今回は、「TOTO」をリサーチしました。
私達の生活に欠かせない、トイレなど水回りの陶器を手掛ける会社ですね。
それでは、さっそく見ていきましょう〜

①概要

基本データ

業種：窯業ようぎょう
設立：1917年
上場市場：東京プライム市場
時価総額：6603億円
従業員数：単体7934名（平均年齢44.3歳）※
平均年収：706万円※
※2023年3月期 有価証券報告書より

TOTOは1917年に創業された東洋陶器株式会社から始まる、100年の歴史を持つ老舗企業です。
1980年には初のウォシュレットを開発し、「おしりを洗う」という新習慣を開拓しました。

なお、「ウォシュレット」はＴＯＴＯの商品名（登録商標）ですので、他社の温水洗浄便座はウォシュレットとは呼びません。
また、ネーミングの由来は英語の「Let’s Wash!（さあ、おしりを洗いましょう！）」を逆にしたものだそうです。

②事業内容

日本住設事業/海外住設事業：国内外における衛生陶器、ウォシュレット、浴槽、ユニットバスルーム、環境建材（タイル、建材など）など
新領域事業：セラミック（ファインセラミックスなど）

TOTOはトイレなどの衛生用品を軸に、素材事業にも進出しています。
また海外売上比率も25％以上であり、今後の成長が期待されます。

③業績

直近の決算

営業利益：本業で稼いだ利益
経常利益：営業利益＋本業以外の損益の合計
純利益：税金などを引いたあとの最終的な利益

売上高は堅調に推移しており、利益も2023年は前期を割ったものの、概ね好調な業績推移ではないでしょうか。
昨今の円安下で、原材料の高騰を海外での収益で吸収できるかが鍵となりそうです。

貸借対照表（B/S）

続いて貸借対照表を見てみましょう。
貸借対照表（バランスシート=B/S）は、その会社が持つ資産を可視化したものです。

流動資産：現金にしやすい資産（現金・受取手形など）
固定資産：現金にしにくい資産（土地・建物など）
流動負債：1年以内に返済が必要な負債（短期借入金・引当金など）
固定負債：1年以内に返さなくても良い負債（長期借入金・社債など）
自己資本比率：総資本のうち自己資本が占める割合。高ければ高いほど健全。

まず目につくのは自己資本比率が62％と非常に健全な数値であることです。
自己資本比率が高いということは、それだけ借金がなくても経営できているということです。
また、純資産額が多いですね。
内訳を見てみると利益剰余金が3000億円超ありますので、環境の変化に対応できるほどの現金を蓄えている、といった感じでしょうか。

損益計算書（P/L）

続いて損益計算書です。
損益計算書（P/L）は、その会社がどう稼いで、何にお金を使ったのかを可視化したものになります。

売上高：本業で稼いだ収益
売上原価：売上を上げるために直接かかった費用
販管費：売上原価以外で、商品の販売や管理にかかった費用（広告費や賃料など）
営業利益/損失：本業で出た利益/損失
営業利益率：売上高のうち営業利益が占める割合。高ければ高いほど効率よく稼いでいる。営業損失の場合は算出できない。

売上高は7000億円超と、窯業のなかでは第4位の規模を誇ります。
また、製造業なので、原料の仕入れコスト等の売上原価が大きいことが伺えます。
営業利益率は7％と、業界平均の5〜6％よりも高く、比較的効率よく利益を生み出していると言えそうです。

株価の動向

最後に、ここ5年間の株価推移です。

TOTOの株価は2021年をピークに長らく下落傾向が続いています。
コロナ禍で衛生意識が高まったことと、金融緩和マネーの流入によって2020〜2021年までは株価が高騰したのではないかと推察します。
最近の下落は、本業の好不調というよりも、その反動が出ている側面が強いのではないでしょうか。

④まとめ

以上、「TOTO」についてリサーチした結果、
・100年の歴史を持つ老舗企業
・国内:海外＝7:3の売上構成
・自己資本比率も営業利益率も堅実
・株価はコロナ禍以降下落傾向
でした。

今後も個人的に気になった企業についてどんどんリサーチしていこうと思います。

参考資料

TOTO株式会社公式サイト
https://jp.toto.com/

TOTOの歩み
https://jp.toto.com/company/ir/individual/toto_history/

経済産業省 2022年経済産業省企業活動基本調査
https://www.meti.go.jp/press/2022/01/20230130002/20230130002.html

リスクモンスター株式会社　業界レポート21_窯業・土石製品製造業
https://www.riskmonster.co.jp/study/report/pdf/industryreport202008_01.pdf

日本経済新聞社 業界別売上高ランキング
https://www.nikkei.com/markets/ranking/page/?bd=uriage&ba=0&Gcode=15&hm=1