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行って損しない★テクノライブを楽しむ11の方法(小型ハコ編)

こんにちは、テクノ/エレクトロニカ・プロデューサーのIHARAです。
最近ちまたでは、ライブハウス以外のライブのスタイルが増えて来たようです。
ライブバーという飲食メインでお気軽に演奏も聴けるというもの、
スタジオライブという出演者側がDIYで作り上げるもの。
ちなみに、ライブを行う空間を「ハコ」と言いますが、比較的小型のハコで電子音楽・テクノのライブやDJを楽しむというものもかなり多くなっています。
私もかつては、バンドやソロでライブハウスにもっぱら出演していましたが、2年ほど前から縁あっていわゆる小型のハコでの「テクノライブ」をよく観るようになり、ほぼ同時に出演もするようになりました。
いざ関わってみると、小規模ながらもより深く音楽の楽しみに入っていけるテクノライブというものに、とても快感を覚えるようになりました。
ちなみに一部では、「テクノ→クラブ→酒飲んで大音量の中で騒ぐ!→ナンパ・薬・治安悪」というようなイメージがありますが、そんなことは全くありません(少なくとも自分が観てきたライブは)
今回は、そんなテクノライブ未経験者に送る「 テクノライブを 楽しむ11の方法」を紹介します。


~もくじ~

1. 出演者を(少し)予習する
2. 疲れない靴を履いて行く
3. 無理のないプランを立てる
4. あえて友人を誘わず1人でお気軽参加する
5. 再入場可か確認しておく
6. 予想外の発見を楽しむ
7. 空きスペースを利用し、演奏ブースに接近してみる
8. しばし様子見したら、マイペースに過ごす
9. 心をオープンにし、未知のジャンルの音楽に浸ってみる
10. 実は耳にやさしい音響を堪能する
11. 初回は価値のあるチャレンジという意識で行く


1. 出演者を少し予習する

ライブイベントの告知ページに行くと、出演者のサイトURLや試聴リンクが載っています。
もし知り合いや既に知っているアーティストが出るイベントであっても、共演者がどんな音楽なのか、チラッとでも知っておくと全く心構えが変わります。
「何の気なしに試し聴きしたら実は好みだった!」とか、「5組中3組は好みの音だった、観てみようかな」など、なんとなくイベントの全体像を描いておくことが出来ます。
他の項目でも触れますが、これによるメリットは沢山あります。

2. 疲れない靴を履いて行く

結構大事かもです。
小規模のハコでのライブは特に、おしゃれよりは動きやすさが重要。
あと、ハコによっても違うのですが、イスがたくさんあるか少ししかないか、行ってみないとわからない場合があります。
また、「実はすごく楽しくて、思わず動いてしまった、ノッて踊ってしまったー」という時もやはり動きやすい靴の方が全然良いです。
私も、行ってみたら楽しくて、全く予想してなかったがほぼスポーツ並みに動いた、という時もあります。
もちろん、立って淡々と観るのも全然ありです。動かないで観る人も結構多いです。

3. 無理のないプランを立てる

イベントによっても様々なのですが、テクノやエレクトロニカ、あるいはDJイベントなどの場合、出演者が多い傾向があります。
それに伴い、イベント自体の時間が長時間にわたることが結構多いです。
もちろん、やる気満々で最初から最後まで楽しむのもとても良いのですが、特に初めて参加されるという場合などは、無理に全部観るのはなかなかハードルが高いかもしれません。
ここで生かされるのが、1で挙げた「予習→イメージを持っておく」ことです。
もちろん自分のお目当てのアーティストの出演時間に合わせて行って、それだけ観て帰る、というのもOKですが、せっかくチケット代払って見に来ているのだから、それだけの付加価値は味わっていきたいものです。
<例えばのプラン>
出演者6組。お目当ては4番目、試聴したら3番目、6番目が少し気になった。
→3番目の始まる少し前に入店。続けてお目当て4番目も鑑賞。
 5番目の人の時は、初めの部分を聞いて良ければそのまま聞く。ちょっと疲れたなと思ったらトイレに行く・ドリンクをもらう・再入場可なら外の空気を吸う、などする。
 そして6番目を観て、もし疲れたら途中で帰る。
というような、なんとなくの流れをイメージしてライブに参加、ということをお勧めします。

