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スキズ考察と感想3


こんにちは〜!
今回でついに考察についての記事が最後になります。前回に引き続きClé編について綴って
いきたいと思います。まだ読んでいない方はよろしければこちらからぜひ読んでみてください!!



この記事は考察について分かりやすくまとめて下さっている動画があって、私はそちらの動画を見ながら自分でも楽曲の参考となっている本や詩を読んだり、MVやティザーやイントロを見返して短くまとめているので、ぜひこの記事を読んでくださった方には動画の方を見ていただくことをオススメします!


参考資料↓



Clé編②


1.Double Knot

(前回のあらすじ)
革命に失敗したキッズ達はYellow Woodの世界でバスに乗るか乗らないかの選択をしました。"もしも別の選択をしていたら"という雑念(副作用)を抱いてしまうキッズ達でしたが、FAKE WORLDへ連れていかれそうになったもう1人の自分達("もしも"の世界の自分達)を助け出したことで副作用を克服しました。


さて、今回のMVではCITY JUNGLEを去ることを決断します。

冒頭の道路を歩くシーンや、キッズ達が身につけているアクセサリーなど至る所に
"TAKE OFF"
という単語が出てきますね。

TAKE OFFとは飛行機などが自力で地表面を離れて飛び上がる過程のことですが、ここでポイントとなるのが「自力で」という部分です。キッズ達は誰かに言われてではなく自分達で都市から離れることを選択し、また新たな世界へと飛び立つのです。

さて、彼らが次に向かう世界とはどこなのでしょう?

鍵の主であるバンチャンがある扉をみつけますが鍵穴を覗くとそこには自分達の姿がありました。


この空の色ですがMV冒頭に一瞬だけ映る
こちらの看板の色に似ているような気がします。

そしてTMTのMVにもこの看板に似た看板が出てきます。(TMTはMIROHの収録曲)

"DO WHAT YOU WANNA DO"
やりたいことをやろう

その言葉に対する答えがAstronautなのでしょうか。
Astronautとは宇宙飛行士のことですがその語源はAstron (星)とnautes(船乗り)からきていて、この言葉が組み合わさり宇宙を航海する人というような意味になります。


またYellow Woodで初めての選択をした時、バスに乗った彼らと乗らなかった彼らで世界が分岐しましたね。つまりパラレルワールド(並行宇宙)が新たに生まれたということです。

(パラレルワールドとは私たちの世界と同じ次元に存在するもうひとつの世界のことで、「もしもあの時〜していたら」の"もしも"の世界を指します。) 



つまり鍵穴の向こう側にいるキッズ達はYWで別の選択をしたもう1人の自分達であり、
パラレルワールド(並行宇宙)を航海する宇宙飛行士(Astronaut)と言えるでしょう。

Double KnotのMVでも月が二つ出ていることから、Side Effectで副作用を克服したにも関わらず未だに2つの世界が共存していることが分かります。


キッズ達がCITY JUNGLEを去る最大の理由。それはFAKE WORLDを抜け出して向かった新たなアジトCITY JUNGLEさえもFAKE WORLDであることに気づいたからです。
(MIROHで革命が失敗した事からも未だに権力者達の支配下にいる事が分かります)

District9以降のMVでも常に監視を受けていましたがDouble Knotでも同様にドローンが飛んでいます。

彼らがCITY JUNGLEを抜け出す事を決心すると周囲に"ERROR-SIGNAL"の文字が現れます。(本当に一瞬しか出ないのでMV見ても分からないレベルですが…)

砂嵐のように画面が乱れるタイミングで
ERROR-SIGNALの文字が出ます

ERROR-SIGNALが出ている=ドローンや防犯カメラなどの監視が誤作動を起こしているということなので、もうキッズ達を阻むものはありません。
靴紐を二重に結ぶと、キッズ達は社会から監視されない新たな場所を求めてついにCITY JUNGLEからも旅立ちました。



2.Astronaut

 

Double Knotでバンチャンが開けた白い扉の向こう側の世界。
MV冒頭に登場する屋上はHellevatorや
I amYOUを彷彿とさせます。キッズ達が楽しそうに遊ぶ中、ヒョンジンは謎のガラス玉を見つけます。

このガラス玉からは聞いた事のない音が聞こえ、その音の最後にはヒョンジンの名前を呼ぶ聞き慣れた声が微かに混ざっていました。
その声に引き寄せられるように走り出したヒョンジンは様々な場所を訪れます。


どの場所もこれまでのMVに出てくる場所に似ていますね。つまりAstronautは彼らがこれまで訪れた場所を併せ持つ非現実的な空間。まさにパラレルワールド(並行宇宙)なのです。

そして走り続けた先でヒョンジンは動かずに固まっているメンバー達を見つけます。

まるで自分のことが見えていないかのように目も合わない、そんな彼らを見て動けずにいたヒョンジンでしたが再び現れたガラス玉から聞こえる音に呼ばれてまた走り出します。

ここでもまたアイエンだけが唯一動くことが出来、走り去るヒョンジンを目で追っています。

 

ガラス玉に呼ばれて走ってきたヒョンジンは二つの月が浮かぶ暗い空の下、終わりの見えない道へとやってきます。その道の終わりには無線を送るバンチャンが待っていました。ガラス玉の聞き慣れた声はバンチャンのものだったのです。


二人は白い扉を開けると、他のメンバー達と共に新しい世界へと再び向かうのでした。




・アイエンについて


アイエンはどの世界においても不思議な人物でしたよね。

I am NOT→自分のドッペルゲンガーに出会う
I am YOU→月が見える
YW→黄色い木が見える

Astronautでは固まったメンバー達の中で唯一動けるだけでなく、遊具を回してメンバー達を新しい世界へと送り届けたり、扉を通じて別の世界へ行ったはずが最後に1人だけ元の世界に戻って来たりもしていましたね。

この事からアイエンは扉がなくても別の世界線へ行き来できる人物、つまり全てを知っている人物であると考えられます。
(屋上にいる時と固まっている時でアイエンだけ服装が違う事からもアイエンだけが2人いるということが分かります。)




3.LEVANTER

ついに最後の曲となりました。 
このMVではYWの世界で分岐した二つの世界線のキッズ達が登場します。
前回同様 
バスに乗ったキッズ達=キッズ①
乗らなかったキッズ達=キッズ②とします。

キッズ①
キッズ②

この2組は服装で見分けられます。
キッズ①がモノクロなのに対してキッズ②はカラフルな衣装を着ています。

キッズ①はバスに乗ってしまったがAstronautの世界で覚醒した状態。
キッズ②は踏まれたことのない道を選択し、Double Knotの世界でCITY JUNGLEから飛び立った状態です。



・キッズ①目線の話


まずトレーラーで最初に出てくるのはスンミン。彼はYWと同じエレベーターで"L階"から今度は上へと上っていきます。すると突然風が吹いて下からハンが手を差し伸べてきます。このハンがいるのはHellevatorで最後に辿り着いた"Hell階"の花畑です。
ハンの手に触れた瞬間エレベーターは激しく揺れます。

壁が別の時空に繋がっているようですね。
ハンの後にバンチャンもエレベーターに乗りますが、今度はバンチャンが鍵を使った瞬間ピラミッド階に向かって一気に墜落します。

バンチャンが今回使った鍵ですが、今までのものとは違いピラミッドのマークが描かれています。
そして鍵穴を見てみると
"ON・OFF・EMERGENCY"
と書かれており、周りにはプレステのコントローラーのようなボタン(アクションボタン)があります。

これは私の考察ですが、プレステの〇‪✕‬△□ボタンには意味があるらしく、このエレベーターも同じような意味合いがあるのではないかと思います。(詳しく書いてある記事を貼っておきます!)
また、OFFからONの方向に鍵を回したことによりエレベーターが大きく揺れ始めました。
emergencyという言葉は飛行機などでよく耳にしますがこちらもTAKE OFFと関係があるのかもしれません。
鍵穴の上にあるボタンには"G"と表記されていますが地面(ground)の頭文字でしょうか。
このボタンについてはまだ少し謎が残ります…


次にヒョンジンですが、突然走り出し道の真ん中で立ち止まります。すると先程のエレベーターでバンチャンが鍵を回したのと同時にヒョンジンはスポットライトに照らされました。

このスポットライトですが I am YOUを彷彿とさせますね。

実は I am YOUでは月をみれるのはアイエンだけでしたが、(YW以降アイエン以外で)二つの月が出ているシーンでソロで映るのはヒョンジンだけです。

この事から、キッズ達の中でも特に二つの月("もしも"の世界)に対する執着が強いのが分かります。

 


続いて廃墟となったトンネルではチャンビンとアイエンが登場します。こちらのトンネルはMy Paceを連想させますね。
お互いに気づいた2人が近寄ろうとするとエレベーター同様トンネルが大きく揺れ地面が崩れ始めます。

2人の間には大きな亀裂が走り、近寄れず見つめ合うことしか出来ません。

         


フィリックスは他のメンバーとは出会わず幻想的な空間で羅針盤を手にしています。

 


次にキッズ達は自分達のいた場所から、それぞれ同じ場所へと集まってきます。

トレイラーの冒頭とこちらのシーンでは両方とも信号機が映されますが、何故か青信号で止まり赤信号で進みます。要するに実際とは反対、パラレルワールドの人間であるという事がより強調されています。

 


キッズ達が近寄ると急に耳鳴りがして全員苦しみ出しますが、ここで画面が変わります。キッズ達が羅針盤を手に取ると突然針が回り始め、その針の先に新たな扉が現れます。
その扉の鍵穴を覗くと、その先にはHellevatorの花畑とキッズ達の姿がありました。

MVの後半でフィリックスが異空間で羅針盤を作り出すと、部屋の壁に鍵穴が映し出されることから新しい扉の鍵はキッズ達自身だと言うことが分かります。

また、耳鳴りは今回もアイエンにだけは聞こえていませんでした。
これは推測ですが分岐していた二つの世界の自分達が一つになろうとした事で起きた耳鳴りなので両方の世界を行き来できるアイエンだけはその弊害を受けないのではないかと考えます。


・キッズ②目線の話 

まずMVではバンチャン、ハン、スンミンが、道の真ん中に壊れたエレベーターを発見します。

バンチャンがドアを開けると風が吹き荒れ落ち葉や紙が舞い上がります。その紙をよく見るとキッズ①がSide Effectで乗ったバスのチケットでした。

このエレベーターは先程キッズ①が乗っていたエレベーターだと思われます。ピラミッド階から急降下した事で壊れてしまったのです。


次に、道路を歩くリノ、ヒョンジン、アイエンは空を飛ぶ鷲を見つけたので着いて行くと、新たな扉を発見します。


続いて、チャンビンとアイエンはトンネルで向かい合っています。キッズ①の時の大きな揺れで既に地面には亀裂が入っています。トンネルでピラミッドを見つけたチャンビンでしたが、それを手から離すとリノたちの元にいた鷲が扉から飛び立ちます。

次にチャンビンとアイエンがバスのチケットを燃やすとバンチャン達の前にあったエレベーターが燃え上がりました。


チャンビンがピラミッドを手放した事で、降り注ぎ始めた流星と消えゆくピラミッド型の光。そしてその前には新しい扉が現れました。

キッズ達はその扉を開けて新世界へと足を踏み入れますがアイエンだけが後ろを振り返ります。躊躇う理由は、二つの世界を行き来できる唯一の人物だからです。

しかし、アイエンも扉を超えてしまうとYWから今までずっと空に浮かんでいた二つの月は重なり、一つの太陽が輝き始めました。 



イントロでもバンチャンが言っていた通り、LEVANTERとは地中海で強く吹く東風の事で
このアルバムは「アルケミスト」という本と「海辺の墓地」という詩の"風が吹く、生きていかねば"という一文が題材となっています。

分かりやすく本と詩の内容をまとめて下さっている記事を見つけたので貼っておきますね!

〔ストーリー〕※ネタバレ注意
羊飼いの少年サンチャゴは連日ピラミッドに宝物が隠されているという夢を見ます。偶然出会った王様に導かれたサンチャゴはピラミッドの宝物を探しに旅に出ます。その道中様々な困難が待ち受けますがそれを乗り越え、辿り着いたピラミッドには宝物は存在しませんでした。しかしその後も旅を続けたサンチャゴは宝物だけでなく愛する人と物質の本質を理解する心まで手に入れました。



「アルケミスト」のストーリーやバンチャンの言葉でも分かる通り、結果だけではなくそこに辿り着くまでの過程が大切なのです。



4.Clé編まとめ 

I am編の終わりでは自分は何者なのかに対する答えは出なかったものの、同じ空間や時間を共有出来る仲間(YOU)を見つけました。
自信をつけたキッズ達は更なる高みを目指してCITY JUNGLEへと飛び込み、FAKE WORLDを変えるために革命を起こしますが失敗に終わります。
ここで初めて挫折を味わったキッズ達は、恐怖や不安を抱き「もしも別の選択をしていたら」と考えてしまいます。(副作用)
YWで初めての選択をしたのを境に空には月が二つ浮かび、キッズ①とキッズ②の二つの世界線(パラレルワールド)に分かれます。キッズ②はCITY JUNGLEを抜け出し、前に進み続けた結果新しい鍵を手に入れます。
キッズ①はキッズ②のおかげでFAKE WORLDに到着せずに済み、以前築いたアジトへ戻り安定した環境で楽しく過ごしていました。
ですがキッズ②のバンチャンの無線の声に導かれ再び旅立つことを決意します。(覚醒)
アイエンはパラレルワールドを行き来できる唯一の存在として、また仲間たちが挫折を味わい不安や恐怖に苛まれることを懸念しますが、旅立ちを選択した仲間の事を次の世界へと移動させるのでした。
こうしてキッズ達が辿り着いたのはFAKEの世界とHellevatorの世界。巡り巡って始まりの地に戻った彼らは鍵(もう1人の自分達)を見つめます。
自分を探すために始めた旅もいつしか鍵に執着していた事に気づき、彼らは鍵を手放します。するとその瞬間鍵とピラミッドは消え、恐怖や不安から二つに分かれてた月が一つの太陽に戻るように、分岐していたキッズ達も一人の自分に戻るのでした。

(追記)
公式からこれまで(Hellevator~)のハイライトの動画が出ていたのでそちらを貼っておきます!
こちらの動画については別の記事で詳しく解説していますので良かったらそちらもご覧ください!




5.補足


これまで使用した鍵は既にバンチャンが持っていたものでしたが、Double Knotで使用したのはヒョンジンが途中で拾ったものでした。そして、ヒョンジンと言えばSide Effectのラストシーンでも横たわっているカットの後に水の中に落ちている鍵のカットが映ります。

そのため、鍵を見つけられる人物=ヒョンジンなのかもしれません。

そして鍵の主=straykidsですが、スキズのリーダーはバンチャンだからなのか、鍵を使って新しい世界への扉を開けるのは常にバンチャンです。

また I am NOTのトレーラーやDistrict9のMVでも分かる通り、自分達のいる世界の不具合に1番最初に気づき、FAKE WORLDからの脱出を企てたのもバンチャンです。




6.ウジンの脱退


LEVANTERのアルバムですが、ウジンが脱退を発表し発売時期が遅らされました。
メンバー達がいつからウジンの脱退を知っていたのかは分かりませんが、MVなど注目してみるとウジンが脱退する準備がされていたように思います。MIROHのアルバムあたりからは以前よりも歌のパートが減っていたり、MVにはウジンだけが別の方向に進む事を暗示するようなカットが出てきます。

Double Knotに出てくる看板

TMTではバンチャンとウジンが逆方向へ走り出すカットがあったりAstronautでも紹介した看板の言葉はウジンに向けられた言葉のようにも感じます。

また、Clé1:MIROHを発売して3ヶ月しか経っていないにも関わらずスペシャルアルバムとしてClé2:Yellow Woodが発売されましたが、収録曲の半分が過去のアルバムからの再収録曲である事からも、急遽準備した様にも思えます。この時から脱退することは決まっていたのではないでしょうか。


脱退の発表の際に出されたお知らせには
"羅針盤を抱いて夢に向かって再出発する8人を応援して欲しい"と書かれています。

また、LEVANTERでも"君を手放すのは怖かったけど手放すしかないんだ僕は"と歌っており、MVのその部分ではアイエンが惜しむように後ろを振り返ります。

考察では別の世界線にはもう戻れなくなることを躊躇っていると解釈したこのシーンも、もう9人のStrayKidsには戻れないことへの不安や未練があって振り返ると捉えることも出来ますね。



7.感想


最初は誰もが新しい環境に飛び込む事へ不安や恐怖を抱き、先に進む事を躊躇してしまうでしょう。ですが、勇気を出して一歩進むことで自分のやりたい事や目標がより明確になってくるのだと思います。
そして人は夢に向かう道の途中で様々な選択を迫られる度、"もしも"について考えます。ずっと自信満々でいられる人なんていませんよね。自分のした選択によって未来が変わるのだから。今までの自分を振り返ることも大切だと思います。
時には失敗する事もあるし、挫折だって味わいます。でもそれを誰かのせいにしてはいけないのです。このMVの彼らのように、自分を救えるのは自分だけです。
沢山回り道したって良いのです。楽しいだけの毎日じゃないからこそ、同じ空間・時間を共有出来る誰かとの日々がより幸せに感じられます。
そうやって毎日必死に生きた道の先が例え最初に自分が描いていたものと違っても、結果が全てじゃない。その過程こそが美しいのです。

最後にこちらの曲を贈りたい思います。 
「Mixtape#2」

この曲は9人最後のアルバムであるClé2:Yellow Woodに再収録された曲の1つで、
作詞作曲をStrayKids全員で行っています。
サバイバルから始まり、苦楽を共にして歩んできた9人だからこそ綴ることの出来る素直な気持ち。StrayKidsを愛する人ならきっと胸に刺さると思います。

影も光があってこその存在です。
今はまだこの道が暗く見えても、振り返ればちゃんとこの道を照らす明るい光が私たちを待っています。



長くなりましたがスキズ考察についての記事はこちらで最後になります。
ここまでお読みいただき本当にありがとうございました!


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