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「埋葬と供養」戒名も必要なく、離婚しても入れる家墓

「理想のお墓が購入できたので、骨壺を見に来ました」と来店された50代のご夫婦。ご購入されたお墓の話に花が咲きました。

「お花やお香を持っていかなくても手ぶらでお参りができ、ご住職が、戒名も費用負担があるから必要ないでしょ。儀式後のお食事なんかも、近隣にたくさんの食事処があるのでそちらの方でどうぞ。なんです。購入費用も年会費も考えていたより安かったし、離婚した子供も入れるお墓なんです。それにご遺骨の数にも使用期間にも制限が無く、3年間年会費の払込が無ければ永代供養塔に移して供養してもらえるんです」と、家族や子孫にどんなことがあっても対応できるお墓を持てたという、大きな安心感と満足感をお話して下さいました。

なんと羨ましい。

私はお墓やお仏壇が継承されることが何よりだと思っていますが、従来からあるお墓やお仏壇では継承できないことが、多くのご家庭で鮮明になってきています。例えば、「子供たちとは離れて暮らしていてる」「子供たちの住まいにお仏壇を置くスペースがない」「何代も続いたお墓なのに男の子がいない」等々のご事情はどこの家庭にもあります。私たち親は(子供たちに経済的・時間的・精神的に迷惑をかけたくない)の一心から、何とかしなければと認識しています。

お墓探しは不動産探しと似ています。これらのことは継承してもらう子の代や代々続いているお墓だと親族とも共有しなければならない場合もあります。健康なうちに埋葬や供養の条件を話し合って方向性を見出しておくことは、もしもの時の備えとしても役立ちます。

親は(子供たち。きっとこんな話、煩わしいだろうなあ)と思っていますが、話してみると、子供たちも考えてくれているんだなあと感じたという方が多いのは事実です。

私が骨壺専門店をオープンしたのは15年前ですが、埋葬や供養の業界は、スタンダードが大きく変わりました。お葬式は家族葬が主流になり、埋葬や供養には多くの選択肢ができました。従来のお墓だと女の子には継承できなかったり、外にあるので天候に左右されたり、掃除が大変だったり、納骨に続柄の基準があったり、後継者の問題に対応できない等々は、今の家族(家系)が持つ問題に答えてはくれていません。

納骨堂や樹木葬、散骨、手元供養等々の新しい祈りによって、家族(家系)仕様にできるようになったことはとても喜ばしいことで、何より安心なことだと思います。 

これから家族たちに起こるであろう不測の事態にも備えられる家族(家系)仕様の埋葬や供養ができることは、グリーフケアにも大きく寄与します。



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