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時間とクオリティの関係

アンティークと呼ばれる類のものは、古さに価値が置かれる。骨董品であったり、美術品であったり、そういうものだ。

またワインも、ものによっては年季が入っているほど素晴らしいと言われるものもある。数十年ものも伊達ではない。

時間が経つほど、価値が増していく物が、この世界にはある。

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しかし不思議なことに、一般的には、仕事のクオリティは、かけた時間と反比例する

すなわち、早く仕上げるほど、品質も上がる。

仕事もそうだし、文章もそうだ。

世の中の大体のものは、早いほうが品質も上がるという、直感とは真逆の性質を持っている。

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アンティークやワインに話を戻すと、それはすでに完成したものである。

つまり「すでに完成したものの中には、熟成することで品質向上するものがある」というだけの話なのだ。

仕事の中にも、終わった後に深みが増す種類のものもあるだろう。多くは、何かを作る仕事だと思うけれど。

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では、コトコト煮込んだスープのようなものはないのか、という話になる。スープやシチューは、時間をかけて煮込んだほうが美味しくなる。

そういう類の仕事も、あるのではないのか?

これに対しても、僕は「それはすでに完成しているからだ」と考える。

つまり、スープやシチューは、煮込み始めた時点で、すでに完成している。煮込むということは、「完成したものをより良くするプロセス」に過ぎない。

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仕事は素早く、しかし丁寧に仕上げる。それが質を向上させる唯一の方法だ。

「時間をかけたほうが良くなる」というのは幻想だ。

資料を集めれば集めるほど、迷いは生まれる。今考えてもわからないことは、来週考えても結論はほとんど同じだ。

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余談ではあるが、このnoteは、平均して15分から30分くらいで書いている。

しかし書き始めた頃は、1000文字を書くのに数時間かかっていた。冗談ではなく。

それは僕が「もっといいアイデアがあるのではないか?」とモヤモヤしていたのが大きな理由としてある。しかしアイデアは、最初に降りてきたものがなんだかんだ一番いい。

毎日続けていると、自然とスピードは上がる。速くなるし、それに比例して品質も上がっていっている、と僕は信じているのだけど、いかがだろうか。

読んでいただきありがとうございました。また、サポートをくださる皆さま、いつも本当にありがとうございます。心から嬉しいです。今後の執筆活動のために使わせていただきます。