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架空のお悩み相談 - 娘に「なぜ働かないの?」と尋ねられたら。

50歳の専業主婦が中1の娘に「なんで働かないの?」と聞かれ動揺した、というお悩み相談がYahoo!で話題になっていたそうです。

というわけで、この方がもしセッションに来られたら、どんな風に対応するか考えてみました。

元々の記事はこちらです。

(以下、架空のケースとして扱わせていただいており、推測に推測を重ねております。そのため、相談者ご本人様の意図とは異なる部分もあるかと思いますが、ご本人様の在り方や書いていらっしゃる内容を否定するものではありません)

「腹が立つ」発言に注目。

もしこのかたがセッションにいらしたら、この3つの発言に注目すると思います。

まず1つはこちら。

娘から「専業主婦で本当に良いの?」と言われ、また娘にそう言わせた学校にも腹が立って仕方ありません。

「専業主婦で本当に良いの?」という問いは、ただの問いです。

推測になりますが、この問いに「腹が立った」というリアクションがかえってくるのは、このシンプルな問いに何か大きな意味合いをのせているように思えます。

ご本人も質問の最後に書いていらっしゃいます。

専業主婦である事がそんなにいけなかったでしょうか?

「専業主婦で本当に良いの?」という問いが、このかたにとっては
「専業主婦であることがいけない」という意味になっているのかもしれませんね。だとしたら、なかなかしんどいです。

娘へのアドバイスの真意は?

そこで2つ目の発言です。

気になるのは娘が「私に勉強しろとか大学行けとか〇〇になったらとか言うけど、お母さんは働いてもいないのに、なんで私にはそう言うの?」と言われ、「親だからあなたのことを思って」と言ったものの、どこかで自分を否定する発言のようで嫌な気分になってしまいました。

「私に勉強しろとか大学行けとか〇〇になったらとか言うけど」とお嬢さんに何かアドバイスをいつもされている相談者の方。

〇〇の中身は、おそらく何らかの職業でしょう。
「勉強して大学へ行って、専業主婦になれ」と娘に言っているわけではないかと思います。(だったら相談にならないですもんね)

そして、このかたは自分で自分を否定したような気になっている。

もしも
「専業主婦」である自分を否定しているような気になっている、
と言い換えることに差し支えがないのであれば
このかたの心の中の奥深くでは

●職業を持っている主婦に対して、劣等感を持っている
●専業主婦になったことに対して、心残りが残っている
●専業主婦である自分自身が、評価されてない気がしている

といった可能性がとても高いように思います(もちろん私の推測です)。


沈黙している感情が目覚める時がある

こうした劣等感や心残りは、なかなか不快です。
いつも、あからさまに感じることはしたくありません。
だから、心の奥底にしまいこんで、フタをしてしまいます。
いつもは自覚しないで済むように。

けれども、しまい込んでしまったとしても「ない」わけではないのです。
これが「沈黙している感情」です。

お嬢さんの発言で、いつもは無理に眠らせている感情が目覚めさせられるのだからこの方は相当苦しかったと思います。
学校に対して迷惑といっていますが、こころのしくみからいえば当然のリアクションです。眠っていたつらい感情を目覚めさせてしまった相手なのですから。

「専業主婦」でいるご相談者さんの隠れた声をききたい。

フタをした感情に対しては普段無自覚です。
このかたは、ご質問の補足のなかで

主婦として家族のために働いていますし、何より専業主婦である事に誇りと自信を持っています。

とおっしゃっているのは、決して嘘ではないでしょう。

ただ、専業主婦である自分自身に心の底から100%満足していたら「そうなの。専業主婦で本当によかった」というシンプルな答えがかえってきたり、他の人に「専業主婦っていいのよ」とオススメしたくなるでしょう。
美味しいお菓子を食べたら誰かにオススメしたくなるのと同じで。

何かに対して100%満足する、というのはなかなか難しいことです。それなりの満たされない感覚があるのは、むしろ当然のことと言ってもいいかもしれません。

ですから、もしこの方がセッションにいらしたら、「専業主婦」でいることで、日頃は口にできないような誇りや自信を持てていないこと、心残りなこと、不満や虚しさなどがないか、それを探していくことでしょう。

また心の深くで「専業主婦」でいる自分をどう思っているか、感じているかをきいていくと思います。

長いこと専業主婦をしていたけど
また、働いてみたいという気持ちがあるのなら、それもいい。
専業主婦の自分を100%手放しで愛せるのなら、それもいい。

そんなところまで、気持ちをサポートできたらいいなあと思います。

そうした自分の隠れた思いや感情に気づくことをきっかけに
ありのままの自分を認めてあげたり、
自分らしさに戻れる道を歩み始めることができたら、
専業主婦である自分自身、
お嬢さんや学校に対する思いも和らいでいくことでしょう。

「こころのしあわせ」という観点からみれば、自分が「専業主婦」であるか「働く主婦」だろうが、本質的には関係ありません。

大切なのは、その人のこころのなかで、
ほんとうは、自分自身をどうみているか、
そういう自分をどう感じているかなのです。

今日の一言

誰かを嫌いになる時には、沈黙していた感情が暴れている。
それは見失っていた自分を見出すきっかけになるよ。


今日も読んでくださってありがとうございます。
自分にやさしくお過ごしください。




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