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卒業式

 桜の花が咲き誇る1日。卒業式を迎える。同級生に後輩に先生にお別れを告げる。「離れるのが寂しい」「卒業しても貴方のことは忘れないから」「今まで大変お世話になりました」それぞれに口にする。幾重にも涙を流しながら。
 入学式を迎えた頃は何もかもが「初めまして」で誰もが初心者。教室に入るだけで新鮮な木材の匂いが充満。心の中では学校生活への大いなる期待と少しばかりの不安が同居。ポケットの中のお守りをギュッと握りしめた。「学校生活が上手くいきますように」「友人が1人でも多くできますように」
 入学式から沢山の月日が過ぎ去った。ある日。LINEでの誤解が原因で友人を傷つけ傷ついた。怒りで「あんたなんか大嫌い」吐き捨てた。また、ある日。中庭で初めての恋愛を覚え告白。「好きです。付き合ってください」あっけなくフラれた。そのどれもが忘れられない忘れたくない宝もの。溢れんばかりの宝ものを胸に抱いてこの学び舎から一人で孤独に旅立つ。

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