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アイヌヘイトシンポジウムに見た日本会議の”本性”―スタンディング抗議レポート

皆さんこんにちは、烏丸百九です。
本noteは、先月から行っている日本会議のアイヌヘイトシンポジウム改めて問う!アイヌはなぜ先住民族にこだわるのか!?への抗議活動の続きで、一応の「完結編」となります。

先んじてYouTube配信で報告したのですが、メール抗議に関して、札幌法務局から以下のようなお返事が届きました。

烏丸 百九 様
 烏丸様のメールを拝見させていただきました。
 今般、北海道立道民活動センターで開催予定のシンポジウムについて、御意見及び御要望を頂いたところ、当局では、アイヌの人々に対する偏見や差別の解消を目指して、引き続き、啓発活動等を行って参りますので、今後とも、お気付きの点などがございましたら、御意見・御要望をお寄せいただきますよう、お願い申し上げます。
札幌法務局人権擁護部

札幌法務局から届いたメール本文

……要するに、法務局としては「何もしません」と宣言したということで、流石は法務省からの圧力に屈した札幌法務局という感じですが、私の力不足で結果的に差別シンポジウム中止を成し遂げられず、ご協力を頂いた皆様には真に申し訳ありませんでした。

それゆえ、シンポジウム当日である3月10日は、CRAC NORTHさんの呼びかけに賛同して、会場である「北海道立道民活動センターかでる2・7」入り口前でのスタンディング抗議活動を行ってきました。

最初に断っておきますが、私はスタンディングの主催者の方や、カウンターの方々とは友人/知人等の関係にはない一個人であり、以下のレポはスタンディングの模様を主観的に見たものに過ぎないということに留意してください。

本当は動画や写真などの証拠が撮影できればよかったのですが、いろいろな意味でそれどころではない状況であったため、同じく抗議活動に参加されていた方の動画等を適宜引用したく思います。日本会議の関係者と思われる人物の動画が多数出てきますので、閲覧にはくれぐれもご注意ください。


日本会議から多数の嫌がらせ行為勃発―スタンディング抗議レポ

覚悟していたことではあったのですが、日本有数の極右団体である日本会議との直接対決ということで、抗議者に暴言、罵詈雑言、嘲笑などを浴びせるリアルネトウヨが次々と現れ、実際に暴力を振るわれるカウンターの方が出てしまうという事態になりました。

スタンディングの内容は、参加者が「かでる」の前に立ち、それぞれ「アイヌ差別に反対!」などのメッセージを書いたプラカードや横断幕を掲げるといういたって穏便なもので、トラメガは用意されていたものの、状況的な問題もあり、声出しの抗議行動などは一切行われませんでした。
しかしながら、以下に示すように、日本会議のシンパ/もしくは関係者と思われる人々が、次々とこちらに絡んでくるという事態になりました。抗議の性質上仕方ないことですが、立ち位置が「かでる」の入り口近くであったことも一因かと思います。

以下では、直接的な行動に出てきた人物や、印象に残った人物を列挙していきます。
わかりやすい傾向としては、絡んできたのは全員が(たぶん)シス男性で、40代から60代と思われる壮年(に見える)であったという点。日本会議の多様性のなさと、この世代特有の反動保守的傾向を強く感じてしまいました。
年配の男性や女性とおぼしき参加者も見受けられましたが、彼らは比較的おとなしく、抗議者を見かけると、そそくさとその場から立ち去るなどの行動を取る人が多かったです。
なお、A~Dは絡んできた順番によりますが、私の記憶が少し曖昧なため、描写的に前後している部分があるかもしれません。あしからずご了承ください。

A―「キック男」

私達は道路を背にし、「かでる」入り口の方を向いてスタンディング活動を行いました。

そのため、タクシーを道路につけ、私たちの立っている間を通って「かでる」に入場する人がスタンディング中には何人か見られました。Aはそのうちの1人でした。
車を降りてすぐに「邪魔だ!」と大声で怒鳴り、ノシノシと建物入口に向かったのですが、その際カウンターの方の1人から、Aに対する軽い抗議の言葉があり、それに激昂したAは、カウンターの方と口論になりました。参加者のhikkaさんが撮影していた動画がこちらです。

カウンターの方へ執拗に絡む中、反論の言葉に更に激怒し、なんと蹴りを入れるという直接的な暴力行為に出ました。

動画を見てわかる通り、警察はAの行動を制止し、入口に誘導することで事態を収束させたものの、Aが暴行の現行犯であるにも関わらず、事情聴取や即時連行などの行動は一切しませんでした。
流石はヤジポイ警察と言うべき所でしょうが、この他にも警察側は、明らかに日本会議側が暴力的/差別的な態度で私たちを揶揄・侮辱していたにもかかわらず、基本的に事態を放置しており、積極的な介入は行いませんでした。

B―「インネン男」

「旭川から来た」と名乗るBは、カウンター参加者の女性を目にすると、突如として女性に接近し、長々と因縁を付けるという行動に出ました。
どうやらカウンターの女性と過去に面識があるらしく、詳しい内容は聞こえずよくわからなかったのですが、昔二人の間で何かしらの因縁があったというようなことを、大きな声でネチネチと言い続けていました。