4. あえて友人を誘わず1人でお気軽参加する

とかく初めて行く場所は不安が付きまとうもの。
ましてや「テクノライブのハコなんて、行って疎外感感じたらどうしよう!」と思う人もいるかもしれません。
たしかに、同じように「行ってみたい」とか「興味がある」というようなお知り合いがいたら一緒に行くのが楽しいでしょう。
ただ、「一緒に行く友達がいないから、行くのはハードルが高い」と思ってしまうのはとてももったいないです。
私がいくつかテクノライブを観てきて感じたこととしては、
「こういうライブはより一人の個人的な深い楽しみの時間になる」ということです。
というのも、バンドのライブなどは、演奏している人を目で見てそこから受ける印象も大きな要素ではあるのですが、
一方、テクノのライブは、より瞑想に近いというか、すごく音楽や映像などから受ける、パーソナルな現象・経験、「トリップする」という言葉もありますが、本当に音楽によってランナーズハイのような状態になりやすい環境になれると思いました。
結局そういう経験は、仲間と一緒に盛り上がった、というのとは別で、個々人で深く感じられる貴重な経験なのではないかと思いました。

5. 再入場可か確認しておく

再入場というのは、一度ハコを出て再度お店に入る、ということです。
これも大事なポイントです。
行ったことのないハコに行く場合はいろいろわからないことが多いのですが、「途中でお腹が空いた」とか「少しだけ外の空気を吸いたい」というようなことは往々にしてあるものです。
3の「無理のないプラン」とも深くかかわることですが、ある程度長時間楽しむのであれば、
一旦外に出て空気を吸ったり、近くで腰掛けたり、
喫煙者であれば外で一服したり(禁煙のハコもかなり多いです)、
ということが出来るかどうかは、イベントやライブを楽しむうえで大きな要素です。
あまり露骨に出入りを頻繁にしたり、出演者に見え見えになるような出入りをするのはマナー違反にもなりますが、
そうでなければ、せっかくお金を払って観に来ているのですから、再入場可のハコであれば、自分のペースで楽しめるのは大きなメリットだと思います。

6. 予想外の発見を楽しむ

どんな体験であれ、発見はあるものです。
小型のハコでのテクノのイベントでは、ライブハウスほどの広さはないものの、
適度な音量、アットホームさ、高品位な音質、比較的演奏中でも会話が出来る、演奏ブースに近づける、などの新鮮さを感じるかもしれません。
また、私自身よくあることとしては、
知っているアーティストではない、初めて観るアーティストですごく自分にとってぴったりくる音を鳴らしている人がいると、
「うわ、これ予想してない発見だ!」と、喜びもひとしおになることがしばしばあります。
そこから「目当てのアーティスト以外の出演者こそ真の楽しみ〜意外な収穫が最も達成感あり」という意識がしっかりと出来ました。
新しい発見が出来るのは、ホントに幸せなことだと思います。

7. 空きスペースをみつけ、演奏ブースに接近してみる

とかく観てる人は最初は様子見も兼ねて、後方で立っていることが多いです。
ただしばらくすると、どこに人が溜まっていてどこが空いてるなど様子がわかってきます。
まあよくあるのは、後ろの右端とか左端の目立たないところで鑑賞するパターンなのですが、結構前の方に空きスペースがあったりするものです。
混んでいるようでも、ちょうど演奏の切れ目の時に空くタイミングがあります。そこを狙って、演奏ブースに近づいてみるというのも大いにおススメです。
もちろん個人の好き好きなのでマイペースで構わないと思うのですが、
テクノ系のライブで前の方のスペースで観ると、演者が手元で何をやっているか、というのが手に取るようにわかって、とても興味深い経験が出来ます。
特に自分でもそういう音楽をやってみたいとか好奇心旺盛な人は、是非この前方空きスペースにささっと身を移して、演者に近い所で観察するという体験をおすすめします。
おそらくまったく未体験の光景を楽しめるはずです。

8. しばし様子見したら、マイペースに過ごす

初めて訪れる場所、しかも、テクノ系のイベントも初めて。
そんな状況だと、「自分だけ部外者なんじゃないか?」「自分みたいなものが行ってもいいの?」「いづらくなったらどうしよう。。」などと心配するかもしれません。
でも、だいたいそういう心配は取り越し苦労に終わります。
なぜなら、毎度その回のイベントごとで、結構初めてのお客さんがいらっしゃるからです。
みな初めてやってきて、慣れないながらも時間とともに場の雰囲気に馴染み、知らない間に初対面の人と楽しく感想を話し合ったりしていたりするものです。
あと、冒頭にも書きましたが、「酒飲んで大音量の中で騒ぐ→ナンパ・薬・治安悪」というような実態は、このようなテクノイベントでは、まず見たことがありません。
ハコではだいたい飲み物を販売していますが、イベントによっては自主的におやつを各々で持ち寄ったり、臨時で食販をしていることもあります。
そんな感じで、食べ物の周りに集まって物色しているうちに、知らない者どうしいつの間にか会話していた、ということもよくあります。
そんな感じで、気軽に知り合って音楽を聴きながら食べたり飲んだりして楽しむ、という場になります。是非、マイペースにくつろいでみてください。

