私と自殺衝動との戦い

はじめまして、あやぺんです。私は現在無職のアラサーで抑うつ状態の治療のために自宅療養をしています。退職するまで約10年間医療従事者として働いていました。

自殺衝動との戦い

今月、内服9ヶ月目にしてラツーダの副作用が色々と勃発した結果、アクチベーションシンドロームが起こったのか自殺衝動に襲われた。

アクチベーションシンドロームとは

「賦活症候群(activation syndrome)はSSRIの使用により自殺などの衝動行為の危険性が増したり、攻撃性が増強する症例が報告されるようになり、これらの薬剤の添付文書にも注意事項として記載されるようになった。今までもSSRIに限らず抗うつ薬の使用後に気分の高揚、不眠、活動性亢進、不安焦燥、攻撃性や衝動性の亢進などが見られることがあり、抗うつ薬の副作用の一つとして知られている」

主治医は「アクチベーションシンドロームかな?」と半信半疑で「稀」「薬の添付書には治験で一件でもあったことは注意事項として載る」と言いましたが、私は自分に起こったのはラツーダのアクチベーションシンドロームによる自殺衝動だと思っている。

あくまで私の経験でシングルケースですが、精神疾患で薬物治療を行っている方で希死念慮や自殺願望がある方は危険だと思ったので参考事例として役に立つことがあるかも、と思い投稿する。

【自殺衝動との戦闘内容】

まず前提として、私は一度自殺未遂している。(振り返るとおそらくこれもラツーダによるアクチベーションシンドローム)

その時、強く生きたいと思った。

今月、段々と倦怠感が増して散歩、家事、趣味などが出来なくなる。鍼のおかげか体は軽いのだが動く気になれない。下痢をするようになる。

そしてある日、アカシジアが出現。

「アカシジア(akathisia)とは、錐体外路症状(EPS)による静座不能の症状のことを言う。 ドーパミンD2受容体拮抗作用を持っている抗精神病薬による副作用として出現することがある」

とにかくソワソワして足踏みしてしまって眠れない。ずっと使っていなかったレンドルミンを頓服したら眠れた。

次の日から立ちくらみとめまいに襲われるようになる。

翌日診察だったので主治医に相談。

アカシジア止めとしてリボトリールを処方される。

内科に行き、立ちくらみと目眩について相談。起立性低血圧と言われる。

下痢、起立性低血圧、めまい、アカシジアがラツーダの副作用ではないかと疑う。また、アカシジア防止のためにリボトリールを飲むということに抵抗があった。

副作用が減るかもしれないと、ラツーダを半錠にしようかと考える。

そして戦いが始まる
翌日、起きた瞬間から強い目眩がして「辛い、苦しい、しんどい、消えたい」という思考が浮かぶ。

すると電車に飛び込む自分、ベランダから飛び降りる自分、首を吊る自分などのイメージが頭に流れ込んでくる。

恐怖。

ぬいぐるみを抱きしめ「私は死にたくない!生きたい!」と泣き叫んだ。親はもう出勤して一人ぼっち。

内側から「死ね」「死ぬべき」という衝動が襲ってくる。

必死に死にたくない理由を叫び、泣き、ぬいぐるみを強く抱きしめ、親にメールをしてSNSにも死にたくないのにおかしい、というような投稿をした。

仏壇前に座り込み、助けてと何度も喚いた。

処方されている頓服薬を飲み、ベットの上でぬいぐるみを抱きしめ、死にたくない、死ぬべきではない、治る、必ず良くなる日が来ると自分に言い聞かせながら泣き喚く。
しかし、脳内物質なのか病気の魔の手なのか、死んだら楽になれるという衝動が波のように襲ってくる。生きたい理由を羅列しても「死ぬべき」という衝動が込み上げてくる。私は泣き続けた。

衝動は1時間もすれば弱まり、行動を起こさなくて済むという知識を得ていたので、いのちの電話に電話することも考えた。
ネットの掲示板にも書き込んだ。

すると、母からメールの返信があった。

「今ちょうど休憩、帰るまで耐えられる?」

即座に「必死に耐える」と返信。
声を出して大泣きしながら、死にたくない理由を呪文のように唱え、辛い、苦しい、消えたいけど死にたくない、病気のせいで死にたい衝動に襲われているだけ、耐える、耐えられるなど思いつくままに叫び続ける。

(マンションに住んでいるけど、隣人に聴こえていたら通報されていたのでは…)

