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新社会人は病みやすい?勘違いと高リスク者のチェックポイント


ゴールデンウィークも終盤となり、そろそろ五月病なんて言葉が聞こえてくる頃ではないでしょうか。

みなさまいかがお過ごしでしょうか。


「新社会人は病みやすい」という言葉も聞こえてきますが、それは「語弊です」とお伝えします。


こころというものは、ストレスを感じた時、風船を指でへこませたような状態になります。

指を離した時、弾力(回復力)があれば元に戻りますが、ストレス度合い(心理的負荷の強度)が強い時、なかなか元に戻れない時があります。


新社会人が「弱い」のではなく、新社会人は「ストレス度合いが強くなる条件がそろっている」ということです。



1.生活の変化

厚生労働省の「精神障害の労災認定」によると、「引っ越し」は心理的負荷の中程度強度とされています。

親しい人の裏切り・死亡・失恋、交通事故を起こした、自宅に泥棒が入ったなども中程度とされ、それと同じくらいこころはストレスを感じています。


その他にも、知らない言葉、生活リズムの変化、プレッシャーなど、様々なストレスを感じていることでしょう。



2.仕事の重要度や優先度がわからない

同じく中程度の心理的負荷として、「達成困難なノルマが課された・対応した・達成できなかった」というものがあります。

新社会人は、いま任されている仕事がどのくらいの重要度なのか・どのくらい優先度が高いのか、感覚を身につけていません。


自分の能力も未知数の中、課せられた仕事を過大に感じ、達成困難な仕事だと感じることがあるかもしれません。

新人教育が根付いている職場であればまだしも、新人教育を受けたこともなく、どうしたらいいのか分からない、という職場も存在しており、新人さんをほったらかしにする職場もあるかと思います。



ちなみに上記の中程度の心理的負荷が二つ重なった場合、心理的負荷「強」に評価されることもあります。



心理的負荷「強」がどのようなものかというと、業務により重度の病気やけがをした、業務により重大な事故(人身事故)をおこした、退職の強要、パワハラ・いじめを受けた、配偶者との離婚(別居)、配偶者・子供・親兄弟の死亡、重い病気やけが、などです。


新社会人のみなさんは、環境の変化、新しいことへ飛び込んでいくことにより、上記に匹敵するようなストレスを感じていてもおかしくないのです。



このような悪条件が揃っている中、心や体を壊すことは、おかしいことではありません。「弱い」人が仕事に耐えられないわけではないのです。


https://www.mhlw.go.jp/content/001168576.pdf

そのほか評価表を見てもらうと、「誰にでも起こりうる出来事」が例に挙げられていることが分かると思います。

これを見てもらうと、精神障害の発症は「誰にでも起こりうる出来事」だとご理解いただけると思います。



これまで現場を見てきて、心や体を病んで仕事ができなくなってしまった人たちは、職場やプライベートで非常にたくさんの困難を抱えています。

こんなに重なって困難がやってくるなんて・・・と、言葉が出てこないときもありました。


自分は弱いのだろうか?なんて、考えなくて構いません。

まずはしっかり休み、エネルギーを蓄え、それからもう一度できることから始めればいいのです。




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紹介した記事は、こころの弾力性(回復力)をパワーアップするのに使える方法です。しっかり回復したら、自分の幸せのために職業人生をより良くしていきましょう!