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Z03)交通整理:SNSでの誹謗中傷・脅迫等における相談・通報先

インターネット環境での相談や通報先として、総務省や警察庁などの行政機関が、外部委託も含めて様々な窓口やセンターを設けています。
ここでは「SNS上での誹謗中傷(名誉棄損等)や脅迫」に絞って、窓口やセンターを整理します。困っているどなたかのお役に立てば幸いです。
ご留意を!法律に関する学位も経験もない素人が調べたまとめ記事です!


0.はじめに

行政が提供する窓口を適切に理解し、我々自身が頼る先を正しく認識し、あわせて行政機関のリソースを適切に活用する目的で調べたものです。
以降、2つのグループに分けて交通整理をします。
1. 誹謗中傷、人権侵害に関する相談先・・・被害者ご本人の行動が必要
2. 脅迫に関する通報先・・・匿名通報が可能


1.誹謗中傷、人権侵害に関する相談先

1-1.違法・有害情報相談センター(総務省委託事業)

◆「相談受付について」のページ内に「相談者自身で行う削除の対応方法等をご案内しています。」とあるので、相談主体は『被害に遭われたご本人』のようです。

1-2.法務省インターネット人権相談受付窓口

◆トップページに「あなたの悩みごとや困りごとについて、ひとりで悩まず、気軽に相談してください。」とあるので、やはり相談主体は『被害に遭われたご本人』のようです。

1-3.誹謗中傷ホットライン(セーファーインターネット協会)

警察庁や厚生労働省のホームページで紹介されている一般社団法人。

◆FAQの中に「誹謗中傷の連絡はご本人からお願いいたします。ご本人が児童の場合は保護者の方や学校関係者からも受け付けます。」とあります。やはり『被害に遭われたご本人』です。

1-4.いずれにしても本人対応が必要なもよう

素人なりに、誹謗中傷には大きく3種類の対応があると理解しています。
①投稿等の電子掲示物の削除(被害者の相談窓口あり↑↑)
②損害賠償等の民事訴訟(被害者側からの提訴が必要)
③名誉毀損罪や侮辱罪等の刑事訴訟(被害者側からの告訴が必要)
現行法制上、取り得る誹謗中傷の停止措置や名誉回復手段はいずれも、ご本人の対応が必要なようです。(大変すぎる)


2.脅迫に関する通報先

2-1.警察庁 IHC:Internet Hotline Center

IHCでは、通報対象の情報を6個のカテゴリに分けて提示されています。そのうち、重要犯罪密接関連情報というカテゴリの中に「脅迫」とあります。

IHC 重要犯罪密接関連情報

また、FAQには「通報は匿名で行うことが可能です。」とあります。

IHC よくある質問(FAQ)

脅迫罪は被害者による告訴が不要のため、匿名でも通報が可能なものと想定します。なお、その他の対象事案も見てみると、IHCはさながら『インターネットの交番・110番』とも言えそうです。
【注意点】
重要だと考え、警察庁のサイトに記載されている注意事項を。

警察庁HP インターネット上の違法情報・有害情報対策より

緊急対応が必要な事案は110番通報を、のほか、誹謗中傷に関する窓口もご案内されていますね。
最後に、検挙事例のページと統計のページをご参考まで。

検挙事例:https://www.internethotline.jp/arrest

統計:https://www.internethotline.jp/statistics


3.おわりに

窓口がたくさんありますが、誹謗中傷は被害者ご自身の行動が必要。それでもなお、被害者を支援する方法としては、証拠保全などが考えらるかと。
一方で、脅迫行為は匿名で通報可能なんですね。(自戒も込め留意していきたいです)
なお、それぞれのページに、FAQやガイドラインなどの資料も掲載されていますので、窓口を利用される方は、必ずご自身でそれらの情報をご確認ください。


4.参考情報等

2024年2月20日 自由民主党の緊急提言

誹謗中傷に対して、何個も窓口があり ”どこに相談するのが最適?” と悩みそうですが、以下に参照する自民党の緊急提言の中で体制整備にも触れられているので一部を抜粋し共有します。

◆ネット上の誹謗中傷等に対応するための緊急提言
https://www.jimin.jp/news/policy/207653.html

◆緊急提言本文
https://storage2.jimin.jp/pdf/news/policy/207653_1.pdf

(前略) どの窓口から相談したとしても十分な救済が行われる実質的な「窓口の一本化」体制を整備することを前提に、(後略)

自由民主党 情報通信戦略調査会
「ネット上の誹謗中傷等に対応するための緊急提言」2024年2月20日

<以下、個人的な感想>
窓口一本化のほか、導入部で「一般にSNS上の誹謗中傷に対して認められる損害賠償額が僅少であり、被害者の救済や加害者の抑止の点から大きな課題ではないかとの指摘もある。」と課題提起されつつ、本論では「諸外国における動向も注視し、(中略)不断の見直しを検討すること。」に留まっておられるので、今後にも注目です。
個人的には、ネットの瞬発的な拡散力と集中力をもとに、継続的なリンチ状態とも見受けられる事象の存在も鑑みて、
・被害側の訴訟負担等の軽減
・加害側が出版や配信で得た不当収益の加味

など、ネット空間という新たな社会に適合した法制に関する議論や提言も、期待していきたいと考えています。(もちろん自民党に限らず)

自治体等の窓口(2024/03/28追記)

各自治体でもサポート窓口を用意しているようです。
例として、東京都の取り組みをご紹介します。

法務省と似て、人権侵害という幅広いスコープですが、LINEで相談できるそうです。受付開始日は「令和5年10月2日」とあるので、つい最近ですね。

行政府情報(一部)

総務省
インターネット上の違法・有害情報に関してお困りの方へ
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/d_syohi/ihoyugai_02.html

厚生労働省
まもろうよこころ
https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/soudan/sonota/

警察庁
インターネット上の違法情報・有害情報対策https://www.npa.go.jp/bureau/cyber/countermeasures/illegal-info.html

IHCのポスター
https://www.npa.go.jp/bureau/cyber/pdf/Vol.30cpal.pdf


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