誰か助けて、と思ってスマホを確認すると掲示板にも書き込んだコメントに励ましの返信。それを見て、ますます「乗り越える」「負けない」とぬいぐるみを抱きしめた。

泣き喚いていたが体がソワソワし、ついにはベッドから出てしまった。体が動いてしまう。ベランダへ向かおうとしている。死にたくないのにおかしい。

飛び降りてしまおう、とベッドから降りて足が動いてが仏壇前で必死に止まった。亡き祖父母に「耐えたいから助けて」とすがるように告げ、お線香をあげ、深呼吸を繰り返し、座り込んで泣き続けた。
ベッドに戻り、丸まり、再びぬいぐるみを抱きしめて頭に思い浮かぶ自殺方法を否定し、後遺症を思い出し、何度も何度も「死ぬな」と言い聞かせる。

すると、着信音が鳴った。

「もしもし? 大丈夫?」

叔母だった。

「お母さんからお菓子が届いてお礼のメールをしたら、あやぺんが辛そうで心配って聞いて返事がきたの。何かあったの?」

この世に神様なんていないし、祖父母に縋っても何も起こらないと思っていたけれど、この言葉を聞いた時に祖父母が守ってくれたんだと思った。
叔母は闘病中だということを知っていますが、元気がないくらいの認識(多分)。
迷いましたが「死にたくないのに死にたいという衝動に襲われて飛び降りたりしそうで怖くて耐えてた」と素直に泣きついた。

そこから1時間くらい話をした。

「また顔を見たいから、一緒に美味しいものを食べたいから生きて」

自分の言葉よりも何百倍も効果のある台詞。

叔母とは1時間くらい話をしました。最後は雑談。

頓服薬が効いてきたのか嵐は無事に過ぎ去り、ただ悲しくて泣くだけになった。

親が仕事から帰ってくるまで泣き続けていた。

翌日もそれはやってきた。

翌日の日記より抜粋「辛い、悲しい、苦しい、治りたいと泣き喚いた。死にたいけど死にたくない。ベランダに出たけど死にたくないと泣いただけ。とにかく皆が大好きだから死にたくない。板挟みで苦しい」

この日はSNSを見た友人が電話をくれた。

3日目の日記より抜粋「16時頃死にたくないのに死ぬべきと言う気がして怖くてわんわん泣いた。アロマ塗ってもらって抱きしめてもらった。泣き喚いてはいないけどその後メソメソ泣いたり落ち着いたり」

この日、母が有給を取ってずっと寄り添っていてくれた。

4日目はラツーダが恐ろしくて半分量にした影響、離脱症状が出現。動悸で苦しんでいたので自殺衝動はなかった。

日記より抜粋「動悸が辛いが断薬ブログ見ながら我慢」

離脱症状との戦いは別の記事を投稿予定。

5日目

酷い動悸がするが5時50分から朝散歩開始。ゆっくり散歩、軽いストレッチ。
疲れたなあ、と走っている車に突撃したくなり恐ろしくなる。
6時半に帰宅。食欲不振で全く食べられないことを心配した親が買ってくれたメイバランス飲む。食欲がなく食事が苦痛。飲み込みたくない感覚。味覚は問題ない。
動悸がするのでヒーリング音楽をかけ、アイマスクをし、アロマを焚いてジッと横になっていた。
昼頃、横になっていたら死ぬ方法ばかり頭に浮かびお母に助けを求める。何度か少し泣いたが怖いだけで衝動なし。

日記のり抜粋「薬のせいだ。脳みそが暴走している。絶対負けない」

心配しつつも母が出掛けた。

その後3時間程平気だったが衝動性勃発。座っていられなくてウロチョロし、ソファに乗って床に飛んで飛び降りの練習、ベランダの柵に登るなどの行動を起こし「非常に危険だ」「嫌だ」と泣き喚き始めた。
頓服薬を飲んだが即効性はない。死にたくないのに飛び降りたら最悪、と私は紐を持ち出して自分の足を縛りつけた。

床をゴロゴロ転がりながら泣いた。

誰か人が見ていたら完全に頭がおかしい人で精神病院に入院させられていただろう。

落ち着いたな、と思った頃に紐を外したが1時間程すると再度ソワソワが勃発。

頭がイカれた、と思って器で頭を床や殴った。

気がついたら包丁を握っていた。

恐ろしくて包丁を振り払いながら喚き散らした。

「死ぬか!」

「死ぬイメージ消えろ!」

「薬に殺されるか!」

「嫌な感情切れろ!」

やはり誰かが見ていたら精神病院入院させられていただろう状態。

母が帰宅すると抱きついて何があったか説明。母、絶句。

そりゃあそうだ。

落ち着いてきていたな、と思った娘が留守中に包丁を振り回していたとは、想像出来ない。

ちなみに包丁振り回し事件には後日談がある。私はスピリチュアルなことは苦手で好きではないのだが、母の勧めで守護石のブレスレットをしている。そして通っている鍼の主治医が少しスピリチュアルな方だ。

