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#1:感受性が低いひとへ

「いつも重い内容の本を読んでて、疲れない?」


言われて初めて知ったが、人にはマインドに余裕があるときでないと読めない本や映画があるらしい。聞いてみると『重い内容』とは『気分が落ちる』という意味で、悲しく辛い物語だったり、主人公が激しい葛藤に身を裂かれるような物語を摂取すると『自分の身が削られる』ように感じられて、心に余裕があるときでないとあとに引きずってしまって読めない、ということのようだった。

…だそうだ、みたいな言い方をするとマイノリティ扱いしているみたいだけど、もしかしたら大多数がそうなのかも。本当にわからない。



僕も、全くその気持ちが分からないわけではない。確かに僕も悲しい物語で涙するし、主人公の激しい葛藤や自己嫌悪に自分を重ねたりする。

しかしそうであっても読後に気分が落ち込んだりはしなかったので、精神的な調子を意識してこなかった。



ときどき『負の感情』という言葉を見かける。

実は僕は、二十代前半までその意味を捉えることができなかった。特に本や映画、音楽、アートでそういった説明や感想を目にすると、腑に落ちない、とは言わないまでもよく理解できないためにスルーしてしまっていた。僕にとってそれは、正でも負でも等しく情報の子であって、情報が引き出せるものであればそれは『良いもの』だったし、その意味で正も負も変わらない、と感じとっていた気がする。


今も大きな意味でその気質は変わっていないと感じるけれど、今はそういった『気分』の存在を低くみてはいない。そういった要素はあるし、その価値も必ずあって、むしろ自分のアンテナはそれをうまく感じ取れないようにできているようだから意識してカバーしなきゃいけないなと思っている。



とはいえ「それでは、これまで様々なコンテンツを癒しや息抜きの目的なしに摂取してきたのか」というとそうではないだろう。バラエティ番組だって好きで観る。とてもバカバカしいコントや恋愛リアリティーショーを観たりするとき、おそらく一次は『息抜き』で触れている。

しかし、頭の器官のどこかが、せっかく作り込まれたコンテンツを息抜きに過ごしたと思うと損した気持ちになるので、その構造や背景から自分なりの役立つ情報や社会の在りようを考える種を引き出さずにいられないだけだ。



書き出してみると面倒くさい性格だ。

こういった人間は『老害』になる可能性が高いように思う。




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