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シンガポールで寒いという感覚

明日のトウキョウは、ぐっと気温が下がるらしい・・

気温が下がると聞くと、シンガポールでは、28度になるだけで涼しく感じ、26度にもなると「肌寒い」と思うことがある。
自分でもちょっとおかしな感覚だな、と思うのだが、年中32度の常夏生活を10年以上続ければ、このような感覚になることがある。

26度になると、シンガポール人のオシャレさんは、ジャケットを着たり、ちょっと厚手の服を着たりする。(中には、セーターを着ていた人も・・)束の間の肌寒さを、楽しみたい!そんな感覚は、現地に住む日本人も同じであり、食事に待ち合わせた友人が、トレンチコートを着てきたこともある(笑)。

ところで、シンガポールで感じる寒さは、日常にもある。それは、オフィスや映画館の中。
異常なくらい建物の中を冷やしきるシンガポール(マレーシア、タイもそうだが)。エアコンの温度設定が17度~21度くらいになっているため、とにかく寒い。仕事をしながら飲むコーヒーも、一気に覚めるくらいの勢いだ。従ってオフィスでは、必ずジャケットとひざかけは必須である。

ある日、私はクライアントと打ち合わせをしていたのだが、打ち合わせ中、私の同僚が数人会議室の前を通りかかった。それを見て、クライアントが「ここのオフィスそんなに寒いんですかね?」と一言。それも無理はない、通りかかった私の同僚3人とも、ユニクロのダウンを着ていたのだから。(そのうち1人はムートンブーツまで履いていた・・)

シンガポール人は・・というと、これまた意外にエアコンの寒さに強い人が多い。中には羽織ものどころか、腕まくりして仕事をしている男性や、ノースリーブのミニワンピースで仕事をして、アイスラテなどを飲む女性たちも・・「寒くないの?」と聞くと、「暑いと眠くなる」。

ここまでは笑える話だが、実際、エアコンの寒さが原因で(婦人系の症状で)倒れてしまった人もいるくらいだ。羽織ものを忘れてしまった時など、「凍死でなくなるってこんな感じかな・・」と思うくらい、指先は青くなり、ついには眠くなってくる。こんな環境下、決して体にいいとは言えない。

そんな中、私は定期的に中医に通い、「鍼」を受けていた。血流をよくしてもらうためだ。この寒さの中で仕事をしていたら、必ず体にストレスがかかるからだ。(特に女性は)そしてオフィスでは、白湯やルイボスティーを飲んで体を温めていた。そう、シンガポールでは、きちんとオフィス環境に耐えうる日々のメンテを行わなければならない。

シンガポールの生活で、現地のお作法的なことには慣れ切っているものの、この建物の中の寒さだけは、未だに(決して)慣れることはない。


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