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”育てる”ではなく”育つ”ことを大事にしたい

最近、急に読書欲が向上して本を読むのが日課になってきました。

ここ数日で読んだ本の中で一番おもしろかったのが、渡邉格さんの「田舎のパン屋が見つけた”腐る経済”」です。


2013年に発売されたかなり有名な本なので、いまさら説明する必要はないと思いますが、鳥取県を拠点にご夫婦で営んでいるパン屋さんのお話です。

詳しい内容はぜひ本を読んでいただきたいのですが、文中でびびっと来たのが下記。

”農家の仕事は、土をつくることだ。野山で植物を支える土壌は、水持ちがよく、柔らかくて温かい。そういう土をつくれば、植物は自分の力で”育つ”ようになるんだ。この”育つ”というところがポイントだな。肥料を与えて”育てる”んじゃなくて、”育つ”ための土をつくる。場をつくるということ、それが『自然栽培』の最大のポイントだな”

引用:田舎のパン屋が見つけた”腐る経済”より

こちらは自然栽培や天然菌の発酵についてのやり取りをしているシーンなのですが、この考え方やスタンスはまさに僕がコミュニティ運営において、大事にしている考え方そのものでした。


”育てる”ではなく、”育つ”ための環境をつくること。

僕はコミュニティを運営していく際、環境を整えることを意識しています。集まってくださる皆さんが少しでも、心地よく過ごしてもらえるように、小さな一歩を踏み出せるように、居場所だと感じれるように、そのためにコミュニティマネージャーとしてできることをひとつずつ取り組んでいます。

意識しているというより、正しくは僕にはそれしかできないと思っています。メンバーの皆さんがコミュニティという空間をどう使うかは、運営がコントロールできるものではないんですよね。すべては、メンバーの皆さんに委ねることしかできません。だから、環境を整えることが大事になってきます。

コミュニティ”マネジメント”って書くからもっとコントロールしているように思われがちですが、実際はコントロールできることなんてほとんどない。メンバーさんに自然と「やってみたい」と思ってもらうしかありません。企業という組織と大きく異る点は、まさにここなのかなと思います。何も強制できないため、自発性を生み出すしかない。

そう考えていくと、コミュニティ運営って土を耕すことなんだなと思うんです。土を、環境を整えていけば、勝手にそこで遊んで様々なアウトプットや価値が生まれていきます。

まさに、冒頭の自然栽培のお話と同じことですよね。


”育てる”ではなく”育つ”を大事にしたいのは、コミュニティ運営に限った話ではありません。

僕は何かを”コントロールすること”に興味がなく、作為性を感じると嫌悪感を感じてしまう。それは仕事・プライベートに限らない話で、反射的に感じるものなんです。

もちろん、”コントロールすること”を生業としているひともいらっしゃるだろうし、それが大事な場面があるのも重々承知しています。

でも、もはやそれが通用する世の中じゃないなとも思うんです。コントロールすること自体が難しくなっていますし、コントロールすることの価値がどんどん減少している感覚すらあります。

それよりも、「どうなるかわからない」という『”余白”を楽しめる力』こそが、今の時代を生きていく上で大事になるんじゃないかなと。

いざ、そうなったときにアタフタせず、淡々と目の前のことを向き合い対応していくこと。なんなら、その状況にすらワクワクできるスキルが『”余白”を楽しめる力』であり、今必要とされるサバイバル力だと感じています。


だからこそ、”育てる”ではなく”育つ”を大事にしていきたい。

きっと明日も明後日も、僕は土を耕しつづけていくんだろうなぁと思い続ける今日このごろです。

それでは!


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