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音楽のこと

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好きな曲、ミュージシャン、ライブの話
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王

 フェス、好きなバンドが三組以上いないと行く気にならないくせに行くときは一バンド目当てのが見れたらあとはなんでもいいみたいなゆるい構えであんまやる気なくて、でも結局めしくっててもステージの方から音が聞こえてきたら楽しくなってお箸持ったまま見に行ってしまう。メリーロックパレードに行った。今日もテンフィートだけ見れたらいいや〜と思って行ったんだけど、ヤバTやっぱり楽しかったし、キュウソでは久々にでかい

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Flare(自己肯定について・2)

 まずはじめに、前回のを書いてはっきりしたことを示しておく。
 近年とみに見かけるようになった「そのままでいい」「だめでいい」「逃げてもいい」という自己肯定的言説がある。わたしはいっときはそれを受け入れていたし、外に向けて反復的に発信してもいたが、このやり方ではわたしはわたしを肯定することができないと気づいた。あの言説が切に必要な人もいるんだろうが、わたしは違う。真に受け続けていたらおそらく無限に

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サマーパーティー

 エルレの夏ライブに行きました。でっけー星がステージの上で燃えているみたいだった。エルレ好きになった頃からどうしてもライブで聴きたかったSliding doorを今回やってくれて、うれしかったし、うれしい以上にいろんなことをいっぺんに感じていて、よくわからないまま消えてしまうといやだから、その前に書き留めておく。

 歌も演奏もめちゃくちゃうまくなっていた。ライブだとわたしはふつうに聴くときよりも

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My Own Worst Enemy

 佐々木敦『ニッポンの音楽』を読んでいたら、YMOについての章で

 とあった。耳の痛い言及なんだが、けさこれについて風呂の中でぼんやり考えていて、「嫌われるのも存在を認められるということの一つの形なのか」と思いついた。

 大多数の人がそうであるようにわたしは人に嫌われたくない。嫌いな人はいるが、その相手に冷たくされたら慌てるだろう。誰かに嫌われたと思うときはなんというか「その通りです」と思う。

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エルレガーデンのワンマン

エルレガーデンのワンマン

 に行った。4/5。ゼップ自体久しぶりだったし、エルレか、しかもライブハウスかと思ったら前日からめちゃくちゃ緊張してきて、ライブに行き始めて十年以上になるがまだこんな食欲なくすくらいドキドキできんのかよって、それもおもしろかった。整番5だったし。5!?
※セトリにふれているのでネタバレを避けたいひとはみないでね

 まあ始まったら楽しいだけだった。ライブってすごい。何百回も聴いたのとおんなじ曲で、

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所感いくつか

 バンプの18祭みて思ったことの整理。バンプのことというより自分のいま抱えている問題意識がこの機に明らかになったので、そのメモ。

・NHKの音楽番組はアーティストを大切にして熱意を持ってつくってるのがわかるのでけっこう好きだが、この企画の「みんな一緒に」というベースが今回はかなり引っかかった。RADのときは普通に楽しんで見たので、バンドに対する自分の思い入れの差だろうと思う。あるいは「響きあう」

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Twisted Maple Trees(自己肯定について・1)

 自己肯定の方法を知りたいとながく思っており、他の人のやりかたを調べたりもしてみたがしっくりくるものがないので、自分で考える。好きなものやひっかかっているものから。だから徹底的に自分のために書くつもりでいる(=他人への浅ましい媚をできるだけ捨てる)。いきおい内容は偏るがしかたがない。

 したがって、重要な前提として、ここでは、自己肯定感という感覚ではなく、自己肯定という行為を問題にする。自己肯定

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エルレガーデンの新曲

 四年前(四年前!?)のQVCでのライブに行ったときよりもずっと強く「復活したなあ」という実感があった。いい曲。もっとハイテンションな曲を予想してたので落ち着いたテンポが意外だったしまたこんなに失くしたところから始めるのかよと思ったし、そこに、当然だがわたしの想像の範疇を超えたバンドの姿、喧騒を、コマみたいにすごいスピードでぶん回して振り切ろうとか、思い出のざわめきの中を手さぐりするよりも、いちめ

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快晴

快晴

 九月になってから急に肌寒くなって寝るとき毛布かけるくらいだったのに突然バカみてえに暑いなとおもったら9月9日で納得した。The smell of summerだ。ほんとに夏みたいな濃い青色の空だった。

 エルレのNo.13、細美さんがラジオで弾き語りした音源がYouTubeに上がってるので聴いている。一本のギターと低いざらついたやさしい声のNo.13。歌詞がよく聴こえる。
 強い意志をもって輝

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米津玄師のふらふら

 どのジャンルでもときどき、神が付けたのか?というくらい、人物をすべて背負っているような名前の人に出くわすが(細美武士とか、羽生結弦とか)、米津玄師もそのひとりだと思う。といいつつこれは名前の話ではないのですが。

「死神」のMVを見た。同題の落語の演目にひっかけたものというかカバーしたもので、米津氏本人が噺家のかっこうで高座にあがってあろうことか「幻師」を名乗っており、それでまったく名前負けしな

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「人間」のいみについてのメモ

 RADWIMPS「棒人間」と芥見下々「呪術廻戦」アニメについての走り書き。
 アニメ10話までのネタバレを含みます。原作を読めていないので、齟齬や不十分があったらごめんなさい。

人間とは何か ー外見と内面
人間、失格。
もはや、自分は、完全に、人間で無くなりました。(太宰治「人間失格」)

「人間とは何か」、これは永遠に尽きない問いのひとつだ。答えは簡単に出ないし、唯一のものもない。だから問い

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aurora ark観ました

aurora ark観ました

 発売日に受け取っていたけど持ち前の腰の重さでなかなか手をつけずにいたバンプのライブDVD。やっと観た。11/4の東京ドーム。
 今まで、映像作品の感想をまとまった文章にしたことはない。でも気づいたら書き出しているのは、残しておかないといけない、何か大事なものを感じたってことなんだろうから、とりあえずは書けるまま書いてゆく。

 一年前は、幸いなことに友だちがチケットを当ててくれて、しかも花道の真

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あなたも誰かに祈られている

 いま、とはなんだろう。

「今」は細かくしていけば限りなくゼロに近い。未来と過去とのはざまでしかないものだ。しかし、過去はもうないし未来はいまだない中で、「今」だけが唯一あると言えそうなものでもある。この「いま」とはいったいなんだろう?

これからバンプオブチキン「Gravity」の話をするんだけど、さしあたりこの疑問が軸になる。というのも、時間軸が判然としない曲だからだ。いちおう物語ではあるけ

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細美武士全詞集出してくれよ

 細美さんの書く歌詞が狂おしく好きでその話ばかりしてしまう。狂おしく、は誇張ではない。憧れと羨望と嫉妬と信仰に近いような恋心、ふかぶか突き刺さって身をねじ切られるようなせつなさとで、もう本当に気が狂いそうになるくらい好きで、適切な言い方が見つからないので「身投げしたい」とか「棺桶に入れてくれ」とか、ずいぶん不穏な表現になる。身投げはしないが棺桶には入れる。出会ったときから一世一代の惚れこみである。

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