Bにそのつもりがあったかは定かでないですが、事実上スタンディングに対する妨害行為になっており、私的な理由で長時間参加者の警戒を集めたため、非常に迷惑でした。

Twitter上の情報によると、大日本愛国党北海道支部にBと見られる男性がいるらしく、事実であればマジモンの街宣極右であったことになります。

C―「ハンディカム男」

ハンディカムカメラを持った中高年男性で、建物入口から現れると、嘲笑的な言葉を吐きながら、カウンターの人たちを撮影するなどしていました。

しかし、今回のスタンディングを取材に来ていた「ヤジと民主主義」監督でもあるHBCの山﨑裕侍さんが、その様子を撮影していることを知るや激昂し、カメラクルーと監督に対して執拗に因縁を付けるという行動に出ました。

Cは「HBCは偏向した報道局だ!」「HBC株主総会でお前をクビにするように訴えてやる!」などと脅迫的な文言を吐き、一触即発の状態でしたが、しばらくすると飽きたのか、建物の中に戻っていきました。

あからさまにマスメディアの関係者である山﨑監督に因縁をつけているにも関わらず、例によって警察は介入しませんでした。後に知った情報によると、この人物も元在特会という経歴を持つ極右であるようです。

HBCニュースが後に報道した動画は以下となります。

D―「ブーメラン男」

Twitterの情報によると、Dは元「在日特権を許さない市民の会」のメンバーであった、現役極右活動家の人物です。

スタンディングに対して指をさして嘲笑するなどの行動に出ていましたが、一旦建物の中に引っ込んだ後、知人(パートナー?)とおぼしき女性を連れて現れ、「差別でメシを喰うな」というプラカードを掲げた抗議者を見て爆笑し、「ブーメランだ!!」と嘲笑するという行動に出ました。

私は一瞬、Dが何を言っているのかわからなかったのですが、どうも私達抗議者が左翼団体からお金をもらって活動をしていると考えていたようです。それなら仕事を辞めて左翼活動に専念しても良いんですが……(笑)。右翼の皆さんは儲かってて楽しそうですね。

その後また建物内に戻ったか思うと、なんとパネリストである小野寺まさる本人と思しき人物を引き連れて現れ、抗議メッセージを再び嘲笑するという行為に出ました。
小野寺は短く笑って反応し、またすぐさま建物の中に引っ込んでいきましたが、元在特会のメンバーである人物と小野寺まさるが知古の関係であるという、(解っていたとはいえ)なかなか衝撃的なワンシーンだったと思います。

X&Y―「警備員コンビ」

XとY(イメージ画像

積極的に絡んできたわけではないのですが、「警備」という腕章を巻いて、建物の入口の近くに立ち、こちらを監視するような素振りをし続けていた2人組の人物です。
Xは終始酩酊したような不気味な言動が特徴の初老の男性で、Yは維新系の右翼議員を思わせるスマートな出で立ちのスーツを着込み、胸にブルーリボンバッジを身につけた中年男性でした。

何かしらのトラブルを起こす人物が現れると、警察がXの前に連れて行き、Xがなだめ、Yが何事か挨拶をしてその場を収めるという場面が何度か見られました。
二人とも一見物腰柔らかなので、最初はカウンター側の人物かと思っていたのですが、同意なく人の顔を勝手に撮影したり、こちらが因縁をつけられているときにもヘラヘラしているなどの行動で、日本会議側の人間だとわかりました。

Twitter上の情報によると、なんと2人は元在特会→日本第一党という経歴を持つ極右活動家で、現在は組織を離れ、いわゆる草の根保守として独自の活動を行っているそうです。
つまり日本会議は、単に元在特会のメンバー(D)がシンポジウムに参加していただけにとどまらず、同様の経歴を持つ極右の人物を正式に警備員として雇っていたということになります。

極右に乗っ取られてしまった私の街―一連の抗議を振り返って

12時半より始まった抗議行動は、13時15分頃に終了しました。私は基本部外者という立場かつ、日本会議のリアルネトウヨ軍団にビビっていたこともあり、とっとと退散しました。典型的ネット弁慶で申し訳ございません……。

始終日本会議側の嫌がらせ行為があったことによって、スタンディング側としてはアイヌ差別反対のメッセージがうまく伝わらなかったのではないかという危惧もありましたが、「かでる」の利用者と思しき少年3人組が、特にDの「ブーメラン」発言に対してあからさまにドン引きし、悪口を言いながらその場を立ち去るという一幕もあり、関係者以外の札幌市民に対してはむしろ、日本会議の強烈に暴力的な本性を見せつけることができたという意味で有意義だったのではないかと思います。

自分で行ったメールアクションに対して成果を出すことができず、やむにやまれぬ思いで参加したスタンディングでしたが、控えめに言っても反社会的な暴力集団としか言いようのない、東京を拠点とする極右団体に、道民の財産である公共機関が独占的に利用されているという事実に改めてショックを受けました。

保守的な見解だと言わるかもしれませんが、極右であろうと極左であろうと関係なく、暴力/暴言/差別扇動などを積極的に行う人々は反社会的な存在であり、公共の施設などを利用する資格はないと思います。
しかし、今回北海道と「かでる」の運営者は、こうした暴力的行為を止めるどころか、5年前のシンポジウムと同じく、彼らの活動を公的に認め、公共の道路で好き勝手に嫌がらせをさせ、建物の独占的使用を許すという事態を招いてしまいました。

かでる2・7の外観。(カルチャーナイト公式より)

「かでる」が極右過激派集団に利用されてしまったこと自体、札幌市民として非常に恥ずかしく、屈辱的な気持ちになりました。

北海道当局には、これほどあからさまに暴力的な集団に施設を利用させたことが正しかったのか否か、彼らの主張の差別性とはまた別の次元の問題として、今一度考え直してみてほしいと思います。

日本会議の暴力を恐れずスタンディングに参加した皆様は、本当にお疲れ様でした。

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