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「Luv Bias」を考える。①

Kis-My-Ft2「Luv Bias」の分析

今回は2021年に発売された、Kis-My-Ft2の27枚目シングル「Luv Bias」のMVについて分析し、思考することを試みたい。

この楽曲は玉森裕太が出演したドラマ『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』の主題歌となっている。
タイトルにある luvはloveの別表記、つまり愛、愛情といった意味を持つ。biasは偏りや傾向といった意味を持つ。詳しい意味づけは不明であるが、公式ホームページにも「恋する気持ちを歌った」とあることから恋愛について表現した作品であることがわかる
ちなみに「Luv Bias」が発売する時期に出版された『TVガイド 3/5号』の表紙をKis-My-Ft2が務めた際に「キスマイ、偏愛。」と記されていることから、偏愛といったコンセプトを推察することもできる
(TVガイドHP https://www.tvguide.or.jp/column/column-693083/

このような楽曲である「Luv Bias」を対象とし、分析を行う。

「Luv Bias」にある1つの構造

MVの観察・分析

今回、映像が持つ構造について着眼していく。Kis-My-Ft2初のフルCGのMVとなっており、撮影スタジオ自体はグリーンバックの単調なものとなっていた。
そこに加えられた背景や編集が映像の中でどのような構造を織りなしているのか。この点を捉えることを試みる。

YouTubeに投稿されているMVは、楽曲のラストサビ部分をカットしたような、少し短いものにはなっている。しかしこれだけでも十分に構造を見出すことが可能となっている。冒頭から”注意深く”見ていこう。

0:02-0:03  青の背景にavex(現在のMENT RECORDING以前に所属していた)のロゴが表示されたかと思いきや、複数の色彩カットで映像が始まる。

「Luv Bias」MV冒頭にある色彩カットを再現したもの

ざっくりとにはなるがこのような色彩を見ることができた。①の灰色のような画面から始まり⑦まで、約1秒間で移り変わる。全体的に画面左側からトーンの異なる色が表れている。また、⑥の右上に青があり、⑦の全体に広がっている。ここから画面全体が左から右へのある方向を持って移り変わっていることが分かる。
このような変化の中で、⑦の画面でようやくメンバーが映り始める。しかしここでは顎から下の部分が、うっすら透過するような形で現れる。
色彩カットをさらに挟んでタイトル「Luv Bias」が表示されたあとにメンバーの全体像が現れる。

0:09-0:16で流れるメンバーの集合カット

7秒間、メンバーは動かずカメラのみが若干動き、メンバーの方へ近づいていく。左から順に、前列に北山、玉森、藤ヶ谷、後列に二階堂、千賀、横尾、宮田が立っている構図である。メンバーはほとんどカメラの方を向いておらず、目線が散乱しているように見受けられる。
通りのようになっており、左右には建物が立ち並んでいる。ここから奥に向かう一点透視的な構図であることが分かる。

ここまで見たときに1つの可能性が立ち上がる。それは左右方向にある構図と手前・奥にあるような構図である。要するに左右と奥行きである。

この仮説を持った状態で、続けてAメロ以降を見ていく。

0:32あたりで流れるカット 玉森の映る箇所をT1,T2、藤ヶ谷の映る箇所をF1,F2で表記している。
文字の同じ箇所はおそらく同じ映像が用いられている。
0:34のカット。映像はいくつか異なるものの分割された画面に横尾が映し出される。

Aメロが始まると、途端に分割された映像が映し出される。それらが左右方向や上下方向に動きを持って映像となっている。先ほどの左右方向、手前方向に加え、縦の上下的な動き・画面割りが想起される。

0:57-1:06 Bメロ サビ前の集合カット

ただ、分割画面と打って変わって再度全員が映った、線による分割がない画面になる。こうした分割画面が続いては、離れるような映像の構成でありながら、ここでもまた地平と後ろにある物体(おそらくは惑星的な何か)によって前後関係が生み出される。

サビ終わり 1:28の画面

そしてBメロで見た映像の傾向はサビでも続いていく。水面のような場所にメンバーが立ち、上には空が広がっている。水面上、手前や奥にはクリスタルのようなものが立ち上がっている。これがあることによって明らかな前後意識が生まれていると考える。

3軸におけるレイヤー構造

このようにMVを分析する中で、「Luv Bias」には左右方向、上下方向、手前奥方向の3軸におけるレイヤーが配置されていると考える。”自然な”映像からは離れると思われる直線分割や、距離を意識させる配置からそれらの傾向を感じ取る。
そしてこれはMV中のみではなく、CDジャケットにもこの傾向を見ることができる。
この点を明日の分析とする。

大反省

時間足りず!!!!!!!!!!今晩は途中までを経過として残し、明日再投稿します(なので明日「Luv Bias」①②を書きまとめたいと思います)
大変申し訳ございません。

とは言っておりましたが時間足らず、本日は①に留めます。図像の多さから時間がかかった説が否めない。本当に反省。(2022.08.05)


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