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読書感想文「50歳になりまして」を読んで

本について


この本に帯をつけるなら

年齢にとらわれずありのまま生きる光浦さんの姿に勇気をもらう


感想

この本を私が手に取ろうと思ったのは、作家の西加奈子さんがNHKのあさイチに出演された時のこんな言葉をがきっかけ。


このエピソードをみて「留学先で人気者ってすごいな….」とビックリしてしまいました。そして、光浦さんがどんな生活を送っているのかを知りたくて、色々探した中で見つけたのがこの本。


実際、この本は光浦さんがカナダに留学する直前までの日常を描いたエッセイです。
2020年、留学を決意し、家を引き払ったり仕事を断ったり、準備を進めていた光浦さん。しかし、無常にもコロナ禍が始まり、仕事なし・家なしの生活がスタートするところから物語は始まります。


私も光浦さんと同じく2020年に留学を考えていました。コロナが始まり出国できないとなったあの期間。焦りと不安とどうしようもなさでいっぱいになる日々を過ごした身からすると、この文章のスタートは、当時の光浦さんの心情を想像するだけでも、胸がキュッとなります。実際にエッセイの中でも、その当時は「心の置き場所をなくした」と書かれています。



ただ、マイナスな感情に支配されてしまいそうな状況なのにも関わらず、光浦さんはそこまで悲観しません。妹さんのお家に転がり込んで、日常を着々を過ごしいく。その日常の様がとてもありのままで、かっこいい。


タイトル「50歳になりまして」にもある通り、光浦さんはその当時50歳。年齢で何か言うのはダメですが、ただ一般的に、年齢を重ねていけば行くほど、新しいチャレンジは大変になってきます。


しかし、光浦さんは、ひょいっと何の気なしにやっちゃうんです。人生で初めて髪の毛を染めたり、矯正を始めたり、そして何より留学に行こうとしたり。やっちゃえ!と気張って決断するというより、「やってみました」的な形でするする新しいことを取り組めちゃうところが素晴らしいなと。そして、そのかろやかさを文章から感じ、「私もこんな50歳になりたいな…」と強く思いました。


ちょうどこの本を読んだ後、あちこちオードリーに光浦さんが、相方の大久保さんと一緒に出演されていました。番組の中でも、素直でかつかろやかな光浦さんの魅力が爆発していて、最高でした…!(見てない方はぜひ!)



もちろん、生放送に大遅刻をかましてしまったり、小さいころが気になりすぎてぐるぐるしたり、大好きな手芸に「きゃーーー!」となったり、クスクス笑えるところもたくさんあります。でも、そういう勇気をひとさじ持っている人って、私にはとても眩しくて、少し泣けるんです。笑ったり泣いたり、感情が揺さぶらて「ああ、いい本を読んでるな」としみじみと思いました。



文章自体は口語体で、とても読みやすく、いろんなエピソードが盛り込まれているので、エッセイ初めてという方にもすごくおすすめ!
私はこの本を読んで、自分の人生のロールモデルに、新たに「光浦さん」を追加しました。気張らずに、いろんなチャレンジをできる大人になっていきたいな、と思います。


またカナダでの日々も、エッセイにしてもらえたら絶対に買います!


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