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半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語55

「有り金はたいてほんとによかった」


ここはワイキキの中心街、有名なお店が並んでいます。
多くの観光客が行き来する中、
ガイドブックとスマホを片手に娘たちがあっちだとかこっちだとか言いながら
お目当てのカフェを探します。
「あ、ここじゃない?」
「あ、そうだね」
たどり着いたおしゃれなカフェ
ところが、入り口は階段の上です。
段数は6~7段ぐらいあります。
「階段だねぇ」
「どうしようか」
「ちょっと、聞いてくる」
娘が階段を上がってお店の中へ
すぐに出てきて、階段の横に回ると
「あった、ママこっち」
行ってみると、ちゃんと車椅子マークで、リフトが用意されていました。
さすがです。
大きなショッピングセンターはもちろんですが、
このように車いすでどこへ行っても何も不自由を感じませんでした。
タクシーなどの乗り降りも、お願いすれば運転手さんが気持ちよく助けてくださいました。

ホールフーズマーケットはオーガニックの大きなスーパーマーケットです。
入り口にはおいしそうなフルーツが山盛りに並び、野菜もお肉もお土産物もたくさんあります。
目移りしてあれもこれも欲しくなります。
ホテルのお部屋に広い素敵なキッチンがあるので、食材を買い込みました。

夜、屋上にあるプールから花火がみられるとスタッフに教えていただき
みんなで行ってみました。
車椅子でプールサイドまで入れないことも多いので心配でしたが
やっぱり大丈夫でした。
専用の通路とリフトが用意されていて、何の問題もなくプールサイドへ
プールはそのころはまだ目新しいインフィニティプールで
まるで夜空に浮かんでいるようでとても幻想的です。
はしゃぐ娘たちと、夜空に広がる花火、ビーチチェアーの母と私、夢のような時間です。
ふと見ると、プールの一角にリフトのようなものがありました。
なんだろうと思ってスタッフに尋ねたら
なんと、プールに入るためのリフトだそうです
「え、すごい」
初めて見ました
「これなら、私もプールに入れる」
これでも昔はちょっとだけ泳げました。
水の中は浮力で体が軽くなり、立つこともできるのです。
残念ながら水着を持って行かなかったので体験できませんでしたが
次回は絶対プールに入ってみたいと思いました

ショッピングセンターのフードコートでガーリックシュリンプをほおばり
タクシーでマラサダを買いに行ったり
ホテルのお部屋から大きな虹も見えました
楽しい、夢のような時は瞬く間に過ぎ
忘れられないハワイの思い出は私の宝物になりました。

あの時、有り金はたいてほんとによかったと思っています。
数年後にはコロナが猛威を振るい、とてもハワイ旅行など出来なくなってしまったのですから。

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