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わいわい、ときにしみじみ、コメダの午後

我が家の双子の娘たちは春休みに入った。先週、幼稚園を卒園し、小学校入学を待つ身だから、気楽にチューリップが咲くのを待っている。

わたしは娘たちが遊んだりドリルをしたりするのを見守りながら仕事をこなす毎日だ。どうしてもふだんより昼間の稼働時間が減ってしまって、夜に作業を残す日もある。読書の時間を削らざるを得ない。こうなると、読みたい、見たい、仕事に関係ないこと書きたい病にかかる。

ほんのりストレスを感じるけれど、娘たちとべったり過ごす時間もまた好きだから、まあいいかと思っている。

春休み第一日目は、娘たちを連れてコメダ珈琲店に行ってきた。喫茶店ラバーのわたしは平日はちょくちょくコーヒーを飲みに出かけている。春休みで自由に出歩けないからと禁断症状が出る前に、娘たちも喫茶店デビューさせてしまおうと考えた。せっかくだから、セルフサービスカフェじゃなくてコメダにしちゃおう。

本屋さんで彼女たちと本を選んで購入してから、いざコメダ。ゴー。

シロノワールを食べたかったのだけど、最近甘いものを控えている。また、娘たちがシロノワールの見た目にびっくりしていたので、二人にだけソフトクリームを選んだ。飲み物はわたしがホットコーヒー(コメダブレンド)、娘たちはアップルジュース。

にこやかで気さくそうな店員さんがテーブルに運んでくださった飲み物を見て、娘たちはきゃはっと喜んでいた。コメダのジュースはユニークなボトルで供される。こういうリアクション、見たかった。

このあと、ソフトクリームが来ます……!

彼女たちはソフトクリームも楽しそうに完食した。「おいしい! うれしい!」と太字で書いてあるような、二人の顔。食べさせる者の喜びって、こういう顔を見ることなんだなあ、と思う瞬間だ。

わたしが幼い頃、どこかへ外食に行っても、食の細い母はあまり食べないのがいつものことだった。食べ物にこだわりの強い父もそれほど食べない。

でも、わたしと妹がはむはむとおいしいものを口へと運ぶのを、両親はにこにこと見ていた。当時のわたしは「おいしいー!」とみんなで興奮をわかちあえないのがさみしかったけれど、今は両親の気持ちがなんとなくわかる。

わたしも、コーヒーを飲んでいただけなのに、じゅうぶん幸せな気分になった。いい時間だった。

「コメダ行ったの? あの子たち連れてたら本が読めないやん」

夜になって帰宅した夫はそう言ったけれど、本を読むだけでない楽しい時間を、そしてちょっとだけしみじみとした感慨をコメダはくれたと思っている。

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