堂場瞬一(2022)『小さき王たち 第三部:激流』早川書房

政治と報道をめぐる三部作の最終部。新しい世代は古来の因縁をどのようにして乗り越えていくのか、鮮やかに描き出していく。舞台が現代となり、政治と女性とか、絶対的な信念の揺らぎとか、そういったものが題材になっているのがもっともらしい。

最後に、表題の「小さき王たち」について。小さな選挙区からその土地の理屈で選びだされる日本の政治家をよく表した言葉だと思い本書を手に取った。期待するほど選挙制度に対する批評は無かったが、この秀逸な題名を付けた著者の今後の作品も楽しみにしていきたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?