「記憶」「イメージ」の導出・植え付け・誘導の使い分け、落とし穴

割引あり

本日は、催眠誘導、特にセラピーにおける誘導で、セラピストが認識を取り違えていると非常に危険な側面に関する見解について、記事としてみる。

ただ同時に、ヒトの記憶やイメージというものに関して興味がある人、
自分の”記憶”と”イメージ”の違いが良くわからなかったりそれで困っているような方に、何らかのヒントにもなりやすい記事かもしれない。

この記事について


さて、催眠療法で誘導をする際、当然クライアントさんのイメージを利用して誘導する。
そして深い誘導をした後、タイムラインを使ったセラピー(つまり年齢退行や前世療法、未来世療法の類)や、パーツセラピー、更にはそれらの複合手法を使う場合に、非常に際どい、セラピストが神経を使わねばならないことのひとつに、
クライアントのイメージ・記憶を引き出す際の
導出
植え付け(インプット)
誘導
の違いについて、がある。

セラピストは、何をおいても第一に、「余計なことはしてはならない」こそが仕事であるので、これらの違いや使い分けに関してははっきりと認識しておく・そしてしっかりと訓練を積んでおく必要がある。
これが未熟であったりあまり突き詰めないまま行っている催眠療法士に頼むと、これは本当にシヴィアに、下手をするとしっかりと処置すべき記憶やイメージを引き出されたまま放っておかれ(セッションを終えられ)たり、記憶を書き換えられてしまったり、出された情報がしっかりと全て”今ここ”のセラピーのための活用のされかたをされず、行き場のないまま置き去りにされたり自分の中で記憶なんだかイメージなんだかよくわからないままになってしまう、などなどということも起こり得る。

催眠療法への不安や恐怖心を煽りたいわけでは決してないのだが、しかし、特に前世療法などは興味本位で受けることの多い現代日本において、認知の必要のある側面であろうと私は思う。

特に日本では、ひと昔前、「前世療法」が一冊の翻訳本のきっかけに一気に流行りとなった時代があったのだという。(私が自分で認識可能な時代よりはもう少し前の時代のようなので、私自身はその頃の巷を体験していないのだが)
それから、催眠療法士の元に「前世を見てみたい」というような理由でセラピーセッションを受けに来る人が急増したそうな。そして、今の時代も、まだその名残が非常に色濃くあるようだ。
しかし、催眠療法においては、あくまでその人の”今ここ”の問題(症状や問題や自己実現なども含むが、何にせよ”今のこの人生”)に対するセラピーのために例えば「退行」例えば「前世」というような手段(ツール)を使うというものであるため、もしも催眠療法士で「前世を見てみたい」と言うだけでぽんと引き受けるセラピストは、気を付けるべき価値(可能性)があると私は警告する。特にこの記事におけるセラピストに必須の認識は、突き詰めて認識できていない可能性が高い。
そのようなセラピストに催眠療法を行ってもらうと、あなた(クライアント)自身が危険である。今の問題が自覚の上であろうとなかろうと、特に前世療法は、本当に「催眠術」としての域を脱していない催眠療法士にかかると、下手をすると今の自分の人生ですらない、自分がとても受け止めきれないような誰かの人生(ストーリー)を背負わされ、今ここのあなたに大変な問題が背負わされることになる場合ですらある。
…例外的に、本当に卓越的にあなたの隠れた主訴を見抜いて人生脚本を見抜いて、あなたが「前世を見てみたい」と言っただけで前世療法をするセラピストもいる可能性はある。しかしその場合は、どんなに少なくとも、事前におけるカウンセリングは非常に綿密に長く行われ、更に催眠に対する説明(催眠とは何なのか、どんなものか)、そしてイメージと記憶について、あなたとしっかりと「共通認識」を築いてから行うことであろう。


さて。ただ、本日私は、前世療法について書きたいわけではなく、あくまで誘導の中での使い分けが必須の手法、そして記憶・イメージというものについてである。
また、これはあくまで「私の言葉の使い方」において書かれるものであることも、先に記しておきたい。

また、記事を書き進めていたら、内容的に非常に深く密な内容となり、あまり不特定多数の読者に開示すると無責任な部分もあるかもしれないと感じたため、この度はこの先を有料制という形で文責をとっておきたいと思う。

記憶・イメージというようなところでご自身の中で混乱が起きている人や、
記憶・イメージ・催眠療法などに興味のある人、
催眠療法や潜在意識にアプローチする心理療法を学んでおられる方、
催眠療法を学んでおられる方や催眠療法士の方で、「誘導」「導出」「植え付け(インプット)」の違いと使い分けをしっかりと知りたい方・逆に「全然違うじゃないか、何が紛らわしいのか、使い分けをどう間違えるんだ」というように感じられた方も、
有益な情報となると思います。

同時に、これらを使った、セラピーにおける上級技法、複合手法において可能となる非常に深いセラピーにおける使い分けについても、おまけとして説明します。

「記憶」「イメージ」の違い・催眠療法におけるこれらの扱い

まず、記憶とイメージというものについての違いである。
「記憶」「イメージ」全く違うものだ、と認識されている方も、どう違うのだろう…確かに曖昧だな、と感じられる方もおられるかもしれない。
ひとまず表面的な定義としては、

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