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早く行きたければ一人で行け、遠くへ行きたければみんなで行け

11時40分になった。
そろそろランチに行く時間だ。

本社周辺はランチには困らない。
タンタンメンが自慢の店、魚定食が美味しい店、唐揚げ中心にガッツリ食べさせてくれる店、本当に選びたい放題。

しかし注意しなくてはいけない点がある。
12時を過ぎるとどの店も途端に行列が出来る。
12時にチャイムが鳴り響き、周辺の会社のサラリーマンがそれを合図に一斉にシャバに出てくる状態。

我々の会社は休憩時間など定めていないので何時に食べても自由。
とはいえ、12時まで打ち合わせが入っていたり、13時から次の予定が入っていたりするのである程度制限はされてしまう。

打ち合わせが12時に終わり、さあランチに行こうか、という行動が一番愚策である。
どこにいっても行列、何ならコンビニのレジも行列だ。
こういう場合は絶対に12時40分くらいまで待った方がいい。
12時に行って並んでも食事にたどり着くのは12時20分にはなり、10分で食べ終わると12時半。
12時40分に行き、10分で食べ終わると12時50分。

当たり前の計算である。

2年前、私含め4人で創業した。
私はオフィスにいることが多かったが、メンバーのうち2名は現場に行っていることが多く、私ともう一人のメンバーでランチに行くことがほとんどだった。

「今日何を食べたい?」
「唐揚げですかね」
「唐揚げ重いから魚にしよう」
こんなやり取りを何度も繰り返すのでメンバーは私に何を食べたいのか言わなくなった。

外観を見ただけではなかなか入りずらい中華料理屋がある。
この店は以前記事にも何度かしているが、歴史を感じる店構えと個性的なおばちゃん店員が看板商品。
ラーメンチャーハンセットなど油ギッシュなサラリーマン向けのメニューが豊富、金額、味はごく普通。
わざわざその店にいく要素はほぼないと思うが、私はたまに行きたくなる。
なぜなら何かの話のネタになる発見が毎回ある。
前回行ったときは通りがかって中の様子をチラッと除いただけなのに、入口の前で仁王立ちしていたおばちゃんに瞬時に発見され、ドアを開けられ、誘導され、座らされる。
こちらが予想できないおばちゃんの行動力はラーメンよりも私は好物である。

この店を先ほどのメンバーに提案すると露骨に嫌な顔をする。
もっと美味しい所があるのに…、という不満か?
メンバーには
「その店にはラーメンを食べに行くんじゃないぞ、おばちゃんを味わうのだ」
と言いたいところだが、
「おばちゃんを味わった結果、自分の口には合わないという事です」
と言われそうなのでメンバーには言わないことにする。

こんなやり取りをしながら2,3人でランチする時間が気分転換になっていた。

弊社はリモートワークが中心、効率性重視の為、ほとんど在宅で勤務するメンバーもいる。
会社のフェーズを変えていく宣言をした昨年9月、そこから社員も増え、パートも採用した。
組織にしていくために本社出社日を週2回設けた。

昨日は出社日。

11時40分になる。
そろそろランチに行こうか。
ぞろぞろランチに向かうメンバー、総勢7名。

ちょっとしたツアーみたいな人数になっているぞ。
何が食べたいなんて聞いてられない。
7名座れるところはどこだ?
よし、あの店にしよう。

こっちだこっち。
先頭で店に向かう私。
後ろからついてくるメンバーとのスピードが違う。
7名いると全体の動きが鈍くなる。
私の横に誰か一人くらい来てくれてもいいが6人がひと固まりになっている。
私が先頭で「走れ」と言わないと動かない。

「早く行きたければ一人で行け、遠くへ行きたければみんなで行け。」
さあ、どう組織化を進めていきましょうかね。
まずはランチ改革ですかね。

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