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たまにはぼくも料理を作る②

「食べる?悪魔のトースト」

珍しくぼくが朝食を提案した。
どのくらい珍しいかというと
半年に一回あるかってレベル。

当然、嫁ちゃんはおどろいた。

「作るの!?夫くんが!朝食を!」

嫁ちゃんはおどろきと喜びが
ないまぜになって動揺してる。
ふっふっふ。かわいいやつめ。

「まあ、ココアでも飲んで待っててよ」

これ以上ないくらい夫の威厳を勝ち取ると
ぼくは買っておいた食パンを颯爽と並べた。

厚切り食パンの耳に沿いマヨネーズが踊る。
マヨネーズが土手を形成。カロリーの壁だ。
土手の高さはモリモリと5cmを突破した。

「夫くん・・・マヨかけすぎじゃない?」

「まだまだこれからだよ」

薄いハムをマヨ土手に敷き終えると
Lサイズの卵を割って・・・投入だ。

「夫くん!たまごが、あふれてない!」

「事前にたまごポケットも形成済みさ」

「さすがだね、あとは焼くだけ?」

「おっと、嫁ちゃんらしくないね」

冷蔵庫から取り出したるはチーズ。
大袋のピザ用トッピングチーズだ。
豪快に鷲掴みで取り出したぼくは
ぶちまけたッ!パンの頭上からッ!
幾度繰り返す!パンが埋まるまで!

「夫くん・・・チーズかけすぎじゃない?」

「今日は限界まで行かせてもらう」

興奮したぼくはもう止められない。
チーズの暴虐を気が済むまで行い
ブラックペッパーを挽きまくると
満を持してオーブンへ詰め込んだ。

~5分後~

タイトルの画像が爆誕した。

「悪魔のトースト、完成だよ」

「うおおお!美味しそうだよ夫くん!」

「じゃあ、いただこうか」

「いただきまーす!」

「!!!」

やばかった。
一口目からぼくは、踊り出していた。

珈琲次郎は美味しいものを食べると踊り出す

「うっわ、久々に食べたけど、これ・・・」

「うん、ヤバいほど美味いね、これ・・・」

「夫くん、好きだよね、こういうのもぐもぐ」

「嫁ちゃんだって、好きじゃないかはぐはぐ」

「うぎゃああ!」

「どうした嫁ちゃん!」

「パンの中から卵液がたれてきた!」

「気にするな。ぼくはとっくにベチャベチャだ」

「あーあー、手、ベチャベチャにしちゃって…」

「これは豪快に食べるものだからね」

「まぁ、下品だけどたまにはいいか」

そんなこんなで朝から悪魔のトースト。
つつがなくペロリと完食しましたとも。

ちなみにこの悪魔のトーストは
元のレシピと全然違っています。
欲望の赴くままに改良(改悪?)済み。

とにかくとんでもないマヨネーズの爆量と
とにかくとんでもないチーズの量がエグイ。
健康志向の人は決してマネしないで下さい。
画像の見た目よりカロリーモンスターです。

誤解のないようにいっておきますけど
私も嫁も普段マヨネーズを食べません。
チーズだってこんな使い方をしません。

嫁の作る料理は美味しいのが多いけど
総合的に見るとヘルシーで優しい料理。
イカれた(褒め言葉)料理はぼくの担当です。

半年に一回くらい、なんかこう衝動的に
体に悪そうなものを食べたくなりません?
ぼくはめちゃくちゃなってしまうんです。

でもね、毎日じゃないですからね。うん。
毎日食べたらさすがに離婚案件ですから。

「ねえ夫くん・・・」

「おっと嫁ちゃん、どうしたの?」

「私、もう一枚作って食べていい?」

悪魔に魅入られた者がまた一人。

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