鍼の主治医はカウンセリングのようなこともしてもらっているので自殺衝動や包丁事件の報告をしたら「それは……凄いですね。何かを包丁で断ち切ったんですよ。あやぺんさんは霊とか見えないしあまり信じてないって言ってたけど生存本能?」と言われた。

その話をしたからか母が「なんとなくゾワゾワするのよ」」と言うので守護石を作ってくれたお店に行ったのだが「守護石に悪い気が大量に吸われててもう使い物にならない。何かありました?」と言われた。

ありましたとも。

霊とか守護石に守られたとか少し信じた。

偶然母にメールをした叔母からナイスタイミングで電話があったのもある。

亡き祖父母と叔父が私に「生きろ」と言ってくれたと思う。

とにかく、死にたくないのに死のうとしたり、興奮、錯乱するなんて絶対おかしい。


ネットで色々調べた結果、うつ病や双極性障害にそのような症状はないのと、抗うつ剤にはアクチベーションシンドロームがあるという記述が散見されたので「ラツーダのせい」と結論付けて減薬を止めて断薬を決行した。(これにより自殺衝動は終わったが離脱症状に苦しむことになる。別記事に書く予定)

ネットにあふれる自殺防止方法は「アクチベーションシンドローム」には対応していない。

私がもし「支えてくれる親がいるから死にたくない。強く生きたい」や「友人達が見守ってくれていて辛い時すぐ連絡をくれるから強く生きたい」や「いつかかならずうつから抜け出せて元気になるから生きたい」と思っていなくて「辛くて消えたくて死んでしまいたい」と思っていたら……ゾッ。

他の人はどうか分からないが、このように自殺衝動は死にたいから出る訳でもない。

そういうネット記事、見たことある?

少なくとも私はない。

減薬に伴う離脱症状で似たような自殺衝動があったと書いている方はいた。

自分で探しにいかないとそのような記載は中々見つけられない。

うつ病の人は症状に苦しんでいるし、生活苦に陥っていたりして生への希望を失っていることが多い。

死にたいと思っている人にこの衝動性が襲ってきたら……ゾッ。


闘病中の方は日頃から死にたい理由を探さないようにして欲しい。

自殺方法を検索してしまうなら、必ず後遺症について調べて死ぬことに対する恐怖を感じておいて欲しい。

「人は息を吸っているだけで、それだけで価値がある」


息をしていればインフラの世話になり、病院の世話になり、それがその人達の給与となる。消費税も払い、社会貢献している。ネットで漫画を読めば漫画家の収入になっている。人は一人で生きていない。見えないところで巡っている。屁理屈で良い。

こういう記事を書くと「稀なケースを持ち出して必要な薬物治療に対する恐怖を煽るな!」と言われそうですが、稀なケースでも死んでたら闇の中。

うつ病で辛くて死んでしまった、で終わってしまう。

違う! 死にたくなかったんだ!っていう人も絶対にいた。

そう思うと悲しくてならなくて、こうして注意喚起をしようと思った。


わたしの闘病経過は薬物治療によって振り回されて死ぬ(薬に殺される)寸前まで追い詰められた。闘病生活を振り返ると精神症状が悪化してるし。

今後、薬物治療はしない。

多分私は薬に弱いタイプの人間だ。

少ない量で副作用が出たり、離脱症状が出たり、薬の効果とあまりなかったり。

果たして薬物治療なしで社会復帰出来るほど元気になるのか、再発しないのか、それは恐ろしくて不安でならないが薬に殺されるよりは良い。

頭痛薬を頓服で飲むことすら今は怖い。

(運動療法、読書療法、イメージ療法、栄養療法、まだ飲んでないけど漢方、鍼、整体、腸活、ヨガ、ストレッチ、カウンセリング、認知行動療法、行動活性療法、アロマなどなど調べていますが、これは良いよって治療法があれば誰か教えて下さい。スピリチュアル系はしません。参考にします)

しかし、精神科医や精神医療に恨みはない。彼らは薬は良いと信じているのだろう。医療従事者でありながら深く考えずに危険な薬を飲んでしまったことに後悔もない。

だって他に選択肢がなかった。

抑うつ状態、うつ病になったら病院に行って適切な薬物治療を受けてっていう話ばかりだ。

避けようがなかった。むしろ死ぬ前に気がつくことが出来て良かった。



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