。これを準備しておくと、ネットワーキングの場で効率良くお互い関心のある話題に入ることが出来る。例えば、就活中ならば、興味のある仕事とその理由、関連する自分のスキルや実績を盛り込むことで、相手から「その分野は知人のXXが詳しい」「自社で今採用している」などの情報を引き出し易くなる。アピールポイントが印象に残れば、事後のやりとりもスムーズに進む。

事前準備(個別編)

■参加目的と目標の整理

ネットワーキングイベントに参加する目的、及び、参加後に達成していたいことは何か。これを事前に整理することが一番大切な準備だと考えている。例えば、業界関係者との交流会に参加する場合、①XXに取組む会社との協業可否を探る、②業界で話題になっているXXに関する意見交換をする、などの目標設定をしておくと、目的意識を持って会話に臨むことが出来る。

■参加者の把握と事前コンタクト

自分の経験上、ネットワーキングイベントを効果的に過ごす方法として、①知人と行く、②事前に誰かと会う約束をしておく、③話してみたい人に目星をつけておくなどが挙げられる。その為、私は事前に参加者を調べ、会場で会う約束を取り付けるようにしている。これにより、会場でどの輪に入るか悩んだり、興味のない会話に入ってしまう非効率な時間を回避し易くなる。

イベントの過ごし方

■優先順位付け

ネットワーキングの場における優先順位付けは有効だ。私は何度か失敗した後、イベント中に絶対話しておきたい人や短時間しか参加しないと思われる人(大御所など)にまずアプローチをするようになった。イベント中は思いがけず関心のない話題に入ってしまうこともあるので、失礼にならない範囲で速やか且つスマートに会話を切り上げる術も必要になる。

■ギブアンドテイク

ネットワーキングの場でもう一つ意識しているのが、ギブアンドテイクだ。自分のニーズを満たすことだけを考えるのではなく、小さなことでも相手の役に立てることがないか探してみる。なるべくバランスの取れた関係を築く為だ。相手に何か「ギブ」することで、「テイク」に該当する自分のお願いもし易くなる。当たり前のことのようで、以前の私には出来ていなかった。

事後フォロー

■イベント直後

これはあえて書かずとも、多くのビジネスパーソンが自然にやっていることだと思うが、会話を継続したい相手には、イベント後すぐに連絡を入れる。連絡方法は、LinkedInの申請メッセージやメールであることが多い。改めて面談をしたい場合には、その旨も申し入れる。

■時間を置いてから

私は定期的に話したいと思う人をリスト化し、数ヶ月から半年に一回程度、連絡を入れるようにしている。ビジネス上の意見交換をしたい人やメンターなど様々な人たちだ。心がけているのは、自分が何か必要な時だけ連絡する関係にならないようにすること。先述の「バランスの取れた関係」を築く為に取組んでいることであり、ネットワーキングの場で聴取した相手の関心事に沿う情報を入手したら連絡を入れてみたりしている。


***

私が学び・実践しているネットワーキングのいろはは以上である。これらを当たり前のようにやっている方も多くいるかもしれない。が、アメリカでのネットワーキングに不慣れであった私は試行錯誤しながら今にたどり着いた経緯があり、今回纏めてみることにした。

この記事が参加している募集

仕事について話そう

仕事のコツ

with 日本経済新聞

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?