双極と不眠と休息を考える~寝なくても休める~

1、双極と不眠

 【コントロール不能な人々】【不眠と躁転リスク】

2、不眠を治すことは正義か

 【不眠を治すことを諦める】【第2の選択肢】

3、休息に対する既存イメージを破壊せよ

 【休息のハードルを下げよ】【体の休息】【脳の休息】

4、おわりに

 【休むことは世界で一番重要なこと【日本中を覆う呪い】【コントロール不能な人々へ】



1、双極と不眠

【コントロール不能な人々】私を含めて、双極性障害の人々は自分自身のコントロールに苦しんでいる。いわばコントロール不能状態に陥っている。そのような人々がどのようにすれば自分をコントロールできるのか、当事者の一人として考えてみる。

【不眠と躁転リスク】双極の人々が悩まされる事のひとつ不眠がある。事実、かなりの数の人が不眠に悩まされている。さらに問題となるのは不眠によって躁状態になるリスクが大きく上昇してしまうことだ。私は躁状態になるリスクを躁転リスクと呼んでいる。不眠は躁転リスクがとても大きい行為であり、これだけで躁転してしまうだけの破壊力がある。

2、不眠を治すことは正義か

【不眠を治すことを諦める】先ほども述べたが不眠に悩まされる人は多い。そしてそのような人が真っ先に考えることは不眠を治そうとすることだ。しかし、簡単に治るものではない。簡単に治るならば、そんなに苦労はしないだろう。そこで治すという考え方を止めることを私は提案する。

【第2の選択肢】では不眠を治さずにどうすればよいのか?それは"睡眠"以外で休息を確保するという事だ。もちろん寝ることが休息として効果が高いのは言うまでもない。しかし、それ以外でも休息を取ることが可能だ。不眠の人々は不眠を直す努力をするよりも、睡眠以外で休息をとる方法を考えた方が効果が高いと考える。いわば休息の第2の選択肢だ。

3、休息に対する既存イメージを破壊せよ

【休息のハードルを下げよ】双極の人や多動の人にとって休息すること、休みことは難しいと思うかもしれない。しかしこれは考え方の問題である。休息するには睡眠をとらなくてはいけない、という一般常識をぶち壊すことだ。無理に休息のハードルを上げる必要はない。極論、休めさえすればいよいのだ。寝なくても休める方法はある。寝なくてはいけない、という『ねばならない』思考を止めよう。それだけでも心が楽になるはずだ。

【体の休息】では具体的にどのようにすればよいか。まずオススメしたいのが眠れなくても布団の上で横になることだ。決して立ち歩いてはいけない。ただネットをしていても良い、テレビを見ていても良い。もちろん理想はそのまま静かに目をつぶっていることだが、そうしなくてもよい。退屈かもしれないがひたすら横になる。少なくても1日6時間は行おう。頭は休めなくても体だけは休息を取れる確実な手段だ。

【脳の休息】次に提案したいのがスマホゲームである。横になることは体の回復には有効であるが、脳の回復には有効とはいえない。そこで単純なスマホゲームをする事でそれに脳を集中させ、それ以外の思考回路を止めるという技だ。どのようなゲームでも良いが、単純でゲームに集中する必要があるものが良い。(個人的にオススメなのが音ゲー。拘束時間が短く、集中しなくてはクリアできない。)双極の人は頭の中で色々考えてしまい、アイデアだけが無限に湧き続けることがある。このような状態にゲームは非常に有効である。単純なことに熱中することで強制的に脳をシャットダウンさせてしまおう。

4、おわりに

【休むことは世界で一番重要なこと】最後になるが、一番大事なことを伝えたい。それは休むことは生きる上で、全てのものより、世界で一番重要なことであるということだ。近年、食の重要性は良く叫ばれるがそれに対して、休息の重要性が叫ばれることはあまり聞かない。イメージしてみよう。仕事が終わらずに上司から言われる言葉を。…ご飯を食べずに仕事をしろとは言われないが、寝る時間を削って仕事をしろとは言われる絵が容易に想像できはしないか。実際にどちらが多いかを聞いているわけではない。想像が出来てしまったならば、あなたの中で休むことが食べることよりも軽く見られているのだ。その考え方があなたを苦しめている。休めなくさせている。

【日本中を覆う呪い】考え方を変えてみよう。休むことを軽視している世間の風潮、それが呪いのように日本中を覆っている。その呪縛から解き放たれたとき、あなたは本当の休息を手に入れることが出来るだろう。そして、睡眠だけが休息の全てではないことも忘れてはいけない。

【コントロール不能な人々へ】今まで不眠に対する考え方や休息に対する考え方について述べてきた。いうまでもないが、心身ともに疲れ果てた状態で、ボロボロな状態で自分をコントロールすることは不可能だ。逆に言えば十分な休息を取ることが自分をコントロールすることに繋がる。さあ、横になろう。音ゲーをしよう。自分のコントローラーを自分の手に。取り戻していこうじゃないか。

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