見出し画像

ジャパキン騒動

最愛のロックンロールバンド、THE BOHEMIANSのファーストアルバム「I WAS JAPANESE KINKS」は2010年5月12日にacid rainというインディーレーベルからバンドとしては初の全国流通盤として発売された。



通称「ジャパキン」
ロックンロールバンドのファーストアルバムにしか放つことが出来ないありとあらゆる輝きに満ちている。なんなら「ぼくたちはぼくたちの輝きで何にも見えなくなっているだけなのだ」と歌う曲が収録されている。眩しい、眩しすぎる。

当時の録音環境や技術の面から、音質や商品としての完成度を問われたら勿論至らない部分はあるが、その至らなさも含めて私個人は名盤だと思っている。ボヘミアンズのアルバムベストスリーを挙げてと言われたら私は必ず入れる。




2015年11月、そんな名盤に、来春廃盤、という話が持ち上がった。ほぼほぼ決定事項の告知だった。



これが俗に言う「ジャパキン騒動」の始まりである。嘘です。私がそう呼んでいるだけです。

ファンとしては勿論反対。当時SNSで大層嘆き悲しみました。

そして、私はジャパキンを買った。SNSでこの事実と悲しみを喧伝し、更に買った。廃盤には断固反対だからである。


ちょっと待った。
廃盤に反対だから買った、とは?



今なら私も(少し)そう思う。だから読んでいる方がこんな風に疑問を抱くのではないかと思う。
なぜなら、商品や企業の理念、活動などに対し断固反対!許せない!賛同できない!といった購買者は、通常ならばボイコットを行うものである。不買運動だ。
逆に、商品や企業の理念、活動に対し賛同し推進したいと思う購買者がとる行動はバイコット。ボイコットにちなんで呼ばれるそれは、とにかく商品を買う活動である。

あれ?つまり真逆の行動をしたのでは?ということになるのである。



では当時の私の考えはどんなものだったのか。


「嫌だ!今後新しいファンがこの名盤を手にすることが出来ないなんて悪夢だ!廃盤になるくらいなら買い占めてやる!僅かでもいいから利益を生んでやる!在庫切らしてやる!だから流通を継続してくれ!」


これである。
何を言っているのか分からないかもしれないが「在庫切らしてやる!」と「だから流通を継続してくれ!」の間には、この2つを繋ぐ、言葉にならず目にも見えないBIG LOVEが存在する。まだ何を言っているのか分からない方はごめんなさい、一旦スルーしていただき読み進めてください。

とはいえ色んな人の手に渡って欲しいので買い占めに対する後ろめたさがあり、そして買い占められる程の金銭的余裕と保管スペースは全くない。

更に、私だけが騒いで悲しんで行動を起こすのは恥ずかしいし寂しいし何より悪目立ちをしたくなかった。外聞が怖い。世間の目が怖い。誰にも迷惑をかけたくない。後ろ指さされたくない。変な奴だと思われたくない。

とりあえず在庫なくなってしまえ!と、じわじわ「追いジャパキン(追加でジャパキンを買うこと)」をしつつ、どこの誰が見るともしれないSNSで宣伝文句を打ちまくった。

私の行動との関連は別として、同じように買ってくれたファンもいたし、検索すると廃盤告知を受けて買った方がちらほらいたようだった。後者の方の購入理由は「買えなくなってしまうから」だったけれども。


過言を承知で述べるが、新譜ですか?発売週ですか?というほどよく売れた。
実際、一部のオンラインショップでは売り切れて補充待ちの表示がされるようになっていた。


果たしてこの売り上げに効果があったのかは分からないし、今も知りたいとも思わない。


翌年3月「I WAS JAPANESE KINKS」の販売継続が決まった。
悲しむ声が多かったので、と諸々調整してくださり、廃盤を免れることになったのだ。


更に2017年はサブスクでの配信が開始(いわゆる#ジャパキン聴き放題というやつですね)、2018年には一部楽曲がカラオケで歌えるようになり(いわば#ジャパキン歌い放題というやつです)、ジャパキンは今に至るまで鳴り止むことなくその音を響かせ、バンドストーリーに輝きを与え続けている。






ジャパキンの発売記念日にジャパキンの話がしたかっただけの記事です!!!!
私は満足だ!!!!


ここで私が歌詞の引用以外の内容を一切語らなかったために「結局どんなアルバムなんよ?」とジャパキンの中身が気になった方は是非各種ストリーミングサービスもしくはCD通販サイトで
”THE BOHEMIANS“や“ザ・ボヘミアンズ”
もしくは”アイワズジャパニーズキンクス“
または英語入力が苦ではない方は英語表記でもよいので検索して聴いてみてください。

楽曲の解説や感想を書かないのは、ただ私の知識不足を披露することになるのと、私というフィルターを通さずに聴いていただくほうがよかろうな、という判断によるものです。

ひとつだけ言えることがあるとしたら、聴いたり見たりして色々気付く方がいるかもしれないんですがそれはパクリじゃなくてオマージュとして受け取ってもらえたらいいな、ということだけです。

以上です。

読んでいただきありがとうございました。


ジャパキン発売14周年おめでとうございます!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?