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4. 農家さんとのふれあい

役場の産業観光課の方やoigieのスタッフさんに縁を繋いでいただきながら農業をされている方々とお話をさせていただく機会をいただきました。お忙しい中、お時間をとっていただきありがたい限りでした。

ふれあい農園さん

本村地域には役場の管轄施設である「ふれあい農園」があります。観光農園と貸付農園があり、施設のスタッフは作物の育成の研究や苗を育てて販売するというようなことをしている農園です。
私もきゅうりと唐辛子の種植えのお手伝いをさせていただき、苺摘みまでさせていただいてきました。

ハウスの様子
種まき
苺畑


苺も種類が多く、甘さや酸味がちがっておもしろかったです。
とても広い土地で専門の指導員の方も常駐してらっしゃるから、わからないことや育て方も教えていただけます。心強い場所だと感じました。
気候が温暖だし日陰も少ない土地だからみかんなども育てられるんじゃないかと思いましたが、指導員さんいわく柑橘類は黄色く育たないらしいです。意外でした。

農協の組合長さんの畑

本村地域から自転車で20分くらい、警視庁を過ぎ…新島高校も過ぎ…ふれあい農園さんを過ぎ…さらにその奥地に農地がまとまってある場所があり、そこに組合長さんである大沼さんの畑があります。そのまわりも放置されているような農地が見受けられて、お借りできる農地はまだまだありそうな印象です。
私の中で興味があったのは「あめりか芋」の栽培のこと。あめりか芋って珍しくて見たことなかったので実際に滞在中に自分でも農協で買って食べてみました。炊飯器で皮ごと水と一緒に炊飯して蒸かし芋で。一般的なサツマイモよりもすっきりした甘さのサツマイモって印象です。

あめりか芋
蒸したもの


大沼さんになぜあめりか芋を作ることになったのか聞いたら「あめりか芋で焼酎を作りたい」という依頼があったから芋を量産することになったとか。もともとご家族がやっていた畑を継いだらしいのですが、この依頼がなかったらこんなにあめりか芋を作ることはなかったと思うと仰ってました。ちなみに新島村では株式会社宮原さんで造られている「島自慢」の「芋」という焼酎があります。あとは無濾過の芋焼酎「無が六酎(むがむちゅう)」というお酒もあめりか芋が使われていて特産になっています。ご興味ある方はぜひ購入してみてください。


大沼さんが新島村で畑を継ぎ始めたころ、村民の方々は各々自宅で菜園を持っている家が多く「野菜を売る」ということ自体がやりづらかったらしいです。「お金とるの?」って言われちゃうこともあったとか。でも農協にいざ出荷してみたら案外買ってくれる方もいたので需要を見いだせたことで今に繋がるようです。芋以外にもらっきょう、唐辛子、玉ねぎの栽培をされていて、とても広い規模の農地を管理されていました。数年前の大きな台風のときにハウスが崩れてしまったりととても大変な思いをしたらしく、畑の周りは木や竹などの防風林になるような自然の壁を残しつつ手入れされておりました。自分が畑をもつときも風の強い地域に住むことになった際は気を付けようと思います。

あしたば農家さん

さらに島の特産の一つである「明日葉」の生産・加工をされてらっしゃる天野さんの畑と加工場も見学させていただきました。
畑はいくつか借りてらっしゃって、本村地域だけでなく若郷地域のほうの農地も見せていただけました。若郷地域のほうは区画整理をきっちりされている農地があり、利用しやすい印象でした。

ハンノキと明日葉



ハンノキを植えて程よい日陰をつくると育ちやすいようです。さらにその落ち葉が土の栄養になって…と循環。広い畑でしたが穴の空いたホースを這わせて水やりの手間を抑えたり、植えてから1年目のもの、2年目のもの…と成長度合いを分けて植えてあるので収穫もしやすそうでした。作業的には大変と仰ってましたが。天野さんも明日葉のほかに唐辛子を作ってました。さらに明日葉の生葉のほかにもフィナンシェなどのお菓子も作ってらしてて、その加工場も見させてくださいました。行ってみたらとても本格的な調理場になっていて、レストランの厨房のようでした。冷蔵庫やオーブン、作業台や器具等、、自分で買いそろえたようですがその分、都から補助金も出るとのことで相殺するとそんなに費用もかからず揃えられるとのこと。加工業をするのには生産業に慣れてからのほうが良いとのことで私が加工業をするまでにはだいぶ先の話になりそうですが、こういう補助があるのも魅力的ですね。

新島村での農業

農協を中心とする販路があることやご指導くださる先輩方がいらっしゃるということ、お借りできる農地はまだあるということがわかりました。また、新島村は砂地の性質で日影が少ないため、育てられる作物は限られそうな印象です。明日葉もまだまだ生産者になる席はありそうですし、あめりか芋などの特産を使った加工品を考えるのも面白そう。冬の風の強い季節との格闘への覚悟も必要でしょう。そして専業で暮らしていくには難しいということ。みなさん農業をするなら兼業が良いと仰ってました。ここに限らずな話かとは思いますが。
新島村ならではの生産の様子を見せていただける貴重な経験をさせていただきました。ありがとうございました。

次回は住宅のことを書いてみようかな

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