夏の夕方が好きだ。
小さな頃の事を思い出す時、私の脳裏に浮かぶのは、母の漕ぐ自転車の後ろに乗りながら夕方の坂道をぐんぐんと進んでいくところだったり、日が落ちかけてくるまで汗だくになりながら公園で遊んだ、そんな記憶だったりする。
それはすごく日常的な、ごくありふれた場面で。
だけれど、たまにわざと記憶を引っ張りだして。
もしかしたら忘れたくないのかも。
そんな事を思いながら、今年も夏が終わる。
ささやかなと幸せの記憶と夏の夕方独特の少しのさみしさ。
夏の夕方が好きだ。
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