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焼きそば大戦争(終)

4人の前に大皿に盛られた真っ赤に染まった焼きそばが置かれる。
 キラの目が大きく剥かれる。
「コれハ・・・」
「懐かしいだろう」
 シンが悪戯っ子のように笑う。
「オレらの再会を祝すのにこれ以上のメインはないだろう?」
 トモも穏やかに笑う。
 何も覚えていないケンだけが首を傾げながらも当時と同じように小皿に焼きそばをよそっていく。
「・・・次に地球ここに来るのはいつ頃になりそうだ?」
「恐らク・・ケンの孫ニ子どもガ出来るクらいニなる」
「近くにいるって言って返信に半年掛かるんだからそんなもんか」
「オレら生きてないかもな」
 シンは、寂しそうにピールを飲む。
「ケンのメンテナンスだけはしていってくれよ。最近物忘れが酷いから。萌ちゃん可愛そうだ」
「分かっテいル」
 キラは、小さく頷く。
「戦争が終わっテからも今ダに平和には程遠い。後処理もあルシ、何よりも人ノ心の傷は簡単にハ治らなイ」
「戦争がいかに下らないか良く分かるな」
 キラは、頷く。
「戦争ナんテ二度とサセない。その為ナらオレの人生を全て捧げル」
「オレも戦争に苦しんだ人たちの生活を少しずつでも良くしていけるようにしていく」
「それ以外の人たちの命だって救うさ。オレは火消しだからな」

 もはや3人の立場は違う。

 歩んでいる道も違う。

 しかし、目的としているものは一つだった。

 人を守る。

 これが3人のこれからも変わることのない、切れることのない絆を結んでいた。

 そしてその絆をしっかりと結んだのが・・・。

「まーた物騒な話ししてるな」
 ケンは、酔っ払って赤ら顔になりながらも丁寧に取り分けた焼きそばを置いていく。
 サイボーグなのに相変わらず酒に弱い。
「そんなことより食おうぜ」
 あの頃と変わらない人を和ませる穏やかな表情と声。
 3人は顔を見合わせて笑う。

「いただきます」

 4人は、両手を合わせて声を揃えて言うと一斉に焼きそばを食べた。

「かっら!」
                 了
                          

#短編小説
#焼きそば
#永遠の友情

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