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【読書録】異文化理解力ー現代のビジネスパーソン必須の教養です

ビジネスにおいて”できる人”は「気が利く」
グローバル環境において「気が利く」とは、相手と自分の文化の違いを理解して、皆が心地よくパフォーマンスを出せる環境を作り出すことです。
よって、現代のビジネスパーソンにとって「異文化理解力」は必須の教養と言えます。

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こんばんは、リケジョサラリーマンのここです。
今日はエリン・メイヤー教授 著『異文化理解力ー相手と自分の真意がわかるビジネスパーソン必須の教養』の読書録をシェアしたいと思います。

本書の特徴は次の2つです。
①ビジネスにおける異文化理解に特化していること
②カルチャーマップを用いて文化の違いを可視化していること

カルチャーマップについて

この本の原題は
”The Culture Map: Breaking Through The Invisible Boundaries of Global Business"(カルチャーマップ:グローバルビジネスにおける目に見えない壁を可視化する)
です。著者のエリン・メイヤー教授は、このカルチャーマップを開発し、文化の違いを可視化しました。

「カルチャー・マップ」とは、8つのマネジメント領域を縦軸に、各国の文化指数を横軸に置いた、文化の「見取り図」です。このマップを使うことで、自分と相手の文化がどれくらい違うかがひと目でわかります。
Amazon 紹介文より引用

そして、文化の違いを理解するために次の8つの指標が用いられています。


1.コミュニケーション
 ローコンテクスト vs ハイコンテクスト
 (シンプル、明快) (含みがある)

2.評価
 直接的なネガティブFB vs 間接的なネガティブFB 
 (はっきり伝える)  (遠回しに伝える)
 ※FB:フィードバック

3.説得
 原理優先 vs 応用優先
 (演繹的)(帰納的)

4.リード
 平和主義 vs 階層主義
 (フラット)(組織)

5.決断
 合意主義 vs トップダウン式
 (根回し)(強制・命令)

6.信頼
 タスクベース vs 関係ベース
 (仕事で信頼)(人間を知って信頼)

7.見解の相違
 対立型 vs 対立回避型
 (対立は健全)(批判は1on1で)

8.スケジューリング
 直接的な時間 vs 柔軟な時間
 (アジェンダ通り)(状況によりけり)


大事な視点=文化の相対性

このカルチャーマップを使って異文化を理解するときに大事な視点は、各文化の絶対的な位置ではなく、相対的な位置関係になります。

例えば、1つ目の視点”コミュニケーション”においてカルチャーマップを使って文化を比較する場合、、、

絶対的な位置でみると
アメリカはローコンテクスト(シンプル、明快)な文化
中国・日本はハイコンテクスト(含みがある)文化です。

しかし、中国人と日本人がコミュニケーションをとるとき、絶対的な位置関係では同じハイコンテクスト寄りですが、中国人は日本人のハイコンテクストな文化を理解できずミスコミュニケーションが起きるということがあり得るのです。

このようにマップでは近い位置にいても、少しの差でミスコミュニケーションが起きるため、相対的に比べることが大事です。

自分の文化にいかに無自覚か

本の中で

文化が自分にどのような影響を与えているかには無知で無自覚なことがよくある

とありました。これは、本書を読む中で実感することが何度もありました。

例えば、日本の稟議システム。
入社してOJTで指導を受ける中で、稟議をスムーズに通すには”根回し”が大事だよと教えていただきました。
これは社会人として当たり前のTipsかと思っていましたが、この”根回し”文化は日本独特で、他の文化ではない文化なのです。

感想・思ったこと

最後に本書を読んで思ったことを2点シェアします。

1点目、
同じ人間でも文化によって考え方が大きく違うということを知り、異なる文化の人とうまくコミュニケーションを取ることの難しさを改めて感じました。
しかし、文化の違いがあるからこそコミュニケーションを取るときには互いを理解しようと努力します
この努力をすることは人としての成長に繋がるだろうなと思いました。
また、異なる文化を知り、理解することで考え方の視野は大きく広がります。わたしは、この感覚が面白いからこそ異文化に飛び込みたいと思うのだろうなと感じました。

2点目、
知らずしらずの間にアメリカの影響を受けているなと感じました。
日本の文化がベースにあるのは当たり前ですが、ビジネスにおいてはアメリカ式のマネジメントやコミュニケーションが是とされていると思います。
(結論ファースト、シンプルに伝える、フラットな組織が良い、など)

そして、私もアメリカ式のコミュニケーションができるように心掛けていました。しかし、本書を読んで「果たしてそうなのか?」と思ったのです。
物事がスムーズに進むのはアメリカ式の方法かもしれませんが、視野を広げると文化によって様々な良しとされているコミュニケーションがあります。
そんな中でアメリカ式が良いと決めつけてしまうのは、視野が狭い考え方だなとふと感じてしまいました。

これからは、色々な文化があるということを理解した上で、広い視野を持っていたいなと思いました。
(異文化コミュニケーションが活発になり、お互いの文化のいいとこ取りができるようになるといいなと思ったりもしました。)


最後まで読んでいただきありがとうございました。

最近読んだ中でも特におすすめの一冊です。
本の中では、より具体的な例を交えながらビジネスにおける8つの指標の文化の違いについて説明されています。

わたしもこれから外資系企業でよりグローバルな環境で働くので、繰り返し読んで異文化理解力を高めたいなと思っております。

気になった方はぜひ読んでみてください↓


以上


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