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障害者雇用の面接結果待ちの心境1

Twitterで鬼ツイしてTLを埋めてしまうので(すみません)
生きづらい人生を日記に綴ることにします。

先週の金曜日に障害者雇用の面接をしたが未だ採用結果の通知が届かない。
“専業主婦”といった防御力の強い肩書きを振り翳した実質ニートの私にとって1日は光陰矢の如しで気付けば夫は仕事を終え帰宅し、知らぬ間に夕方となっているというのに、採用結果が届くまでの1日は私だけ時空のズレが生じているようで、あまりにも長く感じる。1日に何度も玄関のポストの中を確認するがそこに“親展”と赤く書き記されたダイニングメッセージは届いていない。
不採用の三文字を頭に思い浮かべながら、ポストの隙間から流れ込む冷気を感じ身震いする。

この障害者雇用の求人は正直第一志望であるのだが、私の精神障害者手帳の等級が1級であることから書類通過の望みは薄いと感じていた。そのため書類選考で落ちた場合の精神的喪失感を軽減させるための保険として「受かんなくてもいいし受かれば頑張りたいくらいのスタンスで応募してみる」と応募当初の私はほざいていた。
何故書類選考を通過出来たのか猜疑心を抱いたが、高鳴る鼓動も感じていた。

面接は四年ぶりであり、当たり前に緊張していた。面接会場へ向かう車の中で呪文を唱えるかのように予想される質問に対しての回答を発し続けた。
面接会場へ着くとやはり緊張感が一層高まった。車から降り、指定された控え室まで足を運ばせる。控え室はエレベーターで上がった三階の部屋だ。エレベーターが現在ある位置は三階を示していたので、おそらく他の応募者がもう既に控え室にて待機しているのだろうと想像できた。深呼吸して三階のボタンを押す。すると三階から一階まで降りてくるまでの間に私と同じリクルートスーツ姿の女性が真後ろに立っていた。
私はその女性よりも先に扉の中へ入り、得意げにエレベーターの“ひらく”ボタンを押し続け、どうぞと中へ誘導した。分かりきっていたが「もしかして(あなたも)三階で(面接で)すか?」と聞く。「はいそうです。ありがとうございます」と彼女は私の問いに対して被せるように答えた。三階に着いて私は再度得意げに“ひらく”ボタンを押し続け、先に降りるよう誘導した。彼女はぺこぺことお辞儀をし、私の前から一刻も早く去りたいのだろうか足早にエレベーターから降り控え室へ向かう。

控え室に着くとやはり予想していた通り、同じリクルートスーツの女性が先に1人で待機していた。私とエレベーターを共にした女性は小走りに入室し、さっきまであんな狭い空間の中で近くに居たというのに私との距離は一瞬で広がっていった。その後に続いて私は入室した。

「勝ったな」

私はそう確信した。
私以外の2人の女性のうちの1人は髪を括っているというのに後毛がボサボサであるし、もう1人はスーツの黒さも相まって肩に落ちた無数のフケを確認できた。
遠くから目を細めて見てもどうにも冴えない容姿をしており、お世辞にも可愛いとは言えそうにもなかったのだ。
私は安堵した。急に先程までの緊張感から解放されたからか僅かに頭痛を感じたが、そんな症状なんて気にならないくらい私の気持ちは余裕で満ちていた。

私の受験番号は書類通過通知の用紙に“三番”と記載されていたので、応募者が三人であるということから面接の順番は三番目に回ってくるだろうと安易に考えていた。

面接が始まる時間になり、一番目の人が担当者から呼ばれる。控え室から去っていく姿を見て、やはり私の順番は三番目なのだなと確証を得た。

しかし二番目に私の名前が呼ばれたのだ。安心しきっていた私は机の上に蓋が空いたままのペットボトルに入った飲みかけのお茶を置いており、スマートフォンで“大谷翔平 妻 誰なのか”と、今この瞬間で知る必要性を一切感じられない検索をかけていた所であった。完全に油断していた。無駄に遠くへ飛ばしたペットボトルの蓋を急いで手繰り寄せ、スマートフォンの電源を切ろうと試みるが動揺して操作を誤り、スクリーンショットの音が静寂な控え室の中で高らかに鳴り響いた。
担当者を待たせた時間はおそらくものの数秒間であったのだろうが、私には数分間の出来事のように感じ、血の気が引いていくのを感じた。面接を行う部屋の前まで担当者が案内をしてくれるのだが、歩いている私の足には感覚が感じられず、地面から足が浮いているのではないかと錯覚し、気が動転した。
ガラス張りのドアの向こうに男性の面接官が三人いるのが見えた。末端冷え症によるつま先の痛みを感じ、現実を受け止める。




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