イヤホンについて

引き篭り始めた当初は気楽だった、
自分の好きな見聞を搾取できたのだから。
だが同居していた巨漢の兄のせいて
生活がそれはそれは乱れること

兄が不定期に部屋の前のリビングに
出入りして話し声笑い声はうるさいわ
足音ドアの開閉音はやかましいわ
トイレは長居するわで相当な
ストレスだった。

いつ兄が起きて部屋を出て居るのか
わからないので錯乱したある日
ストレスで部屋の前の妹のデスクを
ペンで闇雲に落書きしてしまった。

そんなストレスをせめて寝る間は
どう凌げばいいのか？
考えた私は当時あった電子辞書に
YOUTUBEの｢雨の音｣の動画音声を入れて
それを繰り返すようにして凌ぐことにした。

だがやはり出入りが不定期なので
部屋に居る間はずっとその音を
流し続けるようになり
それでイヤホンを四六時中掛けている
状態になってしまった。

ここまでは今までの記事に書いてきたが
それからこの話に繋がる

2017年２月のある日、
水鍋だったかを食べて横になり
いつものように｢雨の音｣を
流していたところ突然吐き気に襲われた。
動悸、手汗、焦燥感。
色んな苦しみが私を突如として襲った

何とか奮闘して吐くことはなかったが
それ以来少食になってしまい
ただでさえ170センチ後半ある私の
平均以下だった体重は一時期60キロ
以下になるまで落ちてしまった。

逆流性食道炎を疑ったが違うようで
孤独な戦いを強いられた。
この時はたばこと酒、そしてイヤホンを
三大依存として私の中では捉えていた。

これはあくまでも私の体感だが
イヤホンをすると胃腸の調子が悪くなる。
難聴にはならなかったがむしろ
些細な物音にすら過敏になって
神経質な性格になるのかもしれない。

そしてさっき気づいたのが
｢疲労感｣が一般のそれより強い気がした。
外してみると鼓膜に直に空気が入るのか
まるで耳も鼻のようなのかと驚いた。

イヤホンを装着していると重りを
掛けられていてすぐにでも寝たくなるような感じで頭もうまく働かない。
イヤーマフ単体だと意外とマシになるので
どうやら直に鼓膜を防ぐ何かがあると
脳の疲労が一直線に増えるらしい。

あのあまりにも人権を無視された
旧居住地からは脱し最近は薬の
お陰か聴覚過敏も前よりは
和らいできた気がするが
やはりあの状況は笑えなかった。

睡眠とプライベートを剥奪された
環境で聴覚まで奪われるとなると
死んだら楽になる、いっそのこと
難聴になれたらどんなに楽かとさえ
思っていたのは紛れもない真実だ。

この｢パターン｣は｢淘汰｣
されるべきなのだろうか？
ちなみに今危険だと思う三大依存は
たばこ、お酒、そしてカフェインだ。