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人は自分の鏡だったことを思い出した。|【大人の条件 さまよえるオトナたちへ】を読んで

『林伸次』さんの『大人の条件 さまよえるオトナたちへ』という本を読んでいます。

noteで活躍されているクリエイターのかたが林さんのことやそのご著書を紹介されていることは、よく目にしていたのですが、noteでの林さんの投稿は有料のマガジンがほとんどで、いつも記事の導入部分だけ拝見して「この続き: 3,748文字」というペイウォールの文字に『毎日3,000~4,000文字の記事を投稿してるってすごすぎる』と思うに留まり、興味はあるものの有料のマガジンを購入することも、ご著書を購入することにもなぜかあと一歩が出ないということを繰り返していました。

そうして林さんの作品に、勝手ながら、誰もが聞いたことはあるけれど、ずっとそこに住んでいる人は意外と行ったことがない、そんな地元の観光スポットみたいな距離感を感じていました。

そんな折、林さんの作品に対して僕と同じような距離感を抱いていたかた(どなたか忘れてしまってすみません)が、『大人の条件』を読んで、「自分も甘えてばかりじゃダメだと思いました」といったようなことを書かれている記事に出会いました。それを見た途端、(これもなぜだがわからないのですが)ずっと阻んでいた壁が突如どこかに消えてしまって、気づけばkindleでポチっとしていました(出なかったのは一歩ではなく、一指だったみたいです)。

たぶん2時間くらいだったと思います。一気に最後まで読んでしまい、その勢いのまま、このnoteを書いています。

まずはじめに驚いたことは、この一冊を読むだけで、林伸次という人物がどういう人なのか、わかった気になってしまっていることです。もちろん著書のなかでは、書かれていないパーソナルな部分はたくさんあるのだと思うのですが、そう錯覚してしまうクリアさがあって、「これが共感を集めるひとの文章なんだな」と思いました。こういう文章を読むと、心のどこかで「いいなー、自分もこういう文章がスラスラと書けるようになりたい」と、憧れめいた感情が巣くってしてまっていけないですね。量が質をつくるということはやっぱり真実みたいで、林さんの言葉がストンと入ってくるのは『東日本大震災の後から、ほぼ毎日1本は書き続けている(本書より引用)』からで、積み重ねだよと言われている気持ちでした。

あと、小さいころから本が身近にあって、いつの間にか文章を書くのが好きになっていった、ことも続けられた理由なのでしょう。子どもころに好きなったことが、いまでも生活の一部として続いているって、ほんとに素敵です。


本書のなかで一番印象に残っているのは、第一章『人間関係、コミュニケーションについて』のなかにあった『ネガティブはうつる』です。この節では、バーテンダーという職業柄、会話がイエスマンになってしまい、お客さんのネガティブな発言にのっかってしまった結果、大事なつながりを失ってしまったエピソードから始まります。

このなかで『ネガティブはうつるし、ポジティブもうつる』『心が変われば、人生が変わるそうですよ。』と書かれています。ほんとうにそうだよなと思うと同時に、最近の自分の言動を反省することにもなりました。

このところ、仕事ではチームメンバーに対して、称賛をするよりも指摘をすることが増えていました。自分なりに言い方には気を遣っていたつもりではあったのですが、とはいえ、指摘されてばかりだと気分は下がってしまいますよね。何より指摘ばかりされている部下は、自分の部下にも同じように指摘ばかりしてしまう可能性があります。これだと、組織はだんだん負のオーラが充満して、息苦しくなってしまいます。これはいけないと思いました。

よく「人は自分の鏡」だと言われますが、そのことを忘れてしまっていました。反省です。


本書は、先に触れたの第一章のほか、
『第二章 仕事と成功について』
『第三章 男女の関係、結婚について』
『第四章 マナーやふるまいについて』
『第五章 大人になるということ』
の全五章で構成されています。副題の通り、林さんから「さまよえるオトナたちへ」の手紙のような作品でした。

(本書の出版にあたり、『Atsuyoshi Narumi』さんが林さんに取材されたときの記事も勝手ながら紹介させていただきます。)


【参考】


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