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筆力に圧倒される「三体」

<SF(31歩目)>
日本を含むアジア地域最大のヒットSF作品で、中国の凄さに酔ってみる。

三体
劉 慈欣 (著), 立原 透耶 (監修), 大森 望 (翻訳), 光吉 さくら (翻訳), ワン チャイ (翻訳)
早川書房

「31歩目」は極めて売れたSF作品。アジア地域最大のヒット作です。
日本でも、版元の早川書房の創業以来最大の利益をたたき出した作品です。(銅像が建ちそうですね!)

元々、日本の出版界では、SFを出すと「会社がつぶれる」と言われていた業界で、早川書房はSFを長く扱い、創業60年で大ホームランとなりました。それくらい、一般的な日本人も読んでいる作品です。

著者は、劉慈欣さん。名実ともに、は中華人民共和国のSF界の巨匠です。
彼は、ガチガチのハードSFを志向するも、世界観と人物描写にとても優れています。それ故に、ヲタクに限らず多くの読者を増やせたと思います。

ファンサイトは、本国でも。日本でも、そして米国でも、ロシアでも立ち上がり、「科学的な考証がいい加減」等々のSF者(ヲタク)の声をガン無視して、がんがん売っています。

※専門家なる人はガンガン怒鳴るが、SFって、「science fiction」なんですよね。

「fiction」の部分に「愛(love)」が無いと読んでもらえません。「science」に特化しすぎると、「科学論文」になり、読者を大きく狭めてしまう。ここを彼は鋭敏についている。

読者は、沢山いる登場人物に感情移入していく。故にファンサイトは、色々な登場人物に対してのそれぞれのファンが沢山いる(主人公以外にも魅力あふれる登場人物が多い)。ここが核心部であり、私はわき役ながら警察官「史強」なる人物が大好きです。

色々な「愛(love)」の形を網羅しながら、最初から最後まで走り切るこの作品は、日本のSF界に大いなる刺激を与えています。

ちょっと厚めの本ですが、お時間ある時にお読みください。すげーとなることを保証します。
※この本については、色々と書きたいのですが、書きすぎると自分自身が「コチコチ頭」の「SF者」になりそうなので、敢えて省きます。

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