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お客さまは神様です的お客さま降臨と、サービス業の誇りについて

少し前の話ですが
9月の4連休はとても賑わいまして
定休日も返上で営業したので
スタッフみんな、ヘトヘトだったと思います。

わたしも毎日お店に入りましたが
新人の高校男子を除き
 ↑必死感アリアリの顔でした笑
みんな笑顔で働いてくれて
精神的にも肉体的にも助かりました。

当店の目指す客層

当店は95%くらいが女性客で
日中しか営業してませんが
客単価は1500円超ということで
40代以降のお客さまが多くを占めます。

一応、お子様向けのカトラリーや
椅子に乗せるクッションもご用意してますが
「おとながひと休みする場所」
というコンセプトのもと
メニューなどにお子様向けのものはありません。

お料理のボリュームも
40代女性を考慮してるので
開店して数年間は
食べログやら口コミサイトで若い方や男性に
「足りない」「コスパが悪い」などと
散々書かれてきましたが
そりゃそうだよね、と目をつぶってきました。

いろんな方がいろいろ言う中
9年半、コンセプトを貫いてきたことで
平日は特に、ターゲットに沿ったお客さまが多く
穏やかに営業できています。

ですが、こういった連休などには
いわゆる「ターゲット」以外の
いつも来ない客層もご来店されます。

連休の客層

休日となれば、ターゲット層の女性たちが
ご主人やお子様やご両親などを
連れてきてくださるので
平日とは違った客層になります。

常連のステキな奥様が
ご主人をお連れになったときなどは
奥様がいつもよりウキウキしてかわいくて
こちらも嬉しくなるほどです。

連休3日め。
突然、その嵐はやってきました。

おそらく50代後半のご夫婦と
高校生くらいの男女ふたり。

現在、コロナ禍ということで
当店の入り口には非接触検温器がありますが
テラスで食べるからマスクはしない!
と、奥様が目を吊り上げて言い張ります。
謎の威圧感に、内心ビビりまくり。

現在、当店はスタバ形式で
ご注文をレジでしていただくので
店内に入る必要があると言うと
「テラスまで注文を取りに来ればいい!」
と(店内が混雑というのに)言い放ちます。

私物のマスクを取ってきてお渡しし
再度「レジでご注文を」とお願いして
その場を去ること数分後。

ご主人がテラスのテーブルを無理に引張り
真ん中に刺してるパラソルが
グラグラ揺れて危険な状態に。
スタッフも「怖い!」と怯えます。

お客さま、やめてください!
と急いでテラスに戻り
元に戻そうとしたら

いいんだよ!
こっちによこせ!
お前は仕事しろ!!

もはや客ではない…。
内心、帰ってくれと思いつつ

店長であるわたしの仕事は
お店を守ることです。
コロナ禍で、みなさん不安な中
こうして気を使いながら
来てくださってるんですから
ご協力をお願いしますよ。

と言い残して店内に戻りました。
怒りと恐怖で、心拍数は
3倍以上に跳ね上がってましたし
テーブルを拭く手は震えてました。

ココから下は「ご主人」ではなく
「オッサン」と呼ばせていただきます。

テラス越しの窓から
ずっと私のことを見ていたオッサン。
窓の方を見るたび、目があいます。
少し冷静になったわたしは店主として
しっかり見つめ返して差し上げます。

しばらくするとオッサンが立ち上がり
車から?マスクを取ってきて着用し
おもむろに店内に入って
物販コーナーの無農薬ジンジャーエールを購入。

会計を済ませ、去り際に小声で

うちの会社じゃ
そんなフェイスシールド使ってないな。
もっと大きなやつだ。(ふふん)

オッサンは、まさかシールドの大きさで
マウントとってきたのでしょうか。
orz…ってやつです。

帰る時にはその娘息子たちが
「ごちそうさまでしたっっ!!
と子供のヤケクソみたいな大声を
店内に向かって轟かせていました。

あんな親だと子どもがかわいそう
と思っていましたが
もう既に遅かったようです。

ほんと、もう来ないで欲しい。

なぜそんなに不機嫌なのか
ご事情は存じ上げませんが
お店は、お客さまを選ぶ権利があります。

あまりにもひどい場合にどう対応すべきか
ルールを決めておく必要があると思い
後日、いわゆる迷惑客に対して
やっておくべきことと
やってはいけないことを
ネットで調べておきました。

余談ですが、長年の常連さんの中には
近所のおじいちゃんもいらっしゃいます。
ちょっと口は悪いけど愛があり
スタッフみんな大好きです。

オッサンだから駄目ではなく
今回は事故としか言えない案件でした。

飲食業のメンタルケア

何年も前ですが
アメリカで精神疾患になってしまう職業
第一位は飲食業だと聞きました。

まだ客層が安定していない頃だったので
「ホントそうだよね」と
疲弊していたわたしは大きく共感。
でも、客層が落ち着いてからは
ホールでお客さまとお話することが
基本的に楽しくてたまりませんし
年齢を重ねて図太くなったので無敵です(笑)

嵐の家族が来た、その夜。
夫を誘って、気分転換にカフェへ行きました。

案内してくれたのは
そのカフェで初めてみた若い男性スタッフ。
とても爽やかで初々しい様子に
心が温かくなり、穏やかになり
どんどん楽しい気分になっていきます。

イチジクのタルトに
ホワイトチョコのジェラートを
盛り合わせてもらって有頂天♡

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うれしくて幸せで
ありがとうございます!連発。
この先の夢なんぞ語りまくり
30分強で充電完了し、帰宅しました。

サービス業は誇り高くあれ

今回、お店の仕事で傷ついた心を
別のお店のスタッフが癒やしてくれました。
ほんと、びっくりするほど急激に
上機嫌になっちゃいました。

当店でも言われたことがありますが

お店に来る時は気持ちが沈んでいたのに
帰る時には笑顔になっちゃった

ってこと、ありますよね。
そう考えると、サービス業って
素晴らしいお仕事だなと思うんです。
人類を救っているお仕事だと思うんです。

アルバイトの多い業種ですが
もっともっと誇りをもってほしいし
「どうせバイトだ」と腐ったりせず
より良いサービスを目指し
お客さまの笑顔をたくさん頂いて
やり甲斐を感じて欲しいです。
これは直接お客さまと接するからこそ
ダイレクトに得られる幸せです。

翌日は連休最終日。
たくさんのお客さまに全力を尽くし
笑顔もたくさんいただけて
前日の苦い気持ちは全て吹き飛びました!

悔しさや悲しみに耐えながら
微妙な笑顔をしているスタッフでは
なんだか空気の悪いお店になっちゃいます。
そんなお店で、心を癒したいですか。

怒りでいっぱいのひとに
憎まれながら頭を下げられて
本当にうれしく思いますか。

無理やりサービスをさせて
「得をした」と思って食べてる料理に
「コノヤロウ」という気持ちが
いっぱい降り掛かっていたとしたら
それは本当にお得なのでしょうか。

ひとの念、ナメちゃいかんです。

だから、サービス業を下に見て
嫌なことの八つ当たりするとか
そんなことをしてたらいつになっても
幸せになんてなれませんよ。

嫌なことがあったのなら相談に乗ります!
お客さまが少ないとき限定ですが(笑)

わたしはこれからも変わらず
お客様はもちろん
生産者も、お店で働くひとも
みんなが笑顔になれるお店を目指します。

今後とも、どうぞよろしくです。

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