マレーシア移住

マレーシア移住ー最近再び話題にあがることが多くなったキーワードだ。

私の肌感覚では、１０～１５年くらい前にマレーシア移住が話題になったと思う。当時、マレーシア政府が外国人にリタイアメントビザを発行する制度を出したことで、多くの外国人が不動産を購入、そして移住をし始めていた。私の知り合いであるシンガポール人家族や欧米人家族も、シンガポールの目と鼻の先、マレーシアのジョホール州に一軒家を購入し、移住していった。
マレーシア、ジョホールは、渋滞さえなければ、ほんの５分で国境を渡れる国である。シティから車でジョホールへは４０分くらいで到着できる距離である。

マレーシアで移住する場所というと・・

マレーシアは全部で１１州ある。その中でも移住に人気があるのは、首都クアラルンプール（KL と呼ばれている）があるセランゴール州、ペナン島のあるペナン州、そしてシンガポールに近いジョホール州（JBと呼ばれている）がある。
　KLは首都があるエリアなので、世界の企業も多く進出しており、街としてもエキサイティングだ。首都周辺の様々な住宅地は、ショッピングモール、レストラン、ショップ、病院などもあり住みやすい。しかし車社会なので朝夕の道路渋滞がひどいのが問題。電車はあるにはあるが、シティ周辺だけであれば事足りるものの、車社会のマレーシアで、電車利用だけが交通手段というのは、正直不便極まりないと私は思う。まず電車が行きたい場所にまで走っていない場合が多い。逆を返せば、車さえあれば、国内どこでも車で行けるということだ。また日本まで飛行機で７時間である。
　ペナン島は、リゾート地で中華系が多いエリア。文化的にも趣があるし、のんびりしていい場所だと思う。米国系製造業が多く、またリゾートエリアは中華系のセレブリティが邸宅を構える場所でもある。マレーシア料理がおいしく安価で食べれる場所ということで、マレーシア各地、シンガポールからも多く観光客が来る場所だ。首都ＫＬからは車で４時間。飛行機では１時間。
　そしてジョホール。ジョホールは、シンガポールとマレーシアをつなぐ橋を渡ったところにある州だ。私がシンガポールに移住した２０年以上前は、シンガポールからジョホールに行く際は、危険を伴うため（シンガポールとマレーシアの格差が大きく）本当に注意が必要であった。当時は、駐在員がジョホール州のゴルフ場に週末に行くくらいだったと思う。更に、マレーシア人の間では、ジョホール州がマレーシアで最も治安が悪いとされている州だった。（今でもマレーシア人間ではそう思われていると思う）それが昨今、シンガポール通貨がさらに強くなったため、多くのシンガポール人が頻繁にジョホールで、買い物をしたり食事や美容サロンを楽しんだりすることが多くなり、ジョホール州の経済があがってきた。そのため治安も以前よりは改善してきているようだ。またインターナショナルスクールや大学も多くあるエリアは、外国人の居住が多くみられる。
　さらにジョホール州にはマラッカという場所がある。シンガポールから車で２時間。ここはポルトガルが戦時中に占領したエリアでもあり、文化的な影響が強く残されている。このエリアの海側にシンガポール人が別荘として一時期家を購入していたようだが、シンガポールから車で２時間という遠い場所なだけに、最近はそこまで住宅投資として人気がある場所とはなっていないようだ。　

マレーシアという場所が本当に移住としていい場所なのか

結論からすると、マレーシアは住むにはいい場所である。車さえあれば、QUALITY OF LIFEが楽しめる場所だと思う。ただし、以下のマインドを持つことがマレーシア居住では大事である。

１：すべてがのんびりしている
お店も国の発展も政府もすべてがのんびりしているため、イライラすることが多々ある。決して物事が思っている方向には動かないことが多い、この点に完璧さを求める人には難しい国であろう。うまくいかなくて当然。ま、いっか・・くらいのマインドが大事である。

２：治安に気を付ける
私は２年ＫＬに住んでいたので敢えていうが、マレーシアの治安は基本は、それほど悪くはないが、シンガポールと比較すると”格段”に下がる。特に以下の点に気を付けたい。

１）車に乗るときは、ハンドバックなどは足元に置く。（車のとなりに止まったバイクが窓を割ってバッグを盗む可能性がある）
２）特に女性：一人で暗いところに行かない。ショッピングモールの駐車場もできるだけ、出口に近く、人通りが多いところを選ぶ。（一人で駐車する際、地下３階などに止めるのは控えよう）
３）バッグの持ち方に気を付ける
たすきがけは危険。通りすがりのバイクにひったくられて、引きずり回される可能性があり。またハンドバックは、手で持たず、自分側に引き寄せておくこと。
４）人が自分の後をついてきていないか確認する
マンションの中含め、自分の後ろに誰かがついてきていないか、常に確認する。夜遅く帰るときなど、気を付けること
５）家の防犯をしっかり行う
ダブルロックができるところはそのような設定にしておこう

基本マレーシアは安全で、そこまでセンシティブに気を張ることはないが、油断をしないようにするのがマレーシアの生活の基本である。特に女性や子どもは気を付けたい。マレーシア人からしても「治安は悪くないけど、ちょっと気を付ける、という感覚かな？」とコメントをする人が多い。
そしてシンガポールの治安に比較すると、その安全さは各段に下がるので、シンガポールと同じ感覚で過ごさないように気をつけることが大切である。