9. 心をオープンにし、未知のジャンルの音楽に浸ってみる

「いやー色々教えてくれてもさ、所詮テクノなんて馴染みないからわからないよー」
と言われる方もいらっしゃるでしょう。 
最近の音楽シーンはとてもジャンルが細分化され、それぞれの音楽の中で深掘りする機会が多いように感じます。
一方で、かつてに比べ、違うジャンルの音楽に親しむ機会がひょっとしたら少なくなっているのかもしれません。
ラジオで音楽を聴いていたら、いろんなタイプの曲が聞けますが、インターネットで興味のある音楽を自分で探して聴くようになると、同じジャンルの関連は広まるものの、全く遠い世界の音楽については、耳にする機会が徐々に減っているように思います。
私の個人的な見解ですが、いろんなジャンルの音楽を横断的に(異なる分野を超えて)聴いていると、自分自身の様々な心理状態に合わせ、それに適した音楽を聴くことで癒される度合いが高くなるように感じます。
自分自身で演奏するのはテクノやロックであっても、ジャズやヒーリング、クラシックなども全く違う耳(頭?)に切り替えて聴くことは、発見がたくさんあり、より深い経験を味わえるような気がします。
さらにそれだけでなく、横断的に物事を追求することで、新たなものが生まれるきっかけにもなります。
「テクノ法要」なんていうものもあるようで、本当にまだまだ知らない面白い興味深いことがあるのだなと、感心してしまいます。
「予想外の発見を楽しむ」にも共通しますが、新しい世界に触れられた喜びは、そうそう他のことには変えられません!

10. 実は耳にやさしい音響を堪能する

これは特に、ライブハウスと比べて、ということです。
あなたはライブハウスに行ったことがあるでしょうか?
確かに場所によっても千差万別ではありますが、ドラムが含まれるバンド演奏をライブハウスで聴いたりすると、終わった後しばらく耳鳴りが止まない、という経験をしたことがあるかもしれません。
あれが、好きで「耳鳴りするくらいがいいんだよねー」という人にはそれでいいのでしょうが、免疫がないとなかなか慣れないと思います。
その点、テクノのライブは、かなり音響に細かな神経を使っています。
というのは、バンドや生楽器の演奏と違って、テクノのライブというのは
「音質を聴かせる」
という要素が強くあるからです。
確かにテクノライブは、生演奏のようなダイナミズムはないかもしれませんが、生演奏を超えた表現力が存在することは確かです!
それは人間の頭の想像力のチャレンジでもあります。
そしてそれを表現するためには、「より良い音質」で聴いてもらうということがとても重要なのです。
体に振動がくるような重低音は、そのテクノの特徴をとてもよく表していると思います。
ですが、全てこれは、人間が感じる「心地良さ」への貢献なのです。
つまり、
「音がうるさくて耳鳴りがする」
というものとは、ある意味対極をなすのです。
大きすぎない音量で、かつ心地良さと迫力を感じてもらう、
そんなテクノのライブの音響は、実は耳に、そして人間に心地良さを与えるものなのです。

11. 初回は価値のあるチャレンジという意識で行く

結局のところ、物事を楽しめるかどうかは、経験による所が多いと思います。
誰でも最初は未経験の世界に、初めての一歩を踏み出す訳です。(そんなに大げさなことでもないか。笑)
1度経験してイメージが出来たことに再度触れるときは、いろんな心の準備が出来、余裕がかなり生まれます。
このことにより、最初は緊張して楽しめなかったことでも、2回目からぐっと楽しくなることはとても多いものです。
・・・別に「嫌いだったものを我慢して再度挑戦しろ」というつもりは全くありませんが(笑)、ここで言いたいことは何かというと、
「最初はチャレンジだから気楽に行ってみよう」
という気持ちを持つと、それだけで色々楽しく見えてくるのではないかなということです。

私は「食わず嫌い」というのが、本当に勿体無いなと、常日頃思っていまして、
特に最近は、自分の理解出来ないものへのバッシング、ということを目にする機会がとても増えて、悲しく思います。
もちろん自分自身も同じことをやっているのかもしれませんが、心構えからでも、「知らないことへチャレンジ」することを忘れないで行こうと思います。

(じっくり見てみて、「やっぱり好きじゃないや」と思うことは結構なことだと思いますし、好き嫌いあっても当然です。)

ぜひいくつになっても、新しい世界を見る心を持って、より楽しい体験をしてもらいたいです。
その一歩として、テクノライブ、おすすめします(笑)。

最後までありがとうございました。
テクノ/エレクトロニカ・プロデューサーのIHARAでした。

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