見出し画像

自分を責めてしまうあなたへ:出会い、震災と個展

前回の記事目次一覧
※最後に個展に出展した写真を載せています。

「明日、貴女の個展を見に行こうと思います。」

SNSに発信していた写真展の情報を見てDMをくれたのが彼でした。
どういう経緯で彼と繋がっていたのかは、はっきりと覚えていない。
プロフィールを覗いてみると彼自身も写真を撮っていて、共通の友達がたくさんいた。
彼の写真や文章の感じから、もしかしたら友達になれるかもしれないなと思った。

展示には、色んな人が訪れてくれた。
普段はなかなか会えない友達、SNSだけで繋がっていた方、それから私が今まで一方的に作品を見ていた写真家の方も。
毎日会場で人と会って、様々な感想をもらったり、友達たちの顔を見たりするうちに、思い切って個展をやってみて良かった、とやっと胸のつかえを下ろすことができた。
実はわたしは、ぎりぎりまで写真展をやることを迷っていたのだ。

-

展示は2011年の秋に行った。
その年の3月に東北大震災が起き、それを境に私は自分の生活をがらりと変えた。
それまでは芸術活動をしながら普通の会社にも勤務していたので、3ヶ月に1日も休みがないような毎日だったが、震災を機に私は会社を辞め、自分の芸術活動も停止せざるを得なくなった。
多くの芸術家がその当時、自分の活動に対して一度疑いの目を向けたと思う。
震災で多くの方が亡くなったり苦しんだりしている今、私の活動は果たしてその助けになるのだろうか?
生き死にの瀬戸際にある状況に対して、自分が心を砕いてきた芸術というものは、ほとんど無力ではないのか?

ここから先は

1,284字 / 5画像
この記事のみ ¥ 100

頂いた「サポート」は、よりいいものづくりのために役立てます。