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入浴剤と信頼関係

我が家では入浴剤が密かなブーム。

厳しい寒さに対抗すべく編み出した人類の英知。
それが入浴剤である(諸説あり)。

先日は嫁が買っておいたとっておきの入浴剤
熱気芳香浴 ロウリュを入れてみた。

これがまあ暑いのなんの。効果覿面てきめんであった。

ただ暑いだけでなく、身体が全身ツルツルの
テロテロにコーティングされる様は凄まじい。
お値段は高めだが入浴好きなら試してほしい。
私のように入浴中読書が捗ることうけあいだ。
(私のkindleデバイスは防水機能付きで最高)

さて、30分以上入浴がザラである私としては
多量の汗をかくのでやはり水分が欲しくなる。

(珈琲が飲みたいな・・・)と思っていたら
カラカラと浴室の引き戸が開かれる。

思わず視線を向けると嫁が笑顔で立っていた。

「はい、珈琲いる?」

なんと嫁は熱々珈琲を持ってきてくれたのだ。

「あれ・・・えっ、どうして?珈琲なんて」

戸惑う私。だってこんなことは初めてだから。

「キレイに洗い物やってくれたらね、お礼」

そう言って珈琲を置くと、嫁は去っていった。

・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・

この世には『信頼』という言葉があります。
あなたは、心から信頼できる人がいますか?

この問いに
「もちろんいる!」と答える人は多いです。

それは自分の親、兄弟であり、友人であり
時には我が子を指して『頼りにできる』と
思っている人はたくさんいると思います。

ですが、それは本当に信頼でしょうか。

信頼と依存を履き違えていないでしょうか。

信頼というのは力を貸してくれる人に対し
ありがたい!と感謝が湧いてくるものです。

依存というのは力を貸してくれる人に対し
当たり前だ!と傲慢な態度になるものです。

一見すると違いは心の在りように見えます。
しかし、信頼と依存は明確に別なものです。

なにが違うのかというと主体性です。

主体性があるのが信頼で
主体性がないのが依存なのです。

・・・

冒頭のお話。

入浴中に珈琲を持ってきてくれた嫁に対して
私は信頼を置いています。
心からありがたい!と思っています。

でも、嫁に対していくら「ありがたい!」と
思ったところで、今まで入浴中に珈琲なんて
持ってきてはくれませんでした。

ではどうして今回
嫁は入浴中に珈琲を持ってきてくれたのか?

それは積みあがったから。

信頼関係というのは
お互い信頼を積み合った結果の関係を指します。

私が、嫁のために何かを行います。
嫁が、私のために何かを行います。
これが信頼関係構築の基礎。

ポイントは自分の意思で行うこと。
言われて嫌々やっては意味がありません。
また、見返りを求めるものでもありません。

更に言うと、相手に何かを行ったとしても
相手がそれで嬉しいと思う保証もありません。

そしてなにより、どちらか一方だけが積んでも
信頼という土台は作れません。
お互いが同じくらい積み合って形になります。

信頼とはそうした地道な努力で得るものです。

そうして時間をかけて築いた信頼関係は
何物にも代えがたい二人の絆となります。

そんな絆はちょうど入浴剤に似ています。
わくわくして、暖かくて、沁み入るもの。
時に頼ったり、委ねたり、いい間柄